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琵琶湖疏水記念館にて…2

(『琵琶湖疏水記念館にて…1』のつづき)

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テラスの北端に接して、石材とレンガで組み上げられた、美しいトンネルポータルが口を開けていました。改修時に洗浄でもされたのか、100年以上前の建造とは思えないほどきれいですね。

扁額に「楽百年之夢」とあるのに気がついて、以前本かどこかで見たなあとピンときました。疏水建設を進めた当時の京都府知事、北垣国道の書でしたよね? このポータルから出てくる水は確か、疏水分線からの余水だったと思います。

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ポータルの真ん前のテラスは、ご覧のとおり半島状になっています。ポータルからの余水と、インクライン横を流れ下る水路を分ける、導流堤の形そのままに、上にテラスをあつらえたようですね。

その先端の向こうには、先ほどから気になっていた、インクラインの「ドラム工場」(動力室/運転室)があった場所と思われる、動物園の東屋が。ちなみに、疏水記念館のパネル展示によると、蹴上インクラインの「ドラム工場」は、当初上流側の蹴上船溜に造られたのですが、後にここ、南禅寺船溜に移設されたとのことです。

159023.jpgこの半島状の先っぽからは、右のようにポータルと石造の橋が正面から眺められるのですが、気になるのはもっぱら、東屋の方ばかり。よくよく眺めると、東屋の下には蔦に覆われながらも、新しい建物が建っているのがわかり、ちょっとがっかり。

でも、護岸の鋼矢板には、何か切れ目らしきものがあるのを目ざとく見つけ、「あそこがワイヤーの繰り出し口跡か?」などと、妄想を繰り広げていたのですから、安上がりなものです。そんなわけで辛抱たまらず、先に触れた理由もあって、動物園に入ってみることにしました。

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東屋のベンチから。東屋というにはかなり大きく、まあ、吹き抜けの団体向け休憩所といったところでしょうか。

いろいろとくさしてしまいましたが、山並みをバックに伸びゆくインクラインを、真正面から望めるビュースポットがあるというだけで、ちょっとした感動でした。晴れてよかった‥‥。

159025.jpgせっかく動物園に入ったのですから、疏水‥‥鴨東運河の川面も間近から眺めてみたいと、柵や植え込みの切れ目を探してウロウロ。なんとも不真面目な入園者で、申しわけありませなんだ。

ようやく川面が拝めそうなところを見つけて、顔を出してみると、おや、何やら神田川の分水路のそれを思わせる、暗渠の吐口が。地図で確かめると、白川なる河川の合流部なのだそう。径間の半分以上を砂洲が占めてしまっていますが、まばゆいばかりの白い砂に、関東とは違ったマサ地帯であることが感じられ、面白く思ったものでした。
撮影地点のMapion地図

(26年9月21日撮影)

(『京都市動物園にて…1』に続く)

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タグ : 琵琶湖疏水記念館琵琶湖疏水白川京都市動物園

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