古賀オール見学記…9
(『古賀オール見学記…8』のつづき)
●味のある銘板を写真に収めようと、ズームでたぐり寄せて身構えたものの…結果はご覧のとおり、ボケボケで大失敗。3枚も撮ったのにい(泣)。
しかし、書体といい色遣いといい、ホーロー看板並みの渋さもさることながら、メーカー名がまた強烈ですね。「鋼板剪断機械」!
この業種専門の機械メーカーなのかな? 検索してみると…ありました! 鋼板剪断機械株式会社サイト。納入実績を拝見して、大いに納得。加工のための機械のみならず、クレーンなど工場設備全般まで手掛けた、まさに鉄鋼業界を陰で支えてきたメーカーなのですね。

●こちらは、第三工場のラインにあった指数盤。古びてはいますが、ホコリ一つ見られないのはさすが。軸にボスで締めつけられた指針、ボルトの頭が露出した無骨な文字盤に、「鉄の時代」の息吹が感じられ、吸い寄せられるものが。
かつては鉄板プレスなど金属が多かった、ちょっとした取っ手類や容器、家電製品のボディといった身の回りの品々に、合成樹脂製品が幅をきかせ始めたのは、いつごろからだったでしょうか。思えば、日常生活で鉄製品に触れる機会が、知らず知らずにずいぶん減ってしまったのだなあ…と、なぜかこの指数盤を見て、しみじみしてしまいました。
●見学後、お土産としていただいたのが、古賀オール企業紹介パンフレットと、社内報「WAKAKUSA」53号の冊子2冊、そして業界紙「鉄鋼新聞」23年9月27日号。
「WAKAKUSA」は、昭和36年創刊という歴史ある社内報で、A4判全4色刷32ページという豪華版。「鉄鋼新聞」に至っては、週刊とばかり思っていたらタイトル横に「日刊」とあって、驚かされました。業界誌を毎日発行できる鉄鋼業界、斯界の巨大さというか、底力を見た思いです。
●古賀オールは、昭和22年に日本橋で鋼材問屋として創業、昨年が設立60周年だったそうで、「WAKAKUSA」はその記念特集号、「鉄鋼新聞」も、現社長古畑勝茂氏のインタビューや、先代で創業者である古畑勝人氏の評伝とこれまた大特集。社史や評伝に弱い私としては、こんなに嬉しいいただきものはありません。
「WAKAKUSA」には年譜や回想記はもちろん、創業時からの古い写真も多く掲載されており、資料としても実に素晴らしいもの。特に目を奪われたのが、表紙に掲げられた開設間もないころの東京工場の写真。建屋・クレーンとも「第二」のみ、バージが3隻メザシになってヤードにもやい、運河の水面を筏に組まれた原木が覆う、まさに産業の道として、躍動していたころの水路風景!
ともあれこの3冊、今回このシリーズを書かせていただく上でも、大いに参考にさせていただきました。
●そしてさらに驚かされたのが、「WAKAKUSA」に、昨年タモリ倶楽部にて、古賀オールを紹介させていただいた件も、きちんと掲載されていたこと。今さらながら、タモリ倶楽部の影響力の大きさを、改めて実感させられるとともに、ご縁があったのだなあと、ありがたさをしみじみと噛みしめました。
ヤードにもやう曳船やバージの好ましい姿と、運河畔にそびえるクレーンや建屋の頼もしさに、舟運風景に惹かれる者として、通るたびにただ嬉しく眺めまわしているだけの関係から、よもやこうして、つぶさに、間近に見学させていただける機会が来ようとは…。数年前には、夢にも思わなかったことでした。

●趣味ですから、水上から外観を愛で、その機能や働きぶりを想うだけで、十分に楽しめるのはいうまでもありません。しかし、こうしてご縁に恵まれて拝見させていただいた後、改めて運河から古賀オールを眺めてみると、やはり、まったく印象が異なることに気づかされました。
いや、クレーンやバージの表情は、いつもと変わらないのですが、こうして見上げた瞬間、中の様子がありありと思い起こされて、以前とは違った感じなのです。
これからは通るたび、眺めるたびに、「ご安全に!」と敬礼する皆さんの顔、また美しく整備され、唸りを上げて活躍しているクレーンなど、機械設備の数々を脳裏に思い浮かべることになるのでしょう。
工場長はじめ社員の皆様、お世話になり、本当にありがとうございました!
(24年8月2日・9月9日撮影)
(この項おわり)

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しかし、書体といい色遣いといい、ホーロー看板並みの渋さもさることながら、メーカー名がまた強烈ですね。「鋼板剪断機械」!
この業種専門の機械メーカーなのかな? 検索してみると…ありました! 鋼板剪断機械株式会社サイト。納入実績を拝見して、大いに納得。加工のための機械のみならず、クレーンなど工場設備全般まで手掛けた、まさに鉄鋼業界を陰で支えてきたメーカーなのですね。

●こちらは、第三工場のラインにあった指数盤。古びてはいますが、ホコリ一つ見られないのはさすが。軸にボスで締めつけられた指針、ボルトの頭が露出した無骨な文字盤に、「鉄の時代」の息吹が感じられ、吸い寄せられるものが。
かつては鉄板プレスなど金属が多かった、ちょっとした取っ手類や容器、家電製品のボディといった身の回りの品々に、合成樹脂製品が幅をきかせ始めたのは、いつごろからだったでしょうか。思えば、日常生活で鉄製品に触れる機会が、知らず知らずにずいぶん減ってしまったのだなあ…と、なぜかこの指数盤を見て、しみじみしてしまいました。

「WAKAKUSA」は、昭和36年創刊という歴史ある社内報で、A4判全4色刷32ページという豪華版。「鉄鋼新聞」に至っては、週刊とばかり思っていたらタイトル横に「日刊」とあって、驚かされました。業界誌を毎日発行できる鉄鋼業界、斯界の巨大さというか、底力を見た思いです。
●古賀オールは、昭和22年に日本橋で鋼材問屋として創業、昨年が設立60周年だったそうで、「WAKAKUSA」はその記念特集号、「鉄鋼新聞」も、現社長古畑勝茂氏のインタビューや、先代で創業者である古畑勝人氏の評伝とこれまた大特集。社史や評伝に弱い私としては、こんなに嬉しいいただきものはありません。
「WAKAKUSA」には年譜や回想記はもちろん、創業時からの古い写真も多く掲載されており、資料としても実に素晴らしいもの。特に目を奪われたのが、表紙に掲げられた開設間もないころの東京工場の写真。建屋・クレーンとも「第二」のみ、バージが3隻メザシになってヤードにもやい、運河の水面を筏に組まれた原木が覆う、まさに産業の道として、躍動していたころの水路風景!
ともあれこの3冊、今回このシリーズを書かせていただく上でも、大いに参考にさせていただきました。

ヤードにもやう曳船やバージの好ましい姿と、運河畔にそびえるクレーンや建屋の頼もしさに、舟運風景に惹かれる者として、通るたびにただ嬉しく眺めまわしているだけの関係から、よもやこうして、つぶさに、間近に見学させていただける機会が来ようとは…。数年前には、夢にも思わなかったことでした。

●趣味ですから、水上から外観を愛で、その機能や働きぶりを想うだけで、十分に楽しめるのはいうまでもありません。しかし、こうしてご縁に恵まれて拝見させていただいた後、改めて運河から古賀オールを眺めてみると、やはり、まったく印象が異なることに気づかされました。
いや、クレーンやバージの表情は、いつもと変わらないのですが、こうして見上げた瞬間、中の様子がありありと思い起こされて、以前とは違った感じなのです。
これからは通るたび、眺めるたびに、「ご安全に!」と敬礼する皆さんの顔、また美しく整備され、唸りを上げて活躍しているクレーンなど、機械設備の数々を脳裏に思い浮かべることになるのでしょう。
工場長はじめ社員の皆様、お世話になり、本当にありがとうございました!
(24年8月2日・9月9日撮影)
(この項おわり)

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