生きている大運河・佐陀川…3

(『生きている大運河・佐陀川…2』のつづき)

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木橋の魅力に吸い寄せられて、流頭部での滞在が長引いてしまいました。泡を食って国道と一畑線を横切り、川沿いに下流へ向かおうとすると…。またも前進を阻む魅力的な物件が!

舟屋です! 
露天繋留・保管が一般的な、関東ではまずお目にかかれません。目にするまで、この地が日本海側だ、という意識がすっぽり抜けていたので、驚きと感動もひとしおでした。

舟はシジミ漁に用いているのでしょうか、さっぱりと片づけられ、舟屋の梁の上は用具庫となっているようですね。トタンぶきの屋根は赤錆びていながら、手入れされているのか破れたところなどはなく、大切に使われていることが感じられました。

115064.jpg低い堤防上から上流側を望むと、ご覧のとおり船溜が続き、舟屋もまだいくつか見られますね。

少なくともここでは、単なる排水路としてではなく、可航水路として大いに利用されていることがわかり、意を強くしたものでした。




115065.jpg次に向かったのは、舟屋の数百m下流側、流路の左右にそれぞれ一つづつ、潟湖らしい水面があるところ。地図上に排水機場の表示があるところから、水門があるに違いないと踏んだのです。

近づくと現れたのは、だいぶくたびれた風情の、4径間の小型樋門。懐かしくなるような水銀灯の夜設と、電動化こそされているものの、機側操作の巻上機器と、装備は簡素なものでした。

115066.jpg銘板を読んでみると、「古江地区西排水機場 排水ひ門」とあり、径間2m、昭和44年4月の竣工。

あれれ、「鋼製スライドゲート6門」となっているな…。なぜだろう? ほかの樋門と一組と数えられているのか、樋管に内蔵されているゲートでもあるのかしら? 右端にチラリと写っている、対岸の樋門はすでに改築されたのか、こちらより新しそうですね。

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樋門前の水際から下流側、北を眺めたところ。先ほどとはその様相をたがえて、家並は遠く去って視界がひらけ、枯れススキそよぐ岸辺に、対岸には山並が迫るのどかな川景色です。

この平野一帯はかつて「佐太水海」(さだのみづうみ)という巨大な潟湖があり、自然河川としての旧佐陀(佐太)川は、この北で潟湖に注いでいたとのこと。
佐陀川開鑿時も難工事の区間で、膝を没する泥濘地に築堤して河道を掘り下げ、その開鑿土を持って潟湖を埋め立て、田地としたそうです。

地図でもわかるように、東西には今なお「潟ノ内」と称する水面が残り、この前後の区間はぐっと川幅も広がって、いにしえの広大な入り海が髣髴されるようですね。
撮影地点のMapion地図

(25年3月16日撮影)

(『生きている大運河・佐陀川…4』につづく)

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タグ : 佐陀川 古江地区西排水機場排水樋門 舟屋

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