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新しい霞橋

(『11月1日の大岡川…4』のつづき)

137036.jpg大岡川の分流点上流で静けさを堪能した後は、舵を右に転じて中村川・堀川を下り、高架のすき間からマリンタワーを垣間見つつ河口へ。

先日、「9月28日の中村川…2」で触れた、新山下運河の西口に架かる新しい橋、霞橋に寄り道してみようと思ったのです。

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過去ログ「新山下運河…1」~「新山下運河…6」を読み返してみると、新山下運河を初訪したのは20年11月1日。何と、奇しくも5年前の同じ日でありました。あれから5年も経ったのか…としみじみ。

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さて、霞橋です。例によって逆光で、今ひとつの初接近ながら、この橋がただならぬ来歴を持つことは、そのシルエットからもわかります。

詳しくは「115年前に製作された貴重な土木遺産を再生し、新しい橋が誕生します」(PDF・横浜市道路局橋梁課・平成23年2月9日記者発表資料)に掲載されていますが、明治29年竣工のプラットトラスを、全長を縮めたかたちで再利用・移設したものだそう。中村川の浦船水道橋同様、複数回の引っ越しをした橋でもあるのですね。

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さすが水路の街・横浜、橋に対する取り組み方も違うなあ…などと感心しながら、新しい霞橋を初くぐり。

上部の構造部分は、リベット組みで復元されていましたが、こうして桁裏を見上げてみると、ボルトやナットの頭が見え、新旧混合といった感じ。橋台もフラットでなく凹凸がつけてあって、どこか別格な感じがします。

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江東内部河川ののトラス橋群を思わせる、縦横比がとてもイイ塩梅のサイドビュー。下路橋はこのくらいの規模のものが、眺めていてもしっくりくるというか、個人的に快いスケールなのです。
撮影地点のMapion地図

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リベットびっしり、八角形の継手の左に、塗装担当社の記録が。施工はちょうど1年前でしたか。

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こちらはその裏側にあった銘板。ううむ、ボケてしまった。竣工は塗装の施工より早い、昨年3月付とのこと。

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霞橋をくぐって左手、横浜市港湾局・港湾整備事務所の敷地には、魅力的なクレーンと、修繕用スロープなど、いかにも港湾の運河らしい雰囲気を横溢させた一角があったのですが…。

クレーンはもとより、建物や桟橋も撤去され、雑草が生い茂るばかりの空き地になっていました。往時のまま残っていたのは、スロープ左手角の岸壁に見える、キノコのようなコンクリート製のビットのみ。う~ん、寂しいなあ…。

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寂しくなりついでに、5年前と今を見くらべてみたくなりました。20年11月1日の風景を、2枚掲げておきます。過去ログ「新山下運河…5」ほかと併せて、一人しみじみしたい気分。

ニョッキリと生えた風情のコンクリート製ビット。現役当時から、どこか遺跡じみた風貌ではありました。

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この一角のシンボル的存在であったクレーン。キャブのない、開放型なのがまた魅力的だったものでした。

こじんまりと箱庭のようにまとまりながら、武骨な港湾らしさを感じさせてくれた港湾整備事務所。横浜や東京の水路で、これに近い雰囲気の場所は、あといくつ生き残っているでしょうか?


(25年11月1日撮影)

(『夕暮れの運河風景…1』につづく)

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タグ : 新山下運河

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