12月12日のフネブネ…5
(『12月12日のフネブネ…4』のつづき)
●千鳥運河から十字流を直進、多摩運河の浮島橋に近い船溜の前にさしかかると‥‥あっ! あれは!
「かわさき」! 小さな独航艀といった風情の、分類が難しそうな可愛らしささえ感じさせる業務船。平成30年12月に「12月9日のフネブネ…4」で魅せられて以来、ぜひもう一度会ってみたいと思っていたので、嬉しくなりました。

●だらしなく相好を崩しながら近づいて、さっそく左舷前方から一枚。マッコウクジラを思わせる船首形状、ずんぐりとした船体とは対照的に、前傾妻を持つ直線的で小ぶりな操舵室と、独航艀をぎゅっと凝縮したような魅力あふれるフォルム。
乗組みさんの陸行用でしょう、エンジンケーシングの横に自転車と原付が「もやって」あるのが効いていて、人いきれが感じられるというか、生活感があっていい雰囲気です。

●船尾方向に流しつつ楽しく愛でながらも、最初の興奮から落ち着いてきたのか、次第に違和感を覚えるようになりました。
船首のフェンダーはターンバックルが外れて垂れ下がっているし、舷側のタイヤフェンダーも高さが揃っておらず、何より船体の塗装がずいぶん傷んで、錆色の部分が多くなっていますね。3年前に見たときには、舷側色も黒々ときれいで、可愛がられている感じがしたものですが。

●う~ん、もしかしたら、長い間もやいっぱなしで、使われていないのかなあ‥‥。周りの船たちもそんな雰囲気だったので、この船溜はそういう場所なのかも。
再会できたのは嬉しかったものの、少々寂しい現状は残念で、現役であってほしいと願わずにはおれませんでした。また美しく整備され、キュートな船影を運河地帯に留めていただきたいものです。
●多摩川を渡って都内に戻り、海老取運河の船溜で通船の船名におっ、と目を引かれて一枚スナップ。
「双鷲六」! 令和2年3月に「双鷲八」、11月に「双鷲参」に出会いましたが、これで「双鷲」を冠したフネブネを目にするのも3隻目になりました。お散歩の道々でスナップして、「双鷲船隊」をコンプリートするのが楽しみになってきたなあ。
【撮影地点のMapion地図】
(令和3年12月12日撮影)
(『12月12日のフネブネ…6』につづく)

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「かわさき」! 小さな独航艀といった風情の、分類が難しそうな可愛らしささえ感じさせる業務船。平成30年12月に「12月9日のフネブネ…4」で魅せられて以来、ぜひもう一度会ってみたいと思っていたので、嬉しくなりました。

●だらしなく相好を崩しながら近づいて、さっそく左舷前方から一枚。マッコウクジラを思わせる船首形状、ずんぐりとした船体とは対照的に、前傾妻を持つ直線的で小ぶりな操舵室と、独航艀をぎゅっと凝縮したような魅力あふれるフォルム。
乗組みさんの陸行用でしょう、エンジンケーシングの横に自転車と原付が「もやって」あるのが効いていて、人いきれが感じられるというか、生活感があっていい雰囲気です。

●船尾方向に流しつつ楽しく愛でながらも、最初の興奮から落ち着いてきたのか、次第に違和感を覚えるようになりました。
船首のフェンダーはターンバックルが外れて垂れ下がっているし、舷側のタイヤフェンダーも高さが揃っておらず、何より船体の塗装がずいぶん傷んで、錆色の部分が多くなっていますね。3年前に見たときには、舷側色も黒々ときれいで、可愛がられている感じがしたものですが。

●う~ん、もしかしたら、長い間もやいっぱなしで、使われていないのかなあ‥‥。周りの船たちもそんな雰囲気だったので、この船溜はそういう場所なのかも。
再会できたのは嬉しかったものの、少々寂しい現状は残念で、現役であってほしいと願わずにはおれませんでした。また美しく整備され、キュートな船影を運河地帯に留めていただきたいものです。

「双鷲六」! 令和2年3月に「双鷲八」、11月に「双鷲参」に出会いましたが、これで「双鷲」を冠したフネブネを目にするのも3隻目になりました。お散歩の道々でスナップして、「双鷲船隊」をコンプリートするのが楽しみになってきたなあ。
【撮影地点のMapion地図】
(令和3年12月12日撮影)
(『12月12日のフネブネ…6』につづく)

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12月12日のフネブネ…4
(『12月12日のフネブネ…3』のつづき)

●川崎市消防局の桟橋には、以前通るたびに目にした「第5川崎丸」「第6川崎丸」の同型2隻に代わって、令和2年に就役した新型艇「かわさき」がもやっていました。
先代の2隻よりぐっと大型化し、舷側にはコーストガードばりの斜めストライプと英字のロゴが入って、ずいぶん雰囲気が変わりましたね。

●近づいて右舷後方から。直線的なデザインの船橋構造物に、伸縮式の放水塔が備えられ、放水砲も合計6門と実に頼もしい感じ。「消防艇『かわさき』」(川崎市)によると、109総t、18.6㏏、全長33.2m、ウォータージェット2軸。
18㏏超は、このクラスの艇としては結構な俊足ですね。船尾にはユニックで揚収する装載艇も備えられ、トランサムにはウォータージェットのガードフレームが突き出ているのが目立ちます。
●光線の具合がよくないですが、せっかく近づいたのだからほぼ真後ろからも一枚。う~ん、トランサムに書かれた船名の書体、出力したそのままでなく、もうひと工夫欲しかったところですねえ。
ここでようやく、もう一隻が桟橋の左にもやっていたことに気づきました。こちらも新艇ですね。逆光になりますが拝見しましょう。
●船名は「うみかぜ」。同大で揃えた先代2隻と違い、こちらはぐっと小型に。火災を起こした船舶の大きさなど、用途によって使い分けるような考え方で造り分けられたのでしょうか。
「消防艇『うみかぜ』」によると、19総t、30.2㏏、全長18.5m、ウォータージェット2軸とのこと。

●千鳥橋をくぐった右手、独航艀の船溜に仲良くもやう4隻を眺めて。手前から第五、第八、第十二、第十一富士宮丸。そう、中川の東京オイルターミナルに通う、油槽船たちのホームポートなんです。
はるばる‥‥というと語弊がありますが、運河から川へと内陸深く水路の旅をする、現代河川舟運の立役者たちが憩うさま、やはり惹かれてしまうのでした。
【撮影地点のMapion地図】
(令和3年12月12日撮影)
(『12月12日のフネブネ…5』につづく)

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●川崎市消防局の桟橋には、以前通るたびに目にした「第5川崎丸」「第6川崎丸」の同型2隻に代わって、令和2年に就役した新型艇「かわさき」がもやっていました。
先代の2隻よりぐっと大型化し、舷側にはコーストガードばりの斜めストライプと英字のロゴが入って、ずいぶん雰囲気が変わりましたね。

●近づいて右舷後方から。直線的なデザインの船橋構造物に、伸縮式の放水塔が備えられ、放水砲も合計6門と実に頼もしい感じ。「消防艇『かわさき』」(川崎市)によると、109総t、18.6㏏、全長33.2m、ウォータージェット2軸。
18㏏超は、このクラスの艇としては結構な俊足ですね。船尾にはユニックで揚収する装載艇も備えられ、トランサムにはウォータージェットのガードフレームが突き出ているのが目立ちます。

ここでようやく、もう一隻が桟橋の左にもやっていたことに気づきました。こちらも新艇ですね。逆光になりますが拝見しましょう。

「消防艇『うみかぜ』」によると、19総t、30.2㏏、全長18.5m、ウォータージェット2軸とのこと。

●千鳥橋をくぐった右手、独航艀の船溜に仲良くもやう4隻を眺めて。手前から第五、第八、第十二、第十一富士宮丸。そう、中川の東京オイルターミナルに通う、油槽船たちのホームポートなんです。
はるばる‥‥というと語弊がありますが、運河から川へと内陸深く水路の旅をする、現代河川舟運の立役者たちが憩うさま、やはり惹かれてしまうのでした。
【撮影地点のMapion地図】
(令和3年12月12日撮影)
(『12月12日のフネブネ…5』につづく)

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12月12日のフネブネ…3
(『12月12日のフネブネ…2』のつづき)
●ここを通るたび、ついまじまじ見てしまうラック式艇置場。狭い敷地内に、まるで本船の装載艇のように高所に置かれた艇、秘密基地のような、どこか夢のある光景ではあります。
以前来たとき(『入江川第二派川に拾う…2』参照)は、「萩原龍 記念マリーナ」と看板が掲げてありましたが、写真のように看板は枠だけ残して失われていました。
もっともGoogleストリートビューで見ると、裏側の道沿いには同名の看板があったので、名称を変えたわけではないようです。台風か何かで落ちたのかな?

●京浜運河を東航中、行逢した通船にカメラを向けて。船首波から水煙が上がり、アップトリムで突き進んでゆく、実にさっそうとした姿が魅力的で、鳥たちが競争を挑んでいるのもいいですね。
船名は「DORAGON」‥‥えーと、一瞬、龍のことかと思いましたが、1字多いですね。きっと別の意味があるに違いない‥‥。

●左折して塩浜運河に入るいつものコースをたどれば、見えてくるのが超アップトリム放置船「MARINA」!
初出が平成30年12月「12月9日のフネブネ…2」、2度目は31年4月「5年ぶりに横浜へ…3」で、ついに3年が経過したものの、放置状態は変わらず。表面もだいぶ傷みが目立って、悲壮感漂う雰囲気になってきました。何とかならないのでしょうかねえ‥‥。

●突き当りを右折して千鳥運河に入れば、千鳥橋寄りの奥は官庁船の船溜。川崎海上保安署の桟橋には、何度かここで顔を合わせた巡視艇「しおかぜ」が。グレーの船体色も美しく、まめに手入れされていることがうかがえます。
おおっ、その向こうに見える船影は! 今回、初めましてになる新顔ですね。じっくり拝見してゆきましょう。
【撮影地点のMapion地図】
(令和3年12月12日撮影)
(『12月12日のフネブネ…4』につづく)

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以前来たとき(『入江川第二派川に拾う…2』参照)は、「萩原龍 記念マリーナ」と看板が掲げてありましたが、写真のように看板は枠だけ残して失われていました。
もっともGoogleストリートビューで見ると、裏側の道沿いには同名の看板があったので、名称を変えたわけではないようです。台風か何かで落ちたのかな?

●京浜運河を東航中、行逢した通船にカメラを向けて。船首波から水煙が上がり、アップトリムで突き進んでゆく、実にさっそうとした姿が魅力的で、鳥たちが競争を挑んでいるのもいいですね。
船名は「DORAGON」‥‥えーと、一瞬、龍のことかと思いましたが、1字多いですね。きっと別の意味があるに違いない‥‥。


初出が平成30年12月「12月9日のフネブネ…2」、2度目は31年4月「5年ぶりに横浜へ…3」で、ついに3年が経過したものの、放置状態は変わらず。表面もだいぶ傷みが目立って、悲壮感漂う雰囲気になってきました。何とかならないのでしょうかねえ‥‥。

●突き当りを右折して千鳥運河に入れば、千鳥橋寄りの奥は官庁船の船溜。川崎海上保安署の桟橋には、何度かここで顔を合わせた巡視艇「しおかぜ」が。グレーの船体色も美しく、まめに手入れされていることがうかがえます。
おおっ、その向こうに見える船影は! 今回、初めましてになる新顔ですね。じっくり拝見してゆきましょう。
【撮影地点のMapion地図】
(令和3年12月12日撮影)
(『12月12日のフネブネ…4』につづく)

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12月12日のフネブネ…2
(『12月12日のフネブネ…1』のつづき)
●「ハワード・O・ローレンツェン」の後ろには、音響測定艦2隻のほか、ご覧のようなクレーン船やLCU‥‥中型揚陸艇2隻も接岸していて、後詰めの根拠地らしい雰囲気です。
ノースドックには、帷子川を出て瑞穂鉄橋に向かった道々にも北西角周りを間近に眺められ、楽しめました。以下はそのときのスナップです。

●こちらはハーバータグともいうべき大型曳船。丸みを帯びたいかにも曳船らしいスターンに「MG NATHANAEL GREENE」、「BG ZEBLON PIKE」と船名が。
●さらに奥へ進むと、小型舟艇の上架スペースがありました。小型曳船とLCMがみっちりのズラリ‥‥同型艇が水線下を見せて並んだところって、やはり目を引かれますよね。
スロープやリフトなど、上下架のための施設は見えなかったので、移動は先ほどのクレーン船で行うのでしょうか。

●このクラスのランディング・クラフトだと、何でも「大発」呼ばわりしたくなる悪いクセがありまして‥‥まあしかし、バウランプ付きの艇って夢がありますよね。プレジャーでもこの手があったらとよく妄想します。

●入江川第二派川を奥へ進み、入江川小派台川の入口をのぞいた直後、もやっていた船艇の中でも強烈だったのが、この古風なスタイルの通船!
イヤ、もの凄いボロボロっぷり‥‥。今までさまざまな放置船を見てきましたが、傾きもせずちゃんと浮いているのに、表面だけここまでベロベロに剝がれ放題って、何とも異様なものが。船名は「みらい2世」、おそらくこの水域を終焉の地とするのでしょうが、悲壮感漂いながら、どこか貴重な瞬間を目にしたような、そんな気持ちになりました。
【撮影地点のMapion地図】
(令和3年12月12日撮影)
(『12月12日のフネブネ…3』につづく)

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ノースドックには、帷子川を出て瑞穂鉄橋に向かった道々にも北西角周りを間近に眺められ、楽しめました。以下はそのときのスナップです。

●こちらはハーバータグともいうべき大型曳船。丸みを帯びたいかにも曳船らしいスターンに「MG NATHANAEL GREENE」、「BG ZEBLON PIKE」と船名が。

スロープやリフトなど、上下架のための施設は見えなかったので、移動は先ほどのクレーン船で行うのでしょうか。

●このクラスのランディング・クラフトだと、何でも「大発」呼ばわりしたくなる悪いクセがありまして‥‥まあしかし、バウランプ付きの艇って夢がありますよね。プレジャーでもこの手があったらとよく妄想します。

●入江川第二派川を奥へ進み、入江川小派台川の入口をのぞいた直後、もやっていた船艇の中でも強烈だったのが、この古風なスタイルの通船!
イヤ、もの凄いボロボロっぷり‥‥。今までさまざまな放置船を見てきましたが、傾きもせずちゃんと浮いているのに、表面だけここまでベロベロに剝がれ放題って、何とも異様なものが。船名は「みらい2世」、おそらくこの水域を終焉の地とするのでしょうが、悲壮感漂いながら、どこか貴重な瞬間を目にしたような、そんな気持ちになりました。
【撮影地点のMapion地図】
(令和3年12月12日撮影)
(『12月12日のフネブネ…3』につづく)

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12月12日のフネブネ…1
(『12月12日の水路風景…3』のつづき)
●今回であったフネブネを、時系列で紹介しましょう。横浜港に着いたあたりから始めます。
大黒大橋をくぐったすぐ左手、大黒埠頭にもやっていたクレーン船「大和」。平成31年4月に「4月13日のフネブネ…1」で見たときもこのあたりでしたから、定繋地なのでしょう。ひとめぐりしてから港内へ戻ってきたら、タグボートに伴われて出港してゆきました。

●「大和」のいた対岸、太平洋製糖のある大黒町1丁目の南西角には、補給艦「ときわ」が! ここで出会うのは初めてで、珍しく思いました。
達着している桟橋は、蛇管の備えがあることから、給油桟橋でしょうか。補給物資の搭載なのか、帰路に通ったときにはもう姿を消していました。
●防波堤の内側に入ってから、横浜海上防災基地の岸壁に横付けする巡視船「あきつしま」を遠望。白い船体が朝日に輝いて、神々しい(?)ばかり。
平成25年9月に、艤装中の姿を護衛艦「いずも」とともに拝見しましたが、あれからもう9年も経ったのですね。遠くから眺めても、最大級の巡視船ならではの威容が伝わってきます。

●帷子川に入ろうと舵を北西に転じると、右手に瑞穂埠頭、ノースドックにもやうフネブネが目に入りました。今回の目玉は、こちらも朝日を受けて純白の船体が美しい、米ミサイル追跡艦「ハワード・O・ローレンツェン」。12,575t。

●ミサイル追跡艦となれば、トレードマークは箱状をなすカサ高な追跡用レーダー。北朝鮮の緊迫した情勢を受けてでしょうか、他では見られない艦容を目にするのは、頼もしくもあり、不安をかき立てられるようでもあり。就役は平成24年と、まだ若いフネなのですね。
【撮影地点のMapion地図】
(令和3年12月12日撮影)
(『12月12日のフネブネ…2』につづく)

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大黒大橋をくぐったすぐ左手、大黒埠頭にもやっていたクレーン船「大和」。平成31年4月に「4月13日のフネブネ…1」で見たときもこのあたりでしたから、定繋地なのでしょう。ひとめぐりしてから港内へ戻ってきたら、タグボートに伴われて出港してゆきました。

●「大和」のいた対岸、太平洋製糖のある大黒町1丁目の南西角には、補給艦「ときわ」が! ここで出会うのは初めてで、珍しく思いました。
達着している桟橋は、蛇管の備えがあることから、給油桟橋でしょうか。補給物資の搭載なのか、帰路に通ったときにはもう姿を消していました。

平成25年9月に、艤装中の姿を護衛艦「いずも」とともに拝見しましたが、あれからもう9年も経ったのですね。遠くから眺めても、最大級の巡視船ならではの威容が伝わってきます。

●帷子川に入ろうと舵を北西に転じると、右手に瑞穂埠頭、ノースドックにもやうフネブネが目に入りました。今回の目玉は、こちらも朝日を受けて純白の船体が美しい、米ミサイル追跡艦「ハワード・O・ローレンツェン」。12,575t。

●ミサイル追跡艦となれば、トレードマークは箱状をなすカサ高な追跡用レーダー。北朝鮮の緊迫した情勢を受けてでしょうか、他では見られない艦容を目にするのは、頼もしくもあり、不安をかき立てられるようでもあり。就役は平成24年と、まだ若いフネなのですね。
【撮影地点のMapion地図】
(令和3年12月12日撮影)
(『12月12日のフネブネ…2』につづく)

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