汐入公園をお散歩

182001.jpgだいぶ戻りますが、8月16日は河畔の公園をお散歩してみたくなり、荒川区の汐入公園を訪ねてみました。

隅田川が180度近い大屈曲をする内側にあり、対岸には旧綾瀬川の合流点が望まれ、水神大橋が架かるなど、水運趣味的にもそそるロケーションの公園ですが、園内にも見どころがいくつかあり、ぶらぶらしながら楽しんできました。

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まずは都道314号線・「川の手通り」を南下し、公園の南の外れにある、瑞光橋周辺を見てみることにしました。こちらは汐入公園ではなく、瑞光橋公園だそうですが、河畔のテラスでつながっています。

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北詰の親柱の近くには、小さな可愛らしい顕彰碑が。先代橋の銘板を掲げているのがツボを突かれますが、碑文で創架年くらいは触れてほしかったですね。

ちなみに、国土変遷アーカイブス・空中写真閲覧サービスのUSA-M390-26(昭和22年・米軍撮影)を見ると、ちょうど今の水門跡のあたりに橋が見えるので、改架というより、新設した橋に襲名させたといったほうが正しいのでしょう。

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瑞光橋から西側、湾入の奥を見たところ。よく知られているように、かつて隅田川貨物駅に通じていたポンド(船溜)に至る水路の一部を、公園化して残したものです。

隅田川から自艇で入ることができれば、またとない水路遺構探訪ができるのですが、瑞光橋の下にフェンスが渡されて閉鎖されており、残念ながら船艇が入ることはできません。最奥部には、これまたその筋では有名物件の、ポンドを守っていた水門の跡があります。橋から水際に降りて、いそいそと見物に及びました。

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水門跡を東側から見たところ。植え込みに囲まれて、堤防上に上がる階段の門柱のように、一対のコンクリート塊が立っていました。左のそれはテラスの擁壁に取り込まれて、それと意識しなければ、見過ごしてしまいそうな雰囲気です。

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ディテールはきれいに削り取られ、ゲートがはまっていた戸溝も丹念に埋められていて、わずかに川表側、角落しの戸溝がそれらしい感じを発散している程度ですが、やはりかつてのホンモノ、星霜を経たコンクリートの肌はよいものです。

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こちらの説明板は、写真入りの立派なもの。写真もオフィシャルなのか鮮明で、細部まで観察できるのが楽しいですね。きれいに削り取られていた堰柱基部の階段は、管理橋に至るものだったことが、写真のおかげで理解できました。昭和28年竣工というと、ポンドの終焉まで20年持たなかったことになります。戦後に生まれた水門としては、短命な部類に属するのかもしれませんね。

説明でも触れられているように、石炭の集散地として名高かった隅田川貨物駅ですが、これは何より、常磐炭鉱からの積み出しを、当時の日本鉄道が請け負ったことが大きかったと聞いたことがあります。

あと、ポンドのある貨物駅も、趣味的にそそられる存在ではありますよね。秋葉原、両国、佐原など、昔の地図や航空写真でかつての姿を眺め、賑わっていたい時代の風景を、あれこれ想像するのは楽しいものです。

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瑞光橋公園から隅田川畔のテラスに出て、すぐ上流側にあるのがご覧のポンツン桟橋を備えた船着場。すみません、名前を確認するのを忘れました。

荒川下流河川事務所発行「東京水路MAP」を開いたところ、図ではこのもう少し上流に、管理区分は区もしくは民間で、名称は白鬚西とある船着場が表記されています。他に船着場は見当たらなかったので、ここのことを指しているのではないでしょうか?

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そのままテラスを上流へほてほて歩くと、何やら厳重に柵で囲まれたゲートが見えてきました。背後に下水道局の白鬚西ポンプ所があるので、その放流渠の樋門みたいですね。

柵もさることながら、巻上機室の上屋‥‥というよりケーシングと呼んだ方がしっくりくる箱、まるで変電設備のようで、鎧をまとったような厳めしさがあります。

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水神大橋の西詰まできました。いいなあ、と思えたのが、この「隅田川右岸」ときざまれた御影石の標柱です。

川を長い間うろついてきながら、どういうわけだか、右岸・左岸という便利かつ、味のある表記法を、ほとんど使わずにきてしまいました。う~ん、何ででしょう? どこか自分の心の中では、いま一つしっくりこない部分があるのかもしれません。

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テラスを進んで水神大橋の下をくぐっていたら、大きな看板に橋の図面が描かれ、耐震補強工事の説明がしてありました。橋脚から構造に至るまで、ずいぶん多岐にわたった工事だったのですね。来年1月で終了とのことです。

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そして今回、間近に眺めたかった物件。旧コンクリート堤防の一部を、カット・装飾の上現地保存したもの。堤防の改良が終わったところや、水位低下化区間でも、各所で同様のものが見られますよね。

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往時の写真入りで、堤防事業の歴史を解説してくれる説明板。大きな銘板とともに、どこか質実剛健な雰囲気が感じられて、無骨な旧堤防の外観ともよく合い、説明も簡にして要を得た好ましいものでした。

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カッターで切断した痕が、波紋のような模様を描く断面も佳し。天端の少し幅のある部分は、いわば別パーツ(?)なのが、断面を見てわかりました。

切断された骨材の、光沢がある面に吸い寄せられて指先で触れると、コンクリートとは違った、するするとした感触が楽しめました。

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裏に回ると、石張りの装飾も銘板もなく、いきなりわびしい雰囲気に。もっともこちらには、現役時代の銘板が残されており、これがオブジェなどでない、かつての実物であったことが味わえる面ともいえそうです。

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昭和39年度施工 荒川右岸護岸建設工事(その11) 工事延長 これより上流 174m 昭和40年3月5日竣功 東京都
そう、この当時はまだ隅田川は通称で、本名「荒川」だったのです。

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夏の陽も傾いてきました。対岸に、旧綾瀬川の河口を望むところまできて、しばらく眺めていたくなり、堤防の階段を上って腰を下ろすことに。

船でも下ってこないかな‥‥と、休憩しながらぼやっと眺めていたのですが、残念がら下航・上航ともになし、静かな川景色ではありました。

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ここで直下のテラスで遊んでいた家族連れから、楽しそうな歓声が一度ならず上がりました。見ていると、どうやら水際に植わっているススキだか葦だかの茎で、カニが釣れるのだそう!

カニさんに弱い船頭一家としては、惹かれることこの上ないものがあります。先客のご一家にならって落ちている茎を拾い、我々もカニ釣りに挑戦してみることにしました。

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茎を手に水際の泥だまりをのぞき込むと、いるわ、いるわ。結構な数のカニさんが元気にうごめいています。

そのうちの特に大きい一匹をめがけて、穂先を差し出して動かすと、ガブリとハサミで食いついてき、そっと引っ張り上げたところ、いとも簡単に釣ることができました! もちろんこの後、カニ諸君には泥だまりにお帰りいただきましたが、面白いように次々と釣り上げることができ、童心に帰って興奮のひとときを過ごしたのでありました。

(27年8月16日撮影)

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タグ : 汐入公園 汐入水門跡 隅田川 旧綾瀬川 樋門

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