釜口水門を訪ねて…8
(『釜口水門を訪ねて…7』のつづき)

●上は前扉室、右が後扉室のゲート。堰柱上端から梁にかけてのラインが独特で、それでいて装飾過多にならず近代味を持たせたあたり、好ましいものを感じさせました。簡素な中に最小限の意匠性を盛り込んだ、恐らく国内最高所の(間違っていたらごめんなさい)閘門にふさわしい、凛とした立ち姿。
現在、扉体の上に伸びている2本の帯金は、現役時のものではないでしょう。後ろに見えるチェーンが、かつては扉体をも吊り下げていて、カウンターウェイトと釣り合いを取りながら、巻上機のスプロケットで上下されていたに違いありません。

●下流側から後扉室を見たところ。チェーンのつながっているコンクリートの梁のようなものが、かつてのカウンターウェイトですが、現役時のものかどうかは、ちょっと怪しいところ。ただ、堰柱内側には戸溝が見えたので、この位置でウェイトが上下していたことは、まず間違いありません。
水面からの位置が高過ぎるようですが、天竜川も河床を複数回掘り下げたそうですので、現役時より水面はずっと低くなっていても不思議はありません。別途紹介しますが、昔の絵葉書を見ると、舟通しと水門の間にはかなりの幅の背割堤があり、ゲート設備は半ば独立していました。
●では、階段を上がってゲート上へ! 巻上機器の見学用としてはもとより、現水門や釜口橋を眺める展望台としても、絶好のポジションですよね。
ちなみにこの階段、保存後の後付けなどではなく、竣工当時からあったようです。床のタイルや手すりは、もちろん後年に更新されたものでしょう。

●天端に上がりきったところで、巻上機器の全体を一枚。チェーン+カウンターウェイト式のせいか、思ったよりシンプル、かつ新しいですね。これも現役時代の末期に、更新したものと思われました。
(26年11月30日撮影)
(『釜口水門を訪ねて…9』につづく)

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現在、扉体の上に伸びている2本の帯金は、現役時のものではないでしょう。後ろに見えるチェーンが、かつては扉体をも吊り下げていて、カウンターウェイトと釣り合いを取りながら、巻上機のスプロケットで上下されていたに違いありません。

●下流側から後扉室を見たところ。チェーンのつながっているコンクリートの梁のようなものが、かつてのカウンターウェイトですが、現役時のものかどうかは、ちょっと怪しいところ。ただ、堰柱内側には戸溝が見えたので、この位置でウェイトが上下していたことは、まず間違いありません。
水面からの位置が高過ぎるようですが、天竜川も河床を複数回掘り下げたそうですので、現役時より水面はずっと低くなっていても不思議はありません。別途紹介しますが、昔の絵葉書を見ると、舟通しと水門の間にはかなりの幅の背割堤があり、ゲート設備は半ば独立していました。

ちなみにこの階段、保存後の後付けなどではなく、竣工当時からあったようです。床のタイルや手すりは、もちろん後年に更新されたものでしょう。

●天端に上がりきったところで、巻上機器の全体を一枚。チェーン+カウンターウェイト式のせいか、思ったよりシンプル、かつ新しいですね。これも現役時代の末期に、更新したものと思われました。
(26年11月30日撮影)
(『釜口水門を訪ねて…9』につづく)

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