外輪を見ていた午後…5

(『外輪を見ていた午後…4』のつづき)

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いや~‥‥
水しぶきがもろにかかるほどの間近で、旋転する外輪を眺められるこの充実感!

入口には確か、「水しぶきがかかりますのでご注意ください」といった注意書きがあったと思うのですが、濡れネズミ上等! ニヤつきながら柵に張り付いて、服全体がしっとりしてしまうほどでした。

ダミイのロッド周りが取り外されたのを知ったときは、ちょっと残念に思っていたのですが、このサービスでそんな気持ちも一気に吹き飛びました。琵琶湖汽船は、「ミシガン」の魅力の一つが外輪そのものであることを、当たり前ですがわかりすぎるほどわかっていたのです!

159100.jpg足元に目を落とせば、外輪の軸受と駆動部分が、手に触れんばかりの距離に。

がっしりとしたメタル、軸受に向かう給油系らしいフレキシブルパイプは、単なるお飾りなどではない、実際に動力が伝わっている、何よりの証し!

半円形の白いケーシングは、最終段のギヤかスプロケットを収めていると思われますが、伝達方法はどのようなものなのでしょう。

船のご紹介・ミシガン」によれば、主機は350ps×2機で、「2軸で1つのパドルを駆動さす希少な構造」とありますから、両舷機の推進軸がそれぞれ、パドルの両側に動力を伝えているということでしょうか。間に流体継手でもかましているのかもしれません。

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あまり人が来ないのをいいことに、特等席(船頭的に)で呆けていたら、突然外輪がピタリ、と停止。どうやら次の寄港地に着いたようですね。

心地よい喧騒に包まれていたのが、いきなりシーンと静まり返ったので、逆に妙な感じです。こちらも少し冷静になって、外輪のディテールを観察してみる気に。

まず、パドルは分厚な、継ぎ目のない一枚板のようです。面白く思ったのはスポークへの取り付け方で、スポーク1本につきカマボコのような半割り棒材を当て木にして、それを鋼線4本で巻くようにし、ナット留めしているというもの。

パドルを直接ボルトで締めるより、むらのある衝撃にも強そうですし、後進時に逆位で水をかくときの力のかかり方も、考えられているように見えました。

159102.jpg五組あるスポークとリムは、互いにアングルや帯材でつながれ、軸方向のストレスをパドルにかけない構造。

しかし、船尾式外輪って、パドルボックスに収めなければならない舷側式の外輪と違って、パドルの交換など、ちょっとした修理も比較的対応しやすそうですよね。

パドルと甲板室の間の水面をのぞきこんだのは、わけがあります。外輪が止まったことで水面が静穏になり、ここで初めて舵がうっすら見えるようになったから。写真では、かろうじて手前の一枚が見える程度ですが‥‥。

「ミシガン」の舵は3枚。喫水が浅く、速度も遅い内水大型船では、舵を多くして面積を稼ぎ、かつ舵効きを確保するやり方がよく見られたようで、いわば「川船らしさ」が感じられるパーツというわけ。暗車船ですが、戦前、大陸の長江などで活躍した、列強海軍の河用砲艦にも、3枚舵のものがありましたよね。

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離れゆく桟橋を「パドルウォッチ」から見送って。ええと、どこだったかな‥‥。いやもう本当に、外輪様にほぼすべてのエネルギーを吸い取られたので、他のことにほとんど関心が及びませなんだ。詳しくは琵琶湖汽船のご案内をどうぞ(ごめんなさい)。

離岸するとき、「さあ、外輪が逆に回るのを見られるぞ!」と、期待でハト胸になっていたら‥‥。後進微速がかかっても外輪はそのまま、ビクともしないのに驚かされました。外輪が回り始めたのは、すっかり桟橋を離れて、回頭が終わったときからです。

なるほど、入出港の微速時は、電動スラスターで歩かせ、外輪を使うのは前進、巡航時のみというわけか‥‥。もっとも、外輪で後進をかけていたら、しっとりするどころでなく、ズブ濡れになっていたでしょうから、これは幸いだったかもしれません。

(26年9月21日撮影)

(『外輪を見ていた午後…6』に続く)

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タグ : 琵琶湖 琵琶湖汽船 ミシガン

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