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釜口水門を訪ねて…7

(『釜口水門を訪ねて…6』のつづき)

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前後しますが、下流側の北岸から、釜口水門の越流を眺めていたときのこと。対岸の護岸上に、何やら水門らしきものが目に入りました。遠目に見ても、明らかに機能していないのがわかり、しかも全体の造作がどことなく古めかしい‥‥。

これ、撤去された旧釜口水門の一部を、残して保存してあるものかしら? ゲート二つで一組ということは、閘門いやさ、舟通しが保存されているに違いない! 後のお楽しみが増えたと、心の中でガッツポーズをしたのはいうまでもありません。

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「水の資料室」を出て、管理棟の西にある旧舟通しへ。近づいてみると、おおお、階段がついていてゲート上に登れるようになっているだけでなく、右手には旧管理橋の一部も保存されているという、一粒で二度オイシイ粋なはからい!

名古屋・堀川の松重閘門、京都は伏見の三栖閘門、ご近所荒川の旧小松川閘門と、静態保存の閘門を過去にいくつか見てきましたが、両方のゲートに登れるのは、この旧釜口水門舟通しが初めてです。

162078.jpg写真が褪色しきったのか、それとも脱落したのか、いずれにせよ見られないのが惜しいものの、なかなか詳しい説明板。

ゲート寸法と型式(ストーニーゲート)は、見たところ水門のみのようで、舟通しゲートも同一形式・寸法なのかはわかりません。竣工当初、中下流部のダムがまだないころは、この旧舟通しを通った舟が、下流まで通しで通船できたのかなあ‥‥。

当時とすれば超モダンな水門」のくだりに、グッとくるものが。昭和初期の水門施設としては、国内有数の規模だったからでしょう、当時の絵葉書も結構な種類が発行されており、その注目度がうかがい知れました。絵葉書については、また機会を改めて紹介したいと思っています。

162079.jpg旧管理橋の保存部分を拝見。花崗岩の親柱、高欄には鋳物製の装飾と、旧水門への期待がうかがい知れる、立派な造作。

右の親柱にある「釜口水門」の銘板は最近のもののようですが、竣工当時のそれは、保存時には脱落してしまっていたのでしょうか。



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さて、旧管理橋の上から、旧舟通し・前扉室の扉体を眺めてみましょう。上端に二本突出した金物は、ちょっと後付け臭いですね。気になったのは、左右に一つづつ、小さなローラーが見えたこと。

舟通しの扉体もストーニーゲートだったとすれば、ハシゴ状ローラーは、この反対側に挟まれていたのでしょう(ストーニーゲートについては、『新井郷川閘門…3』ほか参照)。片面のみ、固定式ローラーで支えるタイプだったのでしょうか。戸溝周りは、保存時の加工で原形が失われており、のぞいてみてもよくわかりませんでした。
撮影地点のMapion地図

(26年11月30日撮影)

(『釜口水門を訪ねて…8』につづく)

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タグ : 旧釜口水門舟通し釜口水門閘門天竜川

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