江戸川閘門のディテール…2

(『江戸川閘門のディテール…1』のつづき)

180041.jpg夜間設備の中でも目立つのが、堰柱側面に設けられた、この電柱取り付け型水銀灯。各堰柱に前後2本、計8本あります。街灯としてはLEDタイプに駆逐され、もはや懐かしいスタイルですよね。

夜設にはこの他、巻上機室上に16基、閘室左右にポール型の水銀灯が6基、巻上機室桁内に後述の照明が3基と多彩で、ここが通船の要衝であることを改めて実感できます。

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くぐりながら扉体を見上げて。扉体は一度更新されているので、リベットの見られない溶接組み。訂正・竣工当初より溶接組立、追記参照)中央の梁4列分に渡って、木製の平角材がボルト止めされています。船舶などの衝突に備えての、フェンダーといったところでしょうか。

構造の水平部分には泥が溜まるようで、上から2列目は湿気と日照の塩梅もよいのか、草が生えてしまっていますね。

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そして、開放時ならではの一枚を。扉体の断面というか、水密材の様子を記録しておきたかったのです。

ご覧のとおり、黒く分厚なゴム板をボルト止めしたものでした。改修後、バイパス装置での注排水を取りやめ、扉体を細めに開けて注排水を行うようになりましたが、そのあたりの対策も講じられているのでしょう。

180044.jpgくぐってから振り返って、巻上機室桁裏を見上げたところ。ここにも3つの照明があって、扉体を真上から照らす形になっています。4つの水銀灯で十分とも思うのですが、扉体の上下を確認するためでしょうか。

平成7年8月に、夜に撮った写真(過去ログ『平成7年8月・江戸川…2』参照)を確かめてみたら、前扉室のこれを点灯していることがわかりました。堰柱の水銀灯は点いていなかったので、ここを照らしておくことに、何か特別な意味があるのかもしれません。

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閘室周りは過去にたびたび触れているので、前扉室に視点を移してみましょう。管理橋の高欄に刻まれた英国旗のような模様、最近の橋ではまず見られない意匠で、時代を感じさせるパーツではあります。

以前から気になっているのは、水門の径間を渡る部分にも同様の装飾が施されているものの、水門のそれは向こうに抜けているのに、閘門の部分は凹凸の表現のみで抜けていない、いわばムクであるということ。これにも何か、意味があるように思えます。例えば通船の安全や、閘室の保全を考えて、小石など異物の落下を極力防ぐようにしたため、というのはいかがでしょうか。

【11月5日追記】
土木学会附属土木図書館で公開されている、「土木建築工事画報 第15巻6号(昭和14年6月発行)」の記事「江戸川水門工事就いて」(PDF)によれば、扉体は「電弧溶接扉」とあり、竣工当初より溶接組みであることがわかりました。お詫びして訂正します。

(27年10月4日撮影)

(『江戸川閘門のディテール…3』につづく)

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タグ : 江戸川水閘門 閘門 旧江戸川

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