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観音崎散歩…5

(『観音崎散歩…4』のつづき)

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目線をぐっと右‥‥東の方へ転じれば、人工のものが目立つ平らかな湾奥から、房総の山並みがうねる湾央風景に。繰り返しになりますが、この変化が味わえるのも観音崎ならではで、改めて面白く感じたものです。

眺めていて、今さらながら思ったのが、沿岸が平地か、あっても低い丘陵ばかりの湾奥は、地文航法での目標に乏しく、ちょっと視程が悪くなると、いかにも位置確認が難しそうであること。まして大きな建物がほとんどなかった昔、羅針と沿岸地形のみが頼りの船乗りからすれば、決して行き来のしやすい海ではなかったのではないでしょうか。

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妄想はさておき、さらに右へ目を向けて、ほぼ北、湾口方面を眺めたところ。はるかに霞む房総半島の南端と紺碧の海、足元の緑深く険しい崖線と、これまたため息の出るような眺望です。

写真中央あたり、岬の突端からぽつりと距離を置いた、小さな岩礁のような‥‥。いや、あれは明らかに人工のもの、以前、本で写真を見たことがあるぞ!

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ズームで思い切りたぐってみました。円筒形の基礎の上に、沖に向かってオフセットしたように乗っかった、小さなコンクリート製の建物。かつての水位観測施設ですね。砲台の関連施設とみて、間違いありません。現役時は、右手に桟橋があって、陸上とつながっていたのでしょう。

砲の射撃‥‥タマを的に当てるまでの段取りの九分九厘は、測量であるといってよいでしょうから、沿岸砲台であるここ観音崎のそれでは、潮位の計測が大切な仕事の一つであったことが感じられます。

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灯台の回廊をぐるりと一周し、北西側に見える東京湾海上交通センターの塔屋を一枚。こんなにまじまじと眺めるのは、浦賀水道を自艇で通って以来です。

海面から見上げたときの写真が、探せばどこかにあるはず。そのころとくらべて、変化があったのかみくらべてみたくなりました。

167025.jpg同じく北西側、資料展示室を見下ろして。稜線上の岩を削り、擁壁を築いて得た敷地は本当に狭く、建屋をのぞくと、わずかな通路しか残らないことがわかります。

着いたときは、息も絶え絶えで気づきませんでしたが、左手にも道があるのですね。帰りはこちらを通って、探検しながら下山するとしましょう。


(27年1月18日撮影)

(『観音崎散歩…6』につづく)

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タグ : 観音崎観音埼灯台

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