木戸堰…2
(『木戸堰…1』のつづき)

●上流側にで眺めようと、いったん堤防道へ上がってみると、ゲートの管理通路に至る扉の内側に、銘板を発見。もっとも、笹がみっちり生い茂っていて、角度を変えながらのぞき込まないと判読が難しいほどでした。以下に書き下してみますね。
木 戸 堰
1988年3月
発注者 千葉県八日市場土木事務所
管理者 栗山川下流沿岸土地改良区
型 式 アルミニウム合金製スライドゲート
門 数 14門. 長さ 37.22m
施工 機械設備 住友軽金属工業株式会社
躯 体 株式会社 畔蒜工務店
●まあ、すでにタイトルにしていたので今さらですが、木戸堰という名前であることがここで判明。これはもちろん、ゲート設備更新時の銘板ですから、レンガの堰柱が創設された時代の、いわば旧銘板も探したのですが、見つかりませんでした。

●上流側に出ました。光線の塩梅もよろしく、白雲が浮かぶ青空を写した川面も明るくて、のどかかつ静謐な、外房の河川らしい水門風景。
名前も分かったことだし、何かアップされている資料はないかしらと検索したところ、PDFの1ページがヒット。「木戸堰の改修について」(横芝光町HP)という記事が掲載されています。体裁や内容から、旧横芝町の広報誌か何かでしょうか。
●この記事によると、木戸堰は「地下水止めと潮害防止のため」に造られ、昭和3年の竣工だそう。レンガの堰柱は、御年95歳ということになりますね。
昭和60年、台風増水時にゲート運転におもむいた土地改良区役員が犠牲となったことから、電動化の計画が持ち上がり、昭和61~62年の二か年計画で改修が進められているとありました。銘板にあった竣工年は、その翌年ということになります。
●対岸は横堤というのもはばかられるような、草ぼうぼうの高水敷を掘り残して狭窄部をつくったような状態ですが、それでもコンクリートの護岸が備えられ、葦原と流路を分けています。
護岸上、木製の扉のようなものが打ち捨てられているのが目に入り、すわ、旧扉体か? と色めきだったものの、よくよく観察すると、造りから考えてその可能性は薄そうとクールダウン。ぬか喜びに終わりました。

●傾いてきた陽に染まって、ほんのり赤味を帯びた姿もまた佳きもの。遠目にはわりときれいに見えた扉体周りも、泥で汚れ錆も生じていて、年齢相応というか、ちゃんと閉鎖され活用されているのだなあと実感。
●レンガの堰柱をよくよく眺めていると、石材と思っていた部分、骨材のブツブツがあるのに気づきました。これ、石材じゃなく、コンクリートだ‥‥。
欠けたりひび割れたりしていますが、小石を骨材とした昔風のコンクリートです。技術的な挑戦か、コストダウンのためかはわかりませんが、一見古風に見えながら実は、といったポジティブな肩透かしを食らったようで、これまた興味深く思えたことではありました。
【撮影地点のMapion地図】
(令和5年2月12日撮影)
(この項おわり)

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●上流側にで眺めようと、いったん堤防道へ上がってみると、ゲートの管理通路に至る扉の内側に、銘板を発見。もっとも、笹がみっちり生い茂っていて、角度を変えながらのぞき込まないと判読が難しいほどでした。以下に書き下してみますね。
木 戸 堰
1988年3月
発注者 千葉県八日市場土木事務所
管理者 栗山川下流沿岸土地改良区
型 式 アルミニウム合金製スライドゲート
門 数 14門. 長さ 37.22m
施工 機械設備 住友軽金属工業株式会社
躯 体 株式会社 畔蒜工務店
●まあ、すでにタイトルにしていたので今さらですが、木戸堰という名前であることがここで判明。これはもちろん、ゲート設備更新時の銘板ですから、レンガの堰柱が創設された時代の、いわば旧銘板も探したのですが、見つかりませんでした。

●上流側に出ました。光線の塩梅もよろしく、白雲が浮かぶ青空を写した川面も明るくて、のどかかつ静謐な、外房の河川らしい水門風景。
名前も分かったことだし、何かアップされている資料はないかしらと検索したところ、PDFの1ページがヒット。「木戸堰の改修について」(横芝光町HP)という記事が掲載されています。体裁や内容から、旧横芝町の広報誌か何かでしょうか。
●この記事によると、木戸堰は「地下水止めと潮害防止のため」に造られ、昭和3年の竣工だそう。レンガの堰柱は、御年95歳ということになりますね。
昭和60年、台風増水時にゲート運転におもむいた土地改良区役員が犠牲となったことから、電動化の計画が持ち上がり、昭和61~62年の二か年計画で改修が進められているとありました。銘板にあった竣工年は、その翌年ということになります。

護岸上、木製の扉のようなものが打ち捨てられているのが目に入り、すわ、旧扉体か? と色めきだったものの、よくよく観察すると、造りから考えてその可能性は薄そうとクールダウン。ぬか喜びに終わりました。

●傾いてきた陽に染まって、ほんのり赤味を帯びた姿もまた佳きもの。遠目にはわりときれいに見えた扉体周りも、泥で汚れ錆も生じていて、年齢相応というか、ちゃんと閉鎖され活用されているのだなあと実感。

欠けたりひび割れたりしていますが、小石を骨材とした昔風のコンクリートです。技術的な挑戦か、コストダウンのためかはわかりませんが、一見古風に見えながら実は、といったポジティブな肩透かしを食らったようで、これまた興味深く思えたことではありました。
【撮影地点のMapion地図】
(令和5年2月12日撮影)
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