超狭小閘門! 西天竜頭首工舟通し…2
(『超狭小閘門! 西天竜頭首工舟通し…1』のつづき)

●ここで、背割堤上の機器類を観察。下流側、写真左手から、ゲート開閉の動力装置と開度計、夜間設備のサーチライト、排水ゲートの開度計(たぶん)、同動力装置、操作盤ボックス、というレイアウト。排水ゲートは、背割堤に開けた排水口を、スライドゲートで開けたてする構造でしょう。
扉体の構造から選択肢は他にないとはいえ、動力化された注排水ゲートを備えた、本格構造の閘門であることに、嬉しさも増そうというものです。
●気になったのは、これらの設備が今なお生きているのか、ということ。周りの様子から、見るからに数年のスパンで実用されていないであろうことは、容易に想像できたからです。
操作盤の窓をズームでたぐり寄せてみると‥‥。ゲート操作ボタンのランプは点灯し、ボルメーターの針が触れている! 作動するかどうかはともかく、電源は切られていないことがわかり、ホッとしました!

●管理橋の上流側に移動し、前扉室を眺めてみようと身を乗り出すと‥‥これまた衝撃!
階壁が露出している!
階壁とは、扉の水圧を受ける閾(しきい)を兼ねた凸部で、水位差が大きくないと設けられず、あってもまず水中に没しているものです。
それが、すっかりあらわになっている! 国内ではほとんど、見られない光景ではないでしょうか?
しかし、階壁の水平部には、扉体からのリーク(水漏れ)も程よいらしく、こんもりと草が茂って、長く通航がないことを物語っています。電設が生きていることで安心した気持ちが、少し凹んだ一瞬ではありました。

●舟通し見物の締めくくりとして、上流側から前扉室を眺めることに。具合よくほぼ正面をとらえられる位置に道があり、クルマを洗っていた地元の方にご挨拶して、柵越しに堪能。
しかし‥‥。左手には用水路の取水口に、魚道の落し口も隣接し、右手には越流する調節ゲート! 通航舟を守る浮きのフェンスも、待機場所となる背割堤すらありません。
ひとたび舵を誤れば吸い込まれるわけで、針の穴を通すような、巧みな操船を強いられることが明白。 動力のない艪櫂舟では、近づくことすらはばかられそう!
恐ろしい構造です。

●恐ろしい‥‥でも通ってみたい!
たぐいまれなる狭さ、高い閘程、スイングゲート、そして進入しづらそうな構造! どれを取っても珍しいものばかりで、閘門ファンとしては惹かれざるを得ません。
だいぶ痛んできているのが心配ではありますが、天竜川上流部が、今もって舟航河川である証しとして、長くこの地にあってほしいものです。
【撮影地点のMapion地図】
(26年11月30日撮影)
(『西天竜頭首工…1』につづく)

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●ここで、背割堤上の機器類を観察。下流側、写真左手から、ゲート開閉の動力装置と開度計、夜間設備のサーチライト、排水ゲートの開度計(たぶん)、同動力装置、操作盤ボックス、というレイアウト。排水ゲートは、背割堤に開けた排水口を、スライドゲートで開けたてする構造でしょう。
扉体の構造から選択肢は他にないとはいえ、動力化された注排水ゲートを備えた、本格構造の閘門であることに、嬉しさも増そうというものです。

操作盤の窓をズームでたぐり寄せてみると‥‥。ゲート操作ボタンのランプは点灯し、ボルメーターの針が触れている! 作動するかどうかはともかく、電源は切られていないことがわかり、ホッとしました!

●管理橋の上流側に移動し、前扉室を眺めてみようと身を乗り出すと‥‥これまた衝撃!
階壁が露出している!
階壁とは、扉の水圧を受ける閾(しきい)を兼ねた凸部で、水位差が大きくないと設けられず、あってもまず水中に没しているものです。
それが、すっかりあらわになっている! 国内ではほとんど、見られない光景ではないでしょうか?
しかし、階壁の水平部には、扉体からのリーク(水漏れ)も程よいらしく、こんもりと草が茂って、長く通航がないことを物語っています。電設が生きていることで安心した気持ちが、少し凹んだ一瞬ではありました。

●舟通し見物の締めくくりとして、上流側から前扉室を眺めることに。具合よくほぼ正面をとらえられる位置に道があり、クルマを洗っていた地元の方にご挨拶して、柵越しに堪能。
しかし‥‥。左手には用水路の取水口に、魚道の落し口も隣接し、右手には越流する調節ゲート! 通航舟を守る浮きのフェンスも、待機場所となる背割堤すらありません。
ひとたび舵を誤れば吸い込まれるわけで、針の穴を通すような、巧みな操船を強いられることが明白。 動力のない艪櫂舟では、近づくことすらはばかられそう!
恐ろしい構造です。

●恐ろしい‥‥でも通ってみたい!
たぐいまれなる狭さ、高い閘程、スイングゲート、そして進入しづらそうな構造! どれを取っても珍しいものばかりで、閘門ファンとしては惹かれざるを得ません。
だいぶ痛んできているのが心配ではありますが、天竜川上流部が、今もって舟航河川である証しとして、長くこの地にあってほしいものです。
【撮影地点のMapion地図】
(26年11月30日撮影)
(『西天竜頭首工…1』につづく)

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