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水路をゆく・第二運河 令和3年10~12月のご案内

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【ご案内】
水路をゆく・第二運河にようこそ!
モーターボートなのになぜか艪(ろ)がついている、全長わずか21ft(約6m)の木っ端ブネに乗る道楽船頭は、川や運河をうろつくのが大好き。いにしえの水運全盛期に思いを馳せつつ、閘門・水門や橋、フネブネの姿を楽しみながら、各地の水辺や博物館、遊覧船を訪ね歩くブログです。東京とその近郊にある可航水路の、自艇航行による全線ご紹介を目指しています。

当ブログ掲載の本文、画像の無断使用はお断りいたします。
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ボートオーナーの方へ…当ブログに掲載された水路を航行され、事故を起こされても、管理人は責任を負いかねますので、航行にあたっては、各艇長の責任で安全航行をお願いいたします。
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本文中のリンクは、ここ最近のものは原則、ブログ内記事が現窓表示、外部サイト(『水路をゆく 過去ログ』を含む)が別窓・別タブ表示です。初期の記事には、すべて別窓表示のリンクが残っています。
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当ブログは、ブログサービス「Doblog」にて作成していた、「水路をゆく」の姉妹ブログとして、平成20年4月6日に開設、「航行水路メモ」を主な記事にしてまいりましたが、平成21年2月8日以降、Doblogに障害が発生、更新が不可能になったため、本文記事をこちらで継続することとなりました。
なお、サービス終了に伴い、閉鎖されたDoblog「水路をゆく」に掲載していた記事は、FC2ブログ「水路をゆく 過去ログ」に移設しました。

【タイトル画像ほかの更新履歴】
【12月31日】お陰様で、今年も無事故で水路徘徊と水辺探訪を楽しむことができました。ブログほか私の書いたものをご覧くださった皆様、お世話になった皆様に、この場を借りて厚く御礼申し上げます。引き続きのコロナ禍で感染予防に気の抜けない年末ですが、よいお年を迎えられますようお祈りしております。
【12月1日更新】タイトルバック画像を更新しました。辰巳運河で出会った曳船「第36東庄丸」です。令和3年9月20日撮影。
【11月1日更新】タイトルバック画像を更新しました。旧中川、ふれあい橋付近から上流側を望んで。令和3年10月24日撮影。
【10月1日更新】タイトルバック画像を更新しました。神田川、和泉橋下にもやう曳船のシルエットです。令和3年9月20日撮影。

帷子川ほんの少し…10

(『帷子川ほんの少し…9』のつづき)

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幸川最低橋(!)、内海橋の強烈な低さに絶句しつつも、昔目にしたトラウマともいうべき橋を水上から再訪できて、やはりこちらを選んでよかったとしみじみ。

さて、も少し近づいて鼻先でも突っ込んでみるか、と思ったら、左手に固まっていた運動部らしい少年たちが、一斉にこちらを注目。ほかに人目も多く小心者ゆえ気圧されてしまい、写真の位置が最終到達点となりました。

竣工年が知りたいと思い、Googleストリートビューで親柱を見分してみたところ、唯一見られたプレートに「新田間川」とありました。幸川との境がどのあたりなのか、横浜駅周辺の水路の沿革もあわせて、今後の宿題ですね。

かつてこのあたりは東西方向に広がる湾入で、鉄道の築堤によって湾口を閉塞され内水面となり、水路を残して順次埋め立てられたように理解していますが、手元に資料が少なく確かなことは申せません。

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上の写真と同じ位置から、ズームでたぐった一枚。両側に人道橋が併設され、5車線の幅員を有するご本尊の観察に難があるのは、先ほどの南幸橋と同様です。
しかし低い‥‥本当に低い(ブルブル)。

この時点の潮位がA.P.でおおむね+1.1mとして、どう見ても桁下高は1mをはるかに下回るように見えます。茂森橋より低いように思えました。桁の様子からそう古いものではないようですが、気になったのは、下端が全長に渡って錆びていたこと。

大潮のたびに、桁下端が水面下になっているとしか考えられない錆び方。桁下高がA.P.+2mを切っているのか‥‥? ともあれ、その凶悪ともいうべき低さを目に焼き付けて、短いながらやたらと充実した初訪を終えたのでありました。

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275069.jpg以下は帰路のスナップ。閉じ込められるかもという恐怖心から気がせいていて、あまりいい写真がありませなんだ。

ビックカメラにドン・キホーテと、幸川の両岸はまあ賑やかなこと。可航河川の河畔が繁華街、というのは眺めて楽しくはあるのですが、人眼がとにかく多くて気恥ずかしく、やんちゃ(?)がしづらいのは小心者ならではで致し方なし。

右は南幸橋付近の感を撮ったものですが、2.4~2.5mで河底は平坦でした。これならA.P.±0mでも、1.3mほどは確保されることになります。こういったデータを採れただけでも、次回の挑戦には大いに力となるため、来てよかったと思えたことでした。

275070.jpg潮位が上がって閉じ込められる前に、とにかく築地橋以東に脱出せねばと先を急ぎ、くぐり終えたときの安堵感。思わず大きく息を吐いたことではありました。

余裕ができたせいか、ここで初めて気がついたのが右手、南側のビルに「原鉄道模型博物館」とあったこと。横浜とは聞いていましたが、ここだったんだとようやく認識。見学の後、河畔歩きも同時に楽しめそうです。
撮影地点のMapion地図

(令和3年12月12日撮影)

(『12月12日の横浜水路…1』につづく)

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タグ : 幸川帷子川

帷子川ほんの少し…9

(『帷子川ほんの少し…8』のつづき)

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前回の写真と近い角度でごめんなさい。こちらの方が旧橋のディテールにピンが合っているので‥‥。

ご覧のとおり「へ」の字型に架けられた2径間の鋼桁橋で、いま頭上にしている南側の人道橋部分は、桁側面から出された持ち送り(?)で接続され、同じ橋の増設部分として扱われているようです。Googleストリートビューで探したところ、親柱のプレートが残されていて、「昭和二十九年竣功」とありました。震災復興橋世代と思ったら、戦後の建造なのですね。

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まあ、毎度のことながらこちらも相当な低さ。剥離したところから、元の塗色らしい緑色がのぞいているのが見えました。

275063.jpg右写真は帰路のスナップですが、南幸橋の北側、拡幅部分というか、もはやデッキと呼んでよい広大な構造物。歩道としては一体化しているにもかかわらず、「幸川橋」と名乗る別の橋なのだそう。

南北を実質拡幅されて、まるで閉じ込められたようになってしまった南幸橋。他にも同様の例はありますが、かえって古豪橋のディテールが保存されて、艇上からしか見られない貴重な光景になっていますよね。

275064.jpg幸川橋の広大さ、川跡の首都高に造られた、橋併設デッキ上の公園を思い出させるものが。繁華街のど真ん中、歩行者のスペースを少しでも稼ぎたいのはうなずけます。

さて、国境の長いトンネルならぬ、幅広い桁下を抜けると‥‥見えてまいりましたよ。本日、この時点の潮位での最奥部が!

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内海橋です。
撮影地点のMapion地図

(令和3年12月12日撮影)

(『帷子川ほんの少し…10』につづく)

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タグ : 幸川橋の裏側

帷子川ほんの少し…8

(『帷子川ほんの少し…7』のつづき)

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幸川の区間に入りました。直線で、何分わずか300mとて、入ると全区間がほぼ見渡せてしまうささやかな、しかし賑やかな両岸を擁する都市河川であります。

まず手前に架かる幸橋の、何とも思い切りのよいスタイルに目を奪われました。人道橋であることを差し引いても、この形で橋脚が1本もないというのは、どこか不安な感じも手伝い、強烈な印象を与えます。

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275058.jpg帰路に撮ったものですが、幸川から変則丁字流を見たところです。

横浜駅のジョイナスと手前右、相鉄ムービルを結ぶ高架道路が丁字流上空を覆い、その手前にある中高の鋼桁橋はジョイナス荷捌場への搬出入路、建物の一部は水面上にはみ出ていてと、河上に重層化した空間が形作られていて、面白く眺めたものでした。

前後しますが、丁字流付近の河底は合流部のせいか波打っていて、水深は4m前後。まずこのくらいあれば、大潮の干潮時でも安心して行き来ができるレベルではあります。


275059.jpg幸橋と南幸橋の間、東岸には、小さな桟橋がありました。既製のポンツンを組み合わせたものですが、ロープとポールで柵をめぐらし、不釣り合いなクリートまでありと装備は充実。

見たところ、カヤックやパドルボード向きといったところで間違いないでしょう。護岸とはチェーンとアイで軽く繋いであるだけなので、動力船は間違っても着けない方がよさそうですね。

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幸橋の北にあるのに、なぜか南幸橋を名乗っているのが妙ですが、鼻先を突っ込んでみると、ここも興味をそそられるものが。手前は後年追加された人道橋のようで、奥に古豪橋らしいディテールが隠れていました!
撮影地点のMapion地図

(令和3年12月12日撮影)

(『帷子川ほんの少し…9』につづく)

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タグ : 幸川

帷子川ほんの少し…7

(『帷子川ほんの少し…6』のつづき)

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いやもう、その低さはもとより、部材が重厚かつ星霜を経ていることも手伝って、圧迫感が半端ではありません。首をすくめて針路を保つのが精いっぱいなので、何本くぐったか数える余裕はありませんでしたが、ずいぶん長い時間に感じられたものでした。

275052.jpg一瞬空間ができて、どうやらJRの橋は終わったようだと思ったのもつかの間、今度は相模鉄道のそれでしょうか、下端がフラットな桁がのしかかってきました。

しかし、こんな桁が密集した余裕のない場所で、「桁に注意」と掲げられているとは‥‥あっけにとられるとともに、クスッとしてしまうような可笑しみが。



275053.jpg抜けた! プハ~ッ、と詰めていた息を吐いて、思わず艇を一回転させて見直してしまうあたり。道路橋だって、これより幅の広いものはあるのでしょうが、鉄道橋の低いのはどこか重圧が違いますよね。

いやまあ、しかし次から次へと、息をもつかせぬ濃厚さ。みなとみらい橋からここまでわずか1.6㎞あまりに、8回も費やしてしまっただけの情報量(?)はあります。

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艇をぐるりと回頭させ、変形丁字流の南側、帷子川の流路に向き直りました。白いランガーは、県道13号線新横浜通りの平沼橋、その向こうは元平沼橋。河道は十分な幅があり、水深も問題なさそうでいかにも走りやすく見えますが‥‥。さて、ここが思案のしどころです。

ここまで来るのに、約10分を費やしました。30分で築地橋の下流に脱出しなければなりませんから、帰路に同じ時間がかかることを考えると、残り時間はおよそ5分余り!

走りやすそうだからと調子に乗って、このまま帷子川を遡上すれば出られなくなる危険性が高まります。それなら遡上距離は短くとも、より濃厚な区間を見て帰った方がいいだろうと、ふたたび180度回頭。

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変則丁字流を北に向き直れば、そこは帷子川でなく、幸川の区間。この奥には、確かこの流域における最低橋があるはず。そのサイテーっぷりがいかほどのものか、せめてこの目で確かめてから帰ろう、と考えたのでした。前進微速、最終コースへ突入です!
撮影地点のMapion地図

(令和3年12月12日撮影)

(『帷子川ほんの少し…8』につづく)

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タグ : 帷子川幸川