息栖神社と船溜再訪

この日は終日、降ったりやんだりの空模様で、9時過ぎに到着したときも、篠つく雨に濡れながらの参拝となりましたが、神社の清々しさと雄大な川景色に癒されて、よい気分転換になりました。
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●傘をさして二の鳥居をくぐると、雨に濡れた梅の花からよい香りがたちこめて、文字どおりしっとりとしたよい雰囲気。神門の前には、真新しい境内の案内板が。ちゃんと「舟だまり」まで境内の一部として描かれているのが、嬉しくなりますね。

●雨に光る青銅葺きの拝殿を仰ぎながら、二拝二拍手一礼。早い時間にもかかわらず、グループで参拝される方も何組かおられて、さすが東国三社の一つと感心しきり。
まる6年もご無沙汰している間、大きな改修がなされたのか、拝殿は見違えるように鮮やかな丹塗りとなり、新しい灯篭も奉納されるなど、そこここに変化が見られました。

●今回新たに気づかされたのが、神門裏に置かれた和式の碇と、それについての説明板「おきすの津(港)と碇」。
碇の方は残念ながら、錆び崩れてそろそろ原形を保つのも難しい状態ですが、上総一ノ宮や大洗磯前神社と同様、川や海とのかかわりを感じさせる奉納物があるのは、やはりよいものです。

●さて、気になるのはやはり、息栖船溜と樋門。ちょうど雨も小降りになってきたので、表参道を早足で一の鳥居へ。残念ながら、前回のような鴨さん夫婦はいませんでしたが‥‥。

●モーターボートが、無造作にドスンと置いてあるのにまずビックリ。一瞬、増水時に打ち上げられたのかと思ったのですが、周りの状況から考えて、そんなはずはありませんよね。

●こちらは、朽ちつつある昔ながらのサッパ。湿った木の肌を見ていると、雨模様も手伝ってか、少々寂しい気分にさせられます。

ホンモノのGoogleマップで息栖船溜を見る
●実は、少し前にGoogleの航空写真でこのあたりを眺めていて、気になっていたことがありました。先の地震で樋門の周囲が崩壊したのか、シートがかけられており、護岸の一部も陥没したように見えたこと。
このあたりも、地震の被害は少なくなかったことでしょう(参道沿いのお宅にも、それと思しき跡が見られました)から、復旧にはご苦労も多かったと思います。今さらながら、息栖樋門の復興ぶりはと、堤防を越えてみると‥‥。

●護岸ばかりでなく、法面や階段、扉体まで新しくなっていました。特に護岸は、高水敷までがっちりとコンクリートで固められ、より頑丈になったようです。

●堰柱の銘板をのぞいてみたところ、以前からの銘板の下にもう一枚、新たな銘板が増えていました。扉体を取り換えたときに掲げられたのでしょう。

●分厚い曇り空の下ながら、やはり眺めたくなる船溜全景。三社で唯一の、船溜を擁する浜鳥居。以前と変わらない静かで、清々しい姿を保っていてくれたことに、手を合わせて感謝したくなりました。

●忍潮井(女瓶)の横には、「息栖の津・渡船場跡」の史跡説明板が。これも以前訪ねたときには、なかったものです。河道改修がなされ、船溜ができる前の浜鳥居の写真! 水鏡に映る浜鳥居の風情ある姿、参道に固まる家並もいにしえの殷賑を思わせて、何ともいえずいい雰囲気の写真ですね。
説明文から、かつては対岸の河港街・小見川と密接なかかわりがあり、経済圏の一部であったことがうかがえますね。「水郷案内にしのぶ航路とフネブネ」でも、この渡船場が現役であったころの絵葉書を紹介しています、ご参考まで。

●雨もやんで、空もほんの少し明るくなってきたところで、息栖樋門を振り返って一枚。
午後は予定があるので、このままどこにも寄り道せず、とんぼ返りという慌ただしさでしたが、静かでしっとりとした境内と水辺を味わえて、やはり来てよかったと思えたものでした。
【撮影地点のMapion地図】
(26年3月2日撮影)

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