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小野川の復旧工事

(『ホワイトアイリス出港』のつづき)

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気になっていた川とは、佐原の市街地を流れる小野川。昨年「震災後の水郷を訪ねて…3」ほかでも触れたように、震災時の被害は大きく、噴出した土砂で河道が埋まってしまった惨状に、言葉もありませんでした。治水上も、また河川航路の途絶を考えても、一日も早い復旧が望まれたでしょうから、現状を少しでも見ておきたかったのです。

国道356号線、利根水郷ラインの北賑橋上から眺めた、小野川の下流側。おお、だいぶすっきりしている! 両岸に盛り上がっていた土砂はすっかり取り去られ、護岸や道路には工事の跡が見られますね。
撮影地点のMapion地図

98057.jpg両岸の水際には、護岸から少し離れた位置に、しっかりと鋼矢板が打ち込まれ、足下を固めています。もやっていた船影がすっかり見られなくなっていたのは、少々寂しくもありましたが、噴出した土砂の上に座り込んでいたあの様子を思うと、致し方のないことではあります。

川の方は工事も進んで、いわば目鼻がついてきたように感じられましたが、沿岸の家屋はまだ被害の跡をそこここにとどめており、道路は波打って鉄板で仮補修されているところもあり、傷跡はなお深いようでした。

98058.jpg北賑橋の上には、小野川の復旧工事を説明する看板が、何枚か掲げられていました。

左から二枚目のものに、「平成24年8月26日まで」とあり、ずいぶん早く出来上がるんだなあ、と思っていたら、その下に「河川災害復旧工事(23災河第85号その5)」とありましたから、今後も「その6」「その7」と、工事が続くのかもしれません。

98059.jpg
こちらは施工のイメージを断面図で描いたものと、CGによる完成予想図。鋼矢板を、護岸と間隔を開けて打ち込んでいたのは、水際に土を盛り、草の生えるスペースを設けるためだとわかりました。

「復旧河床高」とあるのは、護岸の竣工後、噴出した土砂で浅くなった河底を、本来の河床まで掘り下げるということなのでしょうか。ということは、現状ではまだ水深は浅く、遊覧舟の航行には適していないのかもしれませんね。
ともあれ、小野川が元の姿を取り戻し、舟行きが楽しめるようになることを願ってやみません。

98060.jpgおまけを一枚。帰り道、江戸橋ジャンクションで渋滞したのを幸い、解体中の三菱倉庫を撮ってみました。高い目線から眺められることはめったにないので、こりゃラッキー、とニンマリ。左側の屋上、階段室の出入口でしょうか、釣鐘のような形が印象的でした。

その後もっと工事が進んで、覆いもすっかり取り去られ、中が丸見えになったときもあったようですが、この時点での記録ということで…。
撮影地点のMapion地図

(24年6月24日撮影)

(この項おわり)

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タグ : 佐原小野川水郷三菱倉庫

コメント

水郷散策のご報告

昨年一度コメントさせて頂いたHasegawaと申します。

ずっとこの小野川の復旧の件、気になっておりました。はやり完全復旧までの道のりは長いようですね。。実は最近佐原に2度ほど行って参りました。

一度は実は外輪太郎さんと同じ頃の6月後半に水郷・佐原水生植物園へ行き、サッパ舟に乗って加藤洲閘門の先まで行って来ました!

そして今度はつい最近にPWCで広域水上散策をしてきました。川の駅・水の郷さわらからスタートして、小見川閘門や浪逆浦閘門などを通航し、映像にとらえてきたので、外輪太郎さんに是非報告させて頂きたいと思いコメントさせて頂きました。与田浦と横利根川を東西で結んでいる八筋川という江間も前から通ってみたいと思っていたのですが今回初めて低い橋の下を体をくねらせて通ってきました(笑)

以前こちらのブログで外輪太郎さんが触れられていた浪逆浦閘門ですが、私は詳しく看板を読まずに、外浪逆浦から向かったところ、営業中でした(笑)。下記のリンク先(利根川下流総合管理所)では、浪逆浦閘門のことを排水機場と合わせるように新附洲閘門と呼んでいるようですが、それによりますと24時間開閉可能と書かれていました。それはともかく、あまり通航量がない場所でひとまわり大きなサイズの閘門を通航するのはなんとも贅沢な気分になったきがしました(笑)

こういう感動を分かって頂ける人が周りにあまりいないからか、つい長いコメントになってしました。スミマセン(^^;)
以上、ご報告でした。

Re: 水郷散策のご報告

>Hasegawaさん
ご報告ありがとうございました。下利根、常陸利根川のみならず、十六島内の水路をくまなく探索されたご様子、文中からも興奮さめやらぬお気持ちが伝わってきます。後ほど動画も拝見したいと思います、またお出かけの折には、お話をお聞かせください。

お返事ありがとうございます

興奮さめやらず(笑)、つい長くなってしまってすみませんでした。
十六島内の水路は以前から地図や陸上のほうからルートを確認したりしつつ、いつか水上からくまなく巡ってみたいと思っていたのですが、今回はじめて自分の思うように回れました。
また行った際にはご報告させて頂きます。お付き合い頂いてありがとうございます!

三菱倉庫

初めてのコメントですが、以前から拝見させていただいております。
この記事が気になって、こちらはカヌーですが、三菱倉庫を見てきました。
スッカリ皮だけになっていましたが、工事の防護幕が、在りし日の倉庫の写真で出来ており、日の加減によって透けて見えたり、なかなか不思議な感じでした。

建築士の親父に写真を自慢したら、あっけなく「ヨーロッパでは珍しくない」とのこと。
洋風の三菱倉庫にならではの最後の姿でした。

Re: 三菱倉庫

>元まぐろ屋さん
私も今月中旬に首都高から見て、度肝を抜かれました。いや、あの「描き割り」にはビックリしましたね! 内側に新ビルが完成したあかつきには、クレーンのあった壁面部分も、復元されるつもりなのでしょうか。
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