栃木市RC橋めぐり…6

(『栃木市RC橋めぐり…5』のつづき)

108051.jpg右手両岸に更地と駐車場があるため、周囲は割と開けていて、遠くからでも目に入りやすい位置にあるのがわかります。道路は最近舗装を改めたのかきれいで、橋詰もさっぱりと片付いており、橋の古さと対照的ではありますね。

一区画向こうには、栃木市役所別館の瀟洒な建物が顔をのぞかせており、古くからの中心地といってよい地域だけに、橋の凝り具合も納得できようというものです。

108052.jpg橋の名前は、忍橋…。「イヤ、ぜんぜん『忍んで』なんかいないよ!」と、思わず突っ込んでしまいそうなオーラ(?)の強さ。名前の由来が知りたいものです。

ちなみに竣工は、昭和8年7月。下を流れる水路は、先ほど見た反橋のあるところ(途中、暗渠区間はありますが)へ続いているのですね。



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可愛らしい時計台を戴いた木造2階建ての洋館、栃木市役所別館の格好よさに惹かれて一枚。「旧栃木町役場(栃木市役所別館)」(有限会社建築相談センター)によると、旧栃木町役場庁舎として大正10年竣工、国登録有形文化財にも指定されているのだとか。

大正の、しかも結構な規模の木造建築が、こんなに美しく整備されているだけでも感動モノ。塗装が明るめなだけに、重苦しく曇ってしまった空をバックに撮らなければならなかったのが、本当に残念でした。

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さて、旧県庁のあった場所をぐるりとめぐる、県庁堀に架かる橋はどれほど凝っているんだろうと、市役所別館の向かいにある橋を検分すると…。期待にたがわず、高欄、親柱とも、これまで見た橋とは格の違いを感じさせる造形です。

ここでついに小雨がポツリ、ポツリと降り始めました。雨脚によっては、急いで撤収しなければなりません。焦って周りを小走りに移動しながら撮ったためか、ただでさえ腕のよくない写真が、ますますアレな仕上がりになってしまいました。

108055.jpg鳥居状の意匠を浮き出させた、どっしりとした感じの親柱の銘を見ると、「御幸橋」と縁起のよい橋名。反対側の親柱には「元縣廰堀」と、水路名まで入れられていました。明治17年に県庁は宇都宮に移転しましたから、「元」がつくのが正しいのでしょうね。ちなみにこの県庁堀、遺構として県指定文化財にもなっているそうです。

市役所…旧町役場に近いほど、橋の造りが凝ってくるのを見て、即座に思い出されたのが、伊東孝氏が著書「東京の橋 水辺の都市景観」の中で一項を設けられていた、「皇居を頂点としたデザイン・ヒエラルキー」という記事です。

皇居から離れるほどに、震災復興橋の装飾に見られる「デザイン密度」が低くなり、また素材や構造の面から見ても、廉価かつ簡素になってゆく傾向にあることから、皇居の内濠に架かる橋をトップにした、ある種の階級がある、というお話でした。今回見た栃木の小橋梁たちにも、明らかにそれと同様のパターンが感じられ、興味深く思ったことでした。
撮影地点のMapion地図

(24年9月16日撮影)

(『栃木市RC橋めぐり…7』につづく)

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タグ : 栃木市 県庁堀

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