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令和4年度川走り納め・隅田川…4

(『令和4年度川走り納め・隅田川…3』のつづき)

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尾竹橋下流、町屋7丁目付近のS字屈曲を過ぎてからの川景色をいくつかスナップ。京成本線のトラスを振り返って。

テラス化著しい隅田川ですが、このあたりは基礎が造成された段階で、堤防もコンクリート生地のまま手が入っていない状態。いわば昔ながらの風景が残された区間なわけで、武骨な古豪鋼橋がよく似合うところでもあります。

291072.jpg‥‥まあ、再三同じことを騒いでおり恐縮ですが、千住大橋の鑑賞環境の残念さを再確認しつつの航過。

桁下高自体が低いのもさることながら、梁(横桁)が突き出た形で走っており、さらに流路に対してはすになっているので、独航艀など大型船艇の通航には障害となっているところ。豊海橋のように、ジャッキアップしていただけるとよいのでしょうが、規模が大きいだけに難しそうですね。

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千住汐入大橋まで下ると、「ああ、帰ってきた」という気分になるのですから、何とも不思議なもの。旧綾瀬川との合流点でもあり、自艇での通航頻度が高いからでしょう。

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291075.jpg水神大橋下流、汐入公園の前まで来ると、クレーン船を中心に、台船、曳船など数隻がひと固まりとなった工事船団が。この下流側では曳船が盛んに動き回っていたので、アンカーやスパッドを打ち錨泊する準備をしていたのでしょう。

そして賑わう年末の雰囲気を頭上や両岸に感じながら、気持ちよく吾妻橋を通過。河畔の建物のも橋も、陽光ですべてがうららかに輝いて上機嫌、足取りも軽やかに下ります。
撮影地点のMapion地図

(令和4年12月28日撮影)

(『令和4年度川走り納め・隅田川…5』につづく)

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タグ : 隅田川クレーン船

令和4年度川走り納め・隅田川…3

(『変貌した石神井川を眺めて』のつづき)

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石神井川を堪能して、隅田川に戻りました。ここで目を奪われるのは、すでに何度か紹介していますが、下水処理場・みやぎ水再生センターの威容。鉄の匂い濃厚な塔状の構造物、脱水汚泥を焼却する炉が天を突きそびえるさま、何度見てもほれぼれしますね。

291067.jpgしかし、つい先ほどまでの雲が多かった空がウソのように、きれいに晴れ渡りましたね。陽射しで体も温まり、荒川にいたころを思うとだいぶ楽になりました。

小台橋、一つ置いて尾竹橋と、スタイルのよい下路式鋼橋を仰いで爽快な気分になれるのも、晴天あったればこそです。このあたりは高い建物もそう多くないので、橋の美しさが引き立ちますね。

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径間中央をくぐりざま振り返って見上げる尾竹橋、ツートンカラーが冬の陽光に照らされてキレイ。

この少し下流では、ある船との嬉しい出会いがありました。後ほど改めてフネブネの項を設けてご紹介しましょう。

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ここも通るたびに記録したくなる、旧尾竹橋清掃作業所。廃止されすでに14年が経過しましたが、建物自体はまだそんなに傷んでいないような。今なお縮小を続ける実用河川舟運の遺跡ともいえる物件、これからも折に触れて記録してゆきたいです。

291070.jpg尾竹橋近くでもう一つ目立つのが、旧清掃作業所の対岸、帝京科学大学の7号館。

茶色い壁面を広くとったシックな装いに、左上に配置された大窓が明るい雰囲気を与え、何よりテラスに降りる法面に、広々とした階段を設けたのも効いています。河畔の建物としては秀逸な部類だと感じたのですが、いかがでしょうか。
撮影地点のMapion地図

(令和4年12月28日撮影)

(『令和4年度川走り納め・隅田川…4』につづく)

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タグ : 隅田川

変貌した石神井川を眺めて

(『令和4年度川走り納め・石神井川…4』のつづき)

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15年ぶりに石神井川可航区間を再訪してみて、その変貌ぶりを目の当たりにし興味をそそられ、ざっとまとめておきたくなりました。何分手元に資料があるわけではないので、わかる範囲の備忘録的なものですが、お目汚しまで。

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タグ : 石神井川

令和4年度川走り納め・石神井川…4

(『令和4年度川走り納め・石神井川…3』のつづき)

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291052.jpg高架下を抜けて、可航区間最終コースに入りました。前回はまだ工事中の雰囲気が濃厚で、天端に鋼管矢板がのぞいていましたが、増高分の鋼板もきれいに塗装され、落ち着いた感じに。

橋は手前から鎗溝橋、王子桜橋と人道橋が架かっていますが、くぐれるのは鎗溝橋(右写真)が最終橋ということになります。


291053.jpg最奥部を前にして一枚。飛鳥山を貫く暗渠にもっと近づけるかしら‥‥と期待したものの、ご覧のとおりで不可。もっともこの状況に関しては、散歩した際や、都電の窓から何度かのぞいて知っていたので、驚きはしませんでしたが。

王子桜橋の向こうには、暗渠の左径間を渡る形で鋼材の枠組みが見え、テルファーが設けられているのがわかります。これは下に掲げた、「水流発生装置」の関連施設なのでしょう。

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河道の真ん中に浮いてるこれが、「水流発生装置」。詳しくは「石神井川の臭気対策・環境改善に取り組んでいます」(PDF・北区ウェブサイトより)をご覧いただきたいのですが、淀みがちな感潮区間に動力で流れを作り、水質汚濁を抑制しようという取り組み。航行中の船艇のように、噴流がこちらへ向かっているのがわかりますね。

両岸からもやいが一本づつ渡され、反動で上流側へ走り出さないよう固定されているので、この向こうには行けないというわけ。以前陸上から見たときは、暗渠の左径間にいたので、もうちょっと奥まで行けそう、と思っていたのですが、あてがはずれました。

このほかにもう一つ、王子桜橋の桁側面に設けたノズルから地下湧水をポンプアップして散水し、浄化用水の供給とスカムの沈降促進を兼ねさせている取り組みもあるそう。散水する橋というと、目黒川の御成橋を思い出せるものがあるなあ‥‥。

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シメはやはり、石神井川可航区間を代表する奇観、防音版に覆われた首都高の高架が河畔から地下へダイブしてゆく、この角度の眺めを掲げずにはおれますまいよ。

回を改めて、この15年で大きく変貌した石神井川を、比較写真とともに備忘録的にまとめたいと思います。少し時間をください。
撮影地点のMapion地図

(令和4年12月28日撮影)

(『変貌した石神井川を眺めて』につづく)

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タグ : 石神井川

令和4年度川走り納め・石神井川…3

(『令和4年度川走り納め・石神井川…2』のつづき)

291046.jpg前回来たときにはなかった、王子南入口。いや、高架だけでなく、河道自体も大きく改修されていたんですよね。

過去ログ「石神井川初探訪…4」の写真とくらべていただければわかりますが、流路内に立っていた橋脚も、今は護岸の外に。Googleで上空からの写真を見ると、溝田橋前後で特に、河道の屈曲を滑らかに改修した痕跡がうかがえて、興味深いものがあります。

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首都高の完成とともに河道改修も成り、護岸もほとんどが化粧板張りに整備されて、実にスッキリとした表情に。平成19年に訪れた際の「鉄の水路」感は失せましたが、降り注ぐ冬の陽射しに護岸も高架も輝いて、明るくうららかな川面をゆくのはやはり、嬉しいものです。

291048.jpg王子南入口から伸びる高架が張り出した下、護岸に水位尺が設けられており、勾配が変わって垂直になるあたりに「避難判断水位」の印が。

短い道のりの中でさまざまな細流を集め、台地を流れ下ってくるかつての洪水常習河川、沖積地の区間は特に被害に遭いやすかったでしょう。整備成った今、安心感はぐっと増しているものと思われます。


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そして石神井川可航区間のハイライト、首都高がカーブを描きながら流路をまたぎつつ、高架から一気に地下へなだれこむという、実にダイナミックな眺め。護岸をかすめ降下してゆくきわに、人道橋の堀船橋が窮屈そうに詰め込まれているのも目を引きますよね。

頭上低くうねり、川面を完全に覆うこの見事さ、短いながら高架下水路に認定(偉そうに)させていただいております、ハイ。

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堀船橋付近から振り返って。いや~、すき間から差し込む陽光も塩梅がよろしく、圧倒的ながら明朗な、曲線美を堪能できる角度。特記しておきたいのは、橋脚が流路内から完全に排除されていること。

もちろん河水の流下を優先してこそと思いますが、水面を移動する者の目線からしても、走りやすくまた、河道の屈曲と高架の面白さを堪能できる点、実に好ましく感じたことではありました。
撮影地点のMapion地図

(令和4年12月28日撮影)

(『令和4年度川走り納め・石神井川…4』につづく)

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タグ : 石神井川高架下水路