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5月3日の西側河川…2

(『5月3日の西側河川…1』のつづき)

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平木橋はこのあたりで唯一、桁側面に河道断面図を掲げ航路幅を示しているという、いわば通航艇に向けてメッセージを発している親切な(?)橋。

しかし今回見てみたら、以前にもまして看板の腐食が進んでいて、残念ながら断面図も風前のともしびです。貴重な存在ではあるので、せめて通るたびに記録だけでもしておこう。

172007.jpg寒色系の多い小橋梁の中でも、赤く塗り上げられた新田橋の存在は、一服の清涼剤といってもいいほど。

旧橋を意識した造作とともに、狭い水路幅によく似合う塗色だと思っているのですが、こちらもちょっと色あせてきたようですね。以前の真紅も鮮やかな桁を、取り戻していただきたいものです。



172008.jpg大横川南支川との丁字流近く、例のイイ感じの急カーブの手前には、木製の杭が並び、角材をつなげた素朴な浮桟橋がもやっているのは何度か紹介しましたが、今日はここのヌシである曳船君が休んでいました。

姿を見かけないときもあるので、引退したかしらと心配させられることもあったものの、一見したところまだまだ現役のようです。今や大横川を母港(?)とする唯一の船、原木と筏曳船で水面が埋め尽くされていた時代を、かすかに忍ばせてくれる、これも貴重な存在なのですから。

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曳船‥‥と呼んでいいものか、バウにも小さいながら甲板室があって、胴の間も広く取られ、通船も兼ねていそうな造作ではありますね。フロントグラスは折り畳み式、甲板室はブルワークと高さがさして変わらないほど、めり込んだような造りで、とにかく全高を抑えようという、強烈な意志が感じられます。

昔の木場を写した写真で、この船よりさらに平べったい、まるでつぶれたようなスタイルの木造曳船が、筏を曳いて活躍しているのを何度か見たことがあります。考えてみると、これはいってみれば「江東内部河川型」なのではないでしょうか? 都内の川が、全体的に橋が低いとはいえ、ここまで高さを抑える必要は、江東以外は無いように思えるからです。

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通り過ぎざまに、大横川南支川の弁天橋も。考えてみれば‥‥って、考えてばかりで恐縮ですが(普段は何も考えていない)、両側面の鈑桁で高欄を兼ねた、中路式というんでしょうか、この手の最も簡素な鋼桁橋も、もはや数少なくなってきましたよね。

過去にも触れたように、神田川可航部ではもう絶滅してしまったし、都内にはあといくつ残っているのでしょうか。むしろトラスより、震災復興橋としては希少になっているのかもしれません。
撮影地点のMapion地図

(27年5月3日撮影)

(『5月3日の西側河川…3』につづく)

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タグ : 大横川大横川南支川江東内部河川曳船

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