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横須賀軍港めぐり…2

(『横須賀軍港めぐり…1』のつづき)

132016.jpg軍港めぐりも後半戦、船はぐっと左に舵を切って行き足を落とし、緑したたる山並を眺めながら、長浦港に進入します。

かつては北洋捕鯨船団の母港としても知られた長浦港、今日はどんなフネブネがもやっているのか、楽しみにカメラを構えました。

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船越地区にさしかかると、さっそく2隻の自衛艦が桟橋にもやっているのを発見。

内側の一隻は残念ながらよく見えませんでしたが、外側は海洋観測艦「にちなん」。艦首の大きなバウ・シーブ(海底に敷設するケーブルを繰りだすための装備)が目立ち、独特の風貌ですね。

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ここ船越は、その筋にはいわずと知れた実働部隊のヘッドクォーター、自衛艦隊司令部があるところ。ちょっと昔のお役所らしい建物に、かたわらにはマイクロ波通信の鉄塔もそびえて、それらしい引き締まった雰囲気です。

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その奥には、「えのしま」「ちちじま」の2隻の掃海艇が。確か、自衛隊創設以来木造だった掃海艇が、この型からFRP船体になったと聞いています。

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目の前に、ブイで4点繋留された潜水艦が見えてきました。1世代前の涙滴型で、少々色あせて汚れも目立ち、どうやら廃艦のようです。

20数年前でしたか、長浦港から出港した今は亡き掃海母艦「はやせ」に乗って、観艦式を見せていただいたことがあったのですが、そのときもここに廃潜水艦が繋がれていて、汚れた船体が哀れを誘ったものでした。

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セイル部分をアップで。まだ繋留されて間もないのか、痛みはそれほどでもなかったものの、海鳥の糞が白くこびりついて、もう稼働していないことを物語っています。

最近の海自潜水艦のセイルは、どっしりとした末広がりのタイプや、整流覆をつけた流線形のものに移行していますが、直線的なこのタイプに長く親しんだせいか、自分的にはしっくりくる感じです。

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艦尾ほぼ正面から。「シーフレンドⅤ」は、潜水艦を時計回りに一周してくれたので、さまざまな角度からディテールを堪能することができました。

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ちなみに艦名ですが、「海自横須賀基地、潜水艦『わかしお』が引退/神奈川」(カナロコ)に、今年3月5日に退役した旨の記事がありましたので、「わかしお」で間違いないかと思われます。

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「わかしお」を一周すると、先ほどガントリークレーンの前で、視界を横切った巡視艇が入港してきました。艇名は「ゆうづき」、船体には少々大きすぎる電光掲示板を後付けして、標語を掲げながらの入港作業。ご苦労さまです。

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さてさて、お楽しみの一つである、新井堀割水路が近づいてきました! 横須賀本港~長浦港を疎通するため、明治時代に開鑿された運河なのだそう。この角度から見ると、両岸から山の緑が迫り、手前の桟橋に立つ街灯も古そうで、なかなかの雰囲気です。

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おお、薄ぼんやりと「ひゅうが」の艦尾が見える! しかし、広い水面から狭い水路へ入ってゆくひととき、何度経験してもココロ踊るものですね。「シーフレンドⅤ」もスロットルをしぼってゆっくりと、狭水道通過の体勢に入ったようです。

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あっ、プレジャーボートが一隻、水路に入ってきた! あんな風に、いつか自艇でも来られるといいなあ…。右舷に座ってしまったので、残念ながら反航シーンは撮れず。

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入口の護岸上に見られたこれ、ドラムに巻き取られたフェンスのようですね。背後のタンクなどから、給油施設があるようでしたので、万が一に備えて水路を塞ぐように展張する、オイルフェンスだと思われます。

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さらに水路を進んでゆくと、右側(右しか見えないのですが)に長々と伸びる、プラットホームの上屋のような施設が。

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真横を通過しつつ眺めると、蒸気機関車の給水スポートみたいな、蛇管がズラリと並んでいました。給油施設でしょうか。ところどころに貼ってある横文字の注意書きには、もちろん「KEEP OUT」。

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出口近くの護岸にも、何やら水中から這い出てきた配管がびっしり。ガードフレームやフェンダーのたぐいは見えなかったのですが、通航艇がぶつけでもしたら大ごとですね。

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というわけで、あっという間の新井堀割水路探索(右側だけ)でありました。全長わずか800mながら、横須賀水路初体験ということで、嬉しさに汗だくの頬をゆるませる船頭。

こちら側から眺めると、水路の向こうに緑の丘陵が望めて、先ほどの艦影びっちりとは違った雰囲気ですね。

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さて、ここからは、右舷に陣取った効果が遺憾なく発揮される(?)ところ。艦艇を間近で眺め放題のお時間がやってまいりました。

軽くジャブのように、可愛らしい小艦艇から。手前は水中処分母船「YDT03」、奥は特務艇「はしだて」。「はしだて」は、通常は広報業務や来賓をお迎えしてのレセプション艇、災害派遣時は医療支援艇としても活躍するそうです。任務柄でしょう、ツートン塗装なのが自衛艦としては珍しいですね。

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続いて汎用護衛艦みっちり。ハルナンバー152は「やまぎり」、同じく129は「やまゆき」と、正面からメザシになった艦隊のワークホースを眺められようとは、船頭儀、随喜の涙でありますわ。

一番左の艦、「やまゆき」と同じく「はつゆき」型ですが、ハルナンバーは塗りつぶされ、兵装も一部取り外されて、喫水もすっかり上がってしまっています。先の潜水艦同様、退役した廃艦のようですね。調べてみると、本年4月に除籍された「さわゆき」のようです。今は亡き石川島播磨・東京第一工場生まれの、いわば江戸っ子護衛艦…。お疲れさまでした。


(25年8月11日撮影)

(『横須賀軍港めぐり…3』につづく)

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タグ : 横須賀軍港めぐり新井堀割水路横須賀港長浦港巡視艇護衛艦

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