千波湖で遊ぶ

水戸市街地の外縁に位置し、また有名な偕楽園とも隣り合っているというアクセスとロケーションの佳さ、水に親しめる行楽地として見ても、落ち着いた好ましい雰囲気で、気持ちのよい時間を過ごさせてもらいました。
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●西側駐車場から園内に入ると、閘門‥‥いや黄門様・徳川光圀公の像が迎えてくれます。さすが水戸様ご城下。ちなみに駐車場は、有料駐車場だけでも400台以上、周辺に設けられている、各無料駐車場と合わせれば1000台超という結構な収容力を誇ります(『千波湖ホームページ』参照)。家族連れでも安心ですね。
黄門様像の左には、湖畔の風景を眺めながら食事のできるレストラン「好文カフェ」、右側には和風の喫茶・軽食が楽しめる茶店「好文茶屋」があり、公園内でのいわば憩いの場となっています。

●船頭の趣味的なツボを突かれた件・その①、水鳥たちとのスキンシップが、思う存分堪能できることです!
後で触れる「石川貸ボート店」で餌を売っていて、水鳥たちに与えることができるのです。水際でしゃがんで、餌を手のひらに乗せただけでこの入れ食い状態、オオバン君にこんなかわいい顔で「ちょうだい!」とおねだりをされては、そりゃもうトリ好きとしてはメロメロになろうというもの!
東京の水路はもとより、マリーナのポンド内でも、よく姿を見かけるおなじみの水鳥たちですが、東京のそれは人を見るなり逃げの姿勢に入るのが、ここでは手から餌を食べるほど馴れているのですから、まさにトリ好きの武陵桃源であります。餌代だけで、えらい散財をしてしまった気が‥‥。ちなみに地元の方たちは、家から持参された餌を与えていました。

●レストラン「好文カフェ」でお昼ごはん。よく磨かれた大きな窓から、湖面を眺めながらのランチもまた佳き哉。
先のホームページの記事「千波湖の歴史」によれば、その面積は江戸末期の時点で、およそ1,275,000 平米。大正以降の新田開発・市街地造成のために行われた干拓によって、往時の4分の1近くに減じたものの、なお約332,000平米の面積があるのだそう。

●腹くちくなった後は、屋上の展望台に上がってみました。秋晴れの澄んだ空の下、爽やかな湖畔風景を堪能。
北側に伸びる低い丘は紅葉が始まっており、その先北東方向に水戸の市街地が遠望でき、ビル群が湖面に姿を映すさま。諏訪湖のように、山肌が迫る水辺の雄大さはありませんが、緑に囲まれた風景はあくまで穏やかで、人の動きもゆったりしているように思えました。

●展望台から機関車の姿が見えたのに惹かれて、食後のお散歩とぶらぶら訪ねてみることに。保存機とはいえ、鉄の重みを感じさせる重厚さはまさにホンモノ、これまたよいものです。
まだ塗装して間がないのか、黒光りした肌が陽光に輝いていますね。ご当地ゆかりの蒸機かな? 説明板を読むと、D51の515号、昭和16年3月大宮工場竣工。昭和23年7月から昭和33年2月まで、水戸機関区に所属していたのこと。

●運転台に入ってみました。メーター類もきれいに残っていて、清掃もされているのか、状態は悪くありませんでした。
銅や真鍮の色が少し変ですが、同系色の塗料で塗られているのか、それとも緑青を吹かないように、クリアーラッカーみたいなものでコートされているだけなのか‥‥。いずれにせよ、大事にはされているようですね。

●千波湖の北側には桜川が走っていて、この東で那珂川と合流しています。かつて千波湖が広かったころは、湖そのものが河道の一部で、この区間はのちに分離されたものでしょう。公園の一部とあって、水際まで降りられるような丸石張りの法面に造られており、カヤックなどもエントリーしやすそうですね。
その名のとおり桜の名所で、黄門様がこの河畔に、桜並木を整備されたとの伝承があるのだとか(黄門様のころは湖面の一部だったので、この上流か、ずっと下流を指すのでしょうが)。ちなみに千波湖畔も、750本の桜を誇り、春先にはお花見客でにぎわうとのことです。

●対岸、樋門の吐口にマイタゲート発見、ひゅっと意識が吸い寄せられました! 流木が挟まって閉まらなくなっており、対岸にいたら、きっと走っていって取り除いてあげたでしょう。
堰柱を要するスライドゲートでは、せっかく修景した河畔に適さない、との気遣いがあったのかもしれません。扉体の色も石組みと同系で、よほどの好き者(?)でなければ、見過ごしてしまうほどの溶け込みようではありました。

●さて、船頭の趣味的なツボを突かれた件・その②であります! 常設(ここ重要)の貸しボート屋さんがあって、飛び入りで気軽に(ここ重要その2)に舟遊びが楽しめること!
ボート屋さんは「石川貸ボート店」、先に触れたとおり、水鳥や鯉の餌の販売所でもあります。外輪推進好きとしてはですね、もう迷うことなくスワンボートをご指名。手前の何やらわからん顔の付いたボートも、ちょっと魅力ではありましたが‥‥。

●で、勇躍漕ぎ出したわけですが、ここでも嬉しいことに、水鳥たちが我が艇に追いすがってきて、盛んに鳴きながらおねだりの襲撃を繰り返してくれるのであります!
特に白鳥はその長い首を生かして、ボートの中にまで顔を突っ込んでは「ちょうだい、ちょうだい」とおねだりしまくる可愛らしさ! こんなに愛嬌のある白鳥は、見たことがありませなんだ。もちろん、手のひらから直接召し上がられる馴れようで、頭を撫でても怒らず、おっさんズイキの涙。

●続いて黒鳥の艦隊が襲来、並み居る小艦艇いや、鴨たちを追い散らして、我々の与える餌を独り占め。
この黒鳥は、白鳥たちより少し気が荒く、「ブゥォォン、ブゥォォン」と警戒音を発しては、近寄る水鳥たちを威嚇して追い払う剣呑さ。でも、こんな間近で美しい黒鳥を拝めることも、そうそうないことではありますから、よしとしておきましょう。

●魅力的な水門物件も一つ。一見、コンクリートアーチ橋のようですが、径間が短すぎること、背後にスピンドルを備えた堰柱の枠組みがあることから、樋門で間違いないでしょう。桜川からの給水をするためのものでしょうか。
しかし、ちゃんとアーチリングを備え、要石を尖頭形に造り分けるなど、下手な橋より造形が凝っていますね。造作と古び方からして、竣工は昭和初期より下らない感じがするのですが、どうでしょう。親柱には銘があるのかなあ、歩いて見にいけばよかった‥‥。

●ボート乗り場でも、ちょっと惹かれた一隻がありました。スワンのフィギュアヘッド(?)も、動物の顔もついていない、珍しくスマートな感じのボート。
この角度から見ると、他と同じく足踏みのパドルボートに見えますが‥‥。

●船尾に回ってみてちょっとびっくり、エレキモーターの船外機艇でした。
船外機を直接ティラーで操作するのでなく、ちゃんと前を向いてシートに座り、ステアリングで舵を取れるところが千両。上部構造が重い分、大したスピードは出ないでしょうが、シートとハードトップを持つ本格派(??)の船外機艇、これで超絶に狭い水路をゆっくりめぐることができたら、さぞ楽しかろうと妄想したのでありました。
(27年11月1日撮影)

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