空から渡良瀬遊水地を眺めて

177001.jpg7月26日は、家族サービスで栃木県は下都賀郡野木町を訪ねてきました。第24回ひまわりフェスティバルで、ひまわり畑を見てみたいとのご相談であります。

身の危険を覚えるほどの猛暑の下、着いてみれば、すでに駐車場は満員札止めの盛況。停めるところを探してウロウロしていたら、思いもよらず素敵なものを見つけて、クルマを降りてみました。
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道路脇の、ひまわり畑や水田に囲まれたテニスコートほどのスペースに、ヘリコプターが舞い降りてくるのが見えたのです! 着陸する瞬間、爆音とともに熱風と砂塵が吹き付け、目も開けていられないほど。

かたわらのテントには「ヘリ遊覧会場」の看板が掲げられ、どうやら飛び入りでも乗せてくれそうな雰囲気。渡良瀬遊水地もほど近いことではあるし、空から水辺風景を眺められるかもと、入ってみることにしました。
撮影地点のMapion地図

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ヘリはお客さんを降ろすと、待ち構えていた次のお客さんを乗せて、慌ただしく再離陸にかかります。

砂塵が吹き付けるほどの突風は、グラウンド・エフェクト(でいいのかしら?)が効くほんの一瞬で、数m飛び上がってしまえば、さほどの風ではないことがわかり、力の伝わり方を肌で実感したように思えて、面白く感じたものです。

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カウリングされた細身のマスト(?)上に、ローターを高々と掲げたスタイルはなかなかスマート。砂町運河や荒川で、若洲のヘリポートに降りてゆくこれと同じ型のヘリを、たびたび見かけました。

テールブームに書かれていた機体記号、「JA76MH」で検索してみると、ロビンソン・R44・クリッパーⅡという型式とのこと。各地で遊覧飛行に活躍しているのか、ブログなどに写真もたくさんアップされていますね。

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さて、テントの受付に来意を告げて申し込むと、約1時間待ちとのこと。う~ん、テントの下とはいえ猛暑の中、砂塵を浴びての1時間はツラ過ぎるかなあ‥‥。ちょっと考えてしまいましたが、クルマの中で待っていればいいやと申し込むことに。連れたちは暑さをものともせず、元気にひまわり畑へ出かけて行ったので、1人で順番待ちのお留守番です。

柵には「エンゼル・ヘリツアー」、「(株)インプレッシア」の名前が掲げられていましたが、いずれもサイトはなく、検索するとつくば航空がヒットしました。

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待合所の前に掲げられた注意書き。電子機器の扱いは、携帯以外おおむね旅客機と同じようで、上空に上がれば写真を撮ってよいようです。

たった一機ながら、ひっきりなしといった感じで離着陸があるので、吹き付ける砂塵で、すでに汗ばんだ肌から髪の毛の中まで、もうザラザラのパサパサ。地上員の方々のご苦労が察せられます。

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クルマの中でしばらく涼んでいたところ、順番が近づいてきたので、待合所に詰めてほしいとのアナウンスが。席について眺めていたら、係の方がホースで水撒きを始めました。遊覧コースが珍しく長丁場で、時間ができたようです。

わずかな接地面こそパッドが敷いてあるものの、大半はローラーで固めただけの未舗装の即製ヘリポート。こうして時々水を撒かなければ、砂塵で人がつらいばかりでなく、ヘリの吸気にも影響が出るのでしょう。

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呼ばれて席についたとき、「そろそろ燃料がなくなってきたので、給油の時間をいただくかもしれません」とのお断りがありました。暑いのはツラいですが、ヘリの給油なんて見たことがないので興味津々。

なるほど、かたわらに停めてあったトラックに係の方が乗り込み、積んであったドラム缶から、手動ポンプで携行缶に移し始めました。燃料はケロシン系かな?

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我々の一組前で、「給油のためお時間をいただきます」とアナウンスが。珍しいシーンを見られるとは、汗だくで待ってみるものです。キャスターに注ぎ口の付いた携行缶を3つ載せて運び、消火器を用意してから、二人掛かりでトクトクと注ぎ込むという、のどかな(猛暑であることを除けば)補給風景でありました。

待っているお客さんたちを前に、幕間を持たそうと考えたのか、係の方から説明がありました。燃料は航空ガソリンで、値段はクルマ用の倍以上すること、エンジンはヘリによくみられるジェットエンジンでなく、自動車同様にピストンが往復する、ガソリンエンジンであることなど。タービンもいいですが、どちらかといえばレシプロエンジンに惹かれる船頭としては、乗ったときの爆音と振動を思って、いやが上にも盛り上がるのであります。

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我々の順番が巡ってきました。操縦士の方に挨拶して、ベルトを締めいざ出発!

離陸してすぐ、「カメラ、いいですよ」とお許しが出たので、さっそく一枚。十数m上がっただけでこの絶景、目に沁みるほどの緑鮮やかな美田が、眼下に清々しく広がる素晴らしさに、思わず声を上げてはしゃぐおっさん。

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高度を上げたヘリは、姿勢をぐっと傾けるとにわかに行き足を増し、前方に見えてきた広大な水面へ向けまっしぐら。足もとまで窓があるので、一本丸太にまたがってすっ飛んでいるような気持ちになります。

「前方にハート形の湖が見えてきたでしょう、あれが渡良瀬遊水地です」‥‥おおお! 期待したとおり、渡良瀬遊水地を空から拝めそうですね! もこもことブロッコリーのように盛り上がる森や、草原のような広大な高水敷と、次々に現れる緑豊かな水辺風景を堪能。

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いくつか見られる森の一つに、前方高円墳みたいな形のものが目に留まりました。一直線に続く木立の盛り上がりの左、中之島をあつらえた池が隣接しているのがそれ。古墳かな?

帰宅してから地図を見てみたら、どうやら野木神社の杜のようですね。野木町の「歴史探訪」によると、巨大古墳で知られる仁徳天皇の御代、およそ1600年前に創建された古社とのことです。

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渡良瀬遊水地‥‥いや、ここだけなら渡良瀬貯水池ですか。酷暑の水蒸気にけぶる空をバックに、きれいなハート形が一望のもとに。不忍池みたいな、土堤道で3つに分かれているのですね。

手前を流れるのは、巴波川と思川を合流した直後の渡良瀬川。左側に見える堤防のコンクリート部分は、越流堤でしょうか。以前訪ねた巴波川の舟運(『巴波川の遊覧舟…1』以下参照)も、かつてはこのあたりを通って、利根本流と行き来していた時代があったんだよなあ‥‥。

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機体を傾けて反転したあたりで、堤防の真ん中にぽつんとたたずむ、一径間の水門を発見。右手奥には小さな桁橋も見えて、蛇行し、湾入をつくる流路とあわせ、箱庭のような好ましいロケーションです。

空から水路を眺め、水門を見つけたところで、以前楽しんだ、茨城県の阿見飛行場からの遊覧飛行(過去ログ『空から水路をゆく!…1』以下参照)を思い出しました。
そうそう、東京航空のサイトによれば、阿見飛行場、今年の1月で廃止されてしまったんですよね‥‥。あの素晴らしいコースももはや楽しめないと思うと、何とも寂しい限りです。

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ズームでたぐって、水門をアップでとらえることに成功! 寄る辺のない緑の海に、孤り立つこの凛とした姿、頼もしいじゃござんせんか。ところでこの水門、佐藤師匠のサイトで見たことがあるな?

帰宅してから、水門先生のサイト「Floodgates」をのぞいてみると、「Floodgates List 37」にありました。「渡良瀬遊水地第二水門」とのことです。

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フライトもすでに帰路なかば、左前方に見えてきた青いニールセンローゼ橋は、思川に架かる県道174号線、松原大橋。

堰などで分断されていない可航河川だったら、走ってみたくなるような、これまた結構な水路風景であります。指定したコースは所要時間5分、ヘリは高度をぐんぐん下げて、元のヘリポートへ近づいてきました。

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待ち時間とくらべたら、それこそあっという間でしたが、渡良瀬遊水地の広々とした素晴らしさ、本当に芯から堪能しました。お世話になったスタッフの皆さん、ありがとうございました!

全身ジャリジャリのザラザラになった一同、そのままクルマに乗って帰宅したわけですが、帰るなり玄関で服を脱ぎ捨て、風呂に飛び込んだのはいうまでもありませなんだ。

(27年7月26日撮影)

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