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謎の切合水門…3

(『謎の切合水門…2』のつづき)

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ホンモノのGoogleマップで切合水門を見る

もうだいぶ前になりますが、Googleマップで十六島外縁を流しながら眺めていたら、切合水門(当時はむろん、名前は知りませんでしたが)の南側にもう一つ、水門があるのに気づかされたのが、今回のお話の発端。しかもこの水門、北側のそれより明らかに高さが低く、少なくとも西側の岸は、コンクリートで固められている…。

純粋に閘門として造られたかどうかはともかく、閘門機能を疑うには、上記の二つで理由としては充分過ぎるほど。ただ、他の小閘門たちの、航空写真上での「見え方」とはずいぶん違って、水門や周囲の様子は至ってシンプルでしたので、過度の期待はすまいと肝に銘じていたものの、気になりだすとやはり、この目で確かめてみたくなったのです。

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堤防に設けられた階段から、もう一つの水門(以下、『南側水門』と呼びます)を眺めて。この位置だともろに逆光になるのですが、左のお宅から木の枝がかぶさっていて、堤防上からはここしか全体像を眺められないのです。

112012.jpg閘室(と決まったわけではありませんが)に当たる部分の護岸は、鋼矢板の天端のみコンクリートをかぶせたもの。水門と堤防の間は、両岸とも金網のフェンスで囲まれていて、ますます閘室らしい雰囲気が濃厚です。

右の写真は、南側から見たところ。北側・南側水門と堤防、階段との位置関係がわかります。

あっ、手前の護岸と「閘室」の護岸は、わずか30cmほどながら段差がある! これを見るとやはり、閘門として使われることを前提に設計されたと考えても、あながち間違えではないように思えてきました。

112013.jpg南側の階段は、ご覧のように堰柱に取り付けた踊り場を持つ、形鋼を組んだガッシリとしたもの。北側の螺旋階段の軽快さとは、対照的な雰囲気です。

こちらの水門には、銘板のたぐいは特に見当たりませんでした。ちょっと気になったのは、「閘室」の護岸にアイやクリートなどの、繋留設備が見られなかったこと。このあたり、「閘門認定」するには、少々弱い点ではありますね。


112014.jpg扉体のアップ。全閉されているのは、北側の扉体同様。戸当たりには、ボルト留めされたゴムのシール材が見られます。「閘室」とこちら側の水位差は、見たかぎりほとんど無いようでした。

ここまででわかったことは、注排水設備もなく、動力化もされていない簡素なものとはいえ、「閘室」もしっかりと水位差に耐えられる造りがしてあり、閘門としての機能は、充分に果たせそうだということ。

水門の構造や周りの造作からも、正式に閘門として造られたのでないことは明らかですから、閘門と呼ぶのははばかられるにせよ、それに限りなく近い機能を狙った、二重構造の水門であるといっていいように思えたのですが、いかがでしょうか。
そういえば、同じ十六島にある南の出入口、仲江間閘門の正式名称は「仲江間二重水門」(過去ログ『仲江間の小さな閘門…3』参照)でしたっけね。

(25年1月2日撮影)

(『謎の切合水門…4』につづく)

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タグ : 切合水門水郷

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