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謎の切合水門…4

(『謎の切合水門…3』のつづき)

112016.jpg南側水門の巻上機構をアップで。中央に大直径のハンドルがあり、ギヤボックスと伝動軸を介して、二つのスピンドルを上下させる雌ネジを回転させる仕組みです。

米島の廃水門」のような昔のスライドゲートのそれと違い、充分な減速比がとってあるでしょうから、運転にさほどの力はいらないと思われますが、いざ一人で舟を通航させるとなると、大変でしょうねえ…。



112017.jpg南側、少し離れたところから北側を見たところ。右手のお宅は敷地がエンマ(水路)に接しており、庭木が張り出しているので、遠目には水門が庭の一部にあるようです。

エンマに沿って左、西側は農道があるため、加藤洲閘門や仲江間閘門のように、家屋にすき間なく包囲された「ぎっしり閘門」にはなっていないのが惜しいところですが、それがかえって観察しやすい環境を提供してくれており、気安く見て回れたのは何よりでした。

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そして水門の南側、一直線に伸びるエンマを望んでちょっとがっかり。こんなに低い橋が架けられていては、仮に通航があったとしても、小舟ですらくぐることはかないますまいよ…。

もしわずかでも舟航があれば、仲江間の橋のように桁下高を取った、中高の橋にするでしょう。このエンマはもう、可航水路としての役目を終えていたのです。私設と思われる橋の新しさからして、切合水門が竣工したころは、まだ架かっておらず、通る舟も少ないながらあったに違いない…と、しばし妄想。

112019.jpg堤防上に戻って、いま一度高水敷に下り、もろ逆光の西側から正面を一枚撮って、切合水門にお別れ。離れてから振り返る(下写真)と、広漠たる冬枯れの常陸利根川畔に、ぽつねんと立つゲートが妙に小さく見えました。

というわけで、見たかぎり閘門の機能は備えているものの、実際に閘門として活用されたどうかは、謎のままになってしまいました。

しかし、十六島の外縁に集落に囲まれてたたずむ小水門・閘門って、似たようなレイアウトでありながら、それぞれ違ったいい雰囲気があるものですね。次の機会には、まだ訪ねていない他の水門(こことか)も攻めてみようと、新たな欲望に火がついた今回の探訪ではありました。

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(25年1月2日撮影)

(『1月2日の小野川…1』につづく)

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タグ : 切合水門常陸利根川水郷

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