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南本牧運河ふたたび

(『京浜沖波高し…2』のつづき)

135021.jpg入口に近づくと、右手から警戒船が接近してきて、「工事中ですので近づかないでください!」と、スピーカーで注意をうながしてきました。狭まっているように見えたのは、航路に張り出した足場のせいで、埋め立てではなさそうです。

減速しつつ、右手のそれを観察してみると、バージが接舷した鉄骨組みの桟橋構造の上に、メッシュで覆った足場が立ち上がり、クレーンの姿も見えます。足場側面には、「横浜港臨港道路(Ⅵ工区)P1橋脚」と大書きされた横断幕が。南本牧運河に、もう一つ橋が架かるんだ!

帰宅後に検索してみると、「横浜港 南本牧~本牧ふ頭地区 臨港道路整備」(国交省・京浜港湾事務所)がヒット。記事によれば、この道は大黒埠頭・国道357号線に至る約6.2kmの道路で、平成28年の竣工を目指しているとのこと。今年度は「橋梁基礎工、下部工、上部工 等の工事」を行うとありました。

毎月の進捗状況は「工事レポート」のPDFで見られます。図版もわかりやすく、ニューマチックケーソンの海上輸送や、工法についての説明は特に秀逸で、興味深く拝見しました。
工事に着手したということは、橋のデザインはもう決まっていると思うのですが、記事に完成予想図が載っていないのが残念ですね。PDF冒頭の挿絵にあるような、二段式の高架のような橋になるのかな?

135022.jpg
接続水路のない「孤立した運河」に訪れた、変化のきざしを見ることができて、波濤(?)を越えて来た甲斐があったと大いに満足。

2年前と同じく、逆光でワイヤーをぎらつかせる南本牧大橋を仰いで。この橋の孤高も、あと数年というわけですね。

135023.jpg橋をくぐり、区間のなかばまで入ったあたりで、少し休憩することにしました。たかだか1時間とはいえ、硬い衝撃にさらされ続けて、一息入れたい気分になったのです。

運河とはいえ、ほぼ北東・南西方向に開口しているので、それなりの波は入ってきますが、港外にくらべればずいぶん穏やかです。杭を間近に眺めてたゆたいながら、しばし一服。

135024.jpg漂泊していると、後ろから一隻の船が入ってきました。緑色の船体、前面2枚窓の通船です。

盛大に船首波をたてて走ってくるのを見て、橋をバックにいいシーンが撮れそうと、カメラを構えました。幸い光線もよろしく、橋、船ともにいいお顔の一枚がものせて、思わずニヤリ。この直後に撮ったものを、今月からのご案内画像にしてみました。


135025.jpg
運河を出れば、目の前に広がるのは根岸湾。南横浜火力発電所の大煙突を中心に、左右に伸びゆく工業地帯が望める、ちょっとしたパノラマです。本牧の丘陵と埋立地が東風をうまく防いでくれ、波もだいぶ穏やかになってきました。

目指すアレは、すでに視界の中に入っています! 自然とスロットルレバーを押す手にも力が入り、回転数をぐんと上げて、ふたたび硬い衝撃の中へ突っ込んでゆくのでした。
撮影地点のMapion地図

(25年9月28日撮影)

(『いとしの護衛艦「いずも」…1』につづく)

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タグ : 南本牧運河通船横浜港

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