早起き近場散歩…4
(『早起き近場散歩…3』のつづき)
●西側では、運河内へ桟道状に敷設された、首都高羽田線の高架が更新されている工事が続いていますが、何んとなく目を引かれたのがこれ。
上下線の接続部になるものでしょう、桁の側面に開口した窓に、どこかブラウン管テレビを思わせる造形のものが、いくつも顔をのぞかせていました。「あ、テレビっぽい」と思っただけで、特に意味のないおそまつですが‥‥。
●天王洲南運河との十字流、右手にはおなじみ若潮橋(仮橋)。5年前こちらにも書きましたが、初めて意識してからもう14年になります。
「仮橋」と大書きしたのもさることながら、仮設構造物としての息の長さも珍しく、印象深い橋ではあります。すでに昨年6~8月、上下線がそれぞれ供用され、役目は終えているはずですが、撤去が進んでいないようですね。

●京浜運河北口の顔といえば、湾岸署水上安全課、そして隣接した高輪消防署・港南出張所の船溜に連なる、警備艇と消防艇群。
フラッグシップ的存在の20m級、「ふじ」以下各艇が憩うさま、夏の五輪警備下で、緊迫した雰囲気の印象が鮮やかなので、今さらながら日常が戻ってきたことを確認して、何かホッとさせられたような。お疲れさまです。

●運河北口のもう一つの顔、浚渫船「海竜」。光線の塩梅もよろしく、早起きは3文の得と独りごちて一枚。
先代の浚渫船「雲取」は、休日で稼働していなかったとはいえ、作業地で船団を組んでいるところに何度か出くわしましたが、「海竜」になってから、出動風景はいまだに拝めておらず。掃除機のように水底の泥を吸い込んでいるところ、一度でいいので見てみたいものです。

●微速で航進しながら「海竜」にカメラを向けていたら、警備艇「かわせみ」が帰港してきました。こちらもいい角度で陽射しを浴びて、よい表情です。乗り組みさんがフェンダーを下げて船首に向かい、達着の準備をしているのも一息ついた感じで、好きな一枚になりました。
【撮影地点のMapion地図】
(令和3年11月14日撮影)
(『早起き近場散歩…5』につづく)

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上下線の接続部になるものでしょう、桁の側面に開口した窓に、どこかブラウン管テレビを思わせる造形のものが、いくつも顔をのぞかせていました。「あ、テレビっぽい」と思っただけで、特に意味のないおそまつですが‥‥。

「仮橋」と大書きしたのもさることながら、仮設構造物としての息の長さも珍しく、印象深い橋ではあります。すでに昨年6~8月、上下線がそれぞれ供用され、役目は終えているはずですが、撤去が進んでいないようですね。

●京浜運河北口の顔といえば、湾岸署水上安全課、そして隣接した高輪消防署・港南出張所の船溜に連なる、警備艇と消防艇群。
フラッグシップ的存在の20m級、「ふじ」以下各艇が憩うさま、夏の五輪警備下で、緊迫した雰囲気の印象が鮮やかなので、今さらながら日常が戻ってきたことを確認して、何かホッとさせられたような。お疲れさまです。

●運河北口のもう一つの顔、浚渫船「海竜」。光線の塩梅もよろしく、早起きは3文の得と独りごちて一枚。
先代の浚渫船「雲取」は、休日で稼働していなかったとはいえ、作業地で船団を組んでいるところに何度か出くわしましたが、「海竜」になってから、出動風景はいまだに拝めておらず。掃除機のように水底の泥を吸い込んでいるところ、一度でいいので見てみたいものです。

●微速で航進しながら「海竜」にカメラを向けていたら、警備艇「かわせみ」が帰港してきました。こちらもいい角度で陽射しを浴びて、よい表情です。乗り組みさんがフェンダーを下げて船首に向かい、達着の準備をしているのも一息ついた感じで、好きな一枚になりました。
【撮影地点のMapion地図】
(令和3年11月14日撮影)
(『早起き近場散歩…5』につづく)

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早起き近場散歩…3
(『早起き近場散歩…2』のつづき)

●「マリーンシャトル」と別れて直進、京浜大橋を仰ぎつつくぐりました。しかしこの角度から眺めると、実に胸のすく感じがします。
湾岸道路上下線の目の覚めるような赤と、高速湾岸線の青みがかったグレーというメリハリのきいた配色が、ごく緩い弧を描く桁下端のスマートさを際立たせ、奥に見える略同のスタイルを持つ湾岸分岐線の橋と合わせて、放射状に広がってゆくような錯覚すら感じさせ、どこか未来的に見えるんですよね。
●十字流を右へ折れて京浜運河へ。船影のない広々とした朝の水路風景を楽しみながら、滑るように気持ちよく北上。
例によって、行き逢い、また追い越してゆくモノレールの列車を、チラチラ横目で見つつの水路行です。ここも初めて訪れてから長いですが、星霜を経たなりの肌を見せる、昔のままの橋脚や線路にくらべて、電車の塗装はずいぶん変遷が激しいのですね。

●ここで嬉しかったのは、京浜運河畔随一の威容を誇る(!)大井競馬場前駅を、下り電車の発車シーンとともに撮ることができたこと。やはり駅となれば、電車がホームをすべり出る瞬間に出くわして、"生きた"場面をものしたいですよね。
圧倒されるような鉄骨組みのホームも、心なしか3割増しで輝いている気が。一瞬違えばこのシーンに出会えなかったわけで、実によいタイミングではありました。

●平らかな水面とモノレールのスピードに誘われて、ここでちょっとだけデッドフルに。前後左右、行逢船や沿岸の足場の有無を確認してから増速したのは、いうまでもなし。
さて結果は‥‥47.7km/h=25.8ktでした。微風で水面はほぼ静穏でしたから、喫水線下の海苔や貝類の付着が、少しですが進んできたとみてよいでしょう。
(令和3年11月14日撮影)
(『早起き近場散歩…4』につづく)

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●「マリーンシャトル」と別れて直進、京浜大橋を仰ぎつつくぐりました。しかしこの角度から眺めると、実に胸のすく感じがします。
湾岸道路上下線の目の覚めるような赤と、高速湾岸線の青みがかったグレーというメリハリのきいた配色が、ごく緩い弧を描く桁下端のスマートさを際立たせ、奥に見える略同のスタイルを持つ湾岸分岐線の橋と合わせて、放射状に広がってゆくような錯覚すら感じさせ、どこか未来的に見えるんですよね。

例によって、行き逢い、また追い越してゆくモノレールの列車を、チラチラ横目で見つつの水路行です。ここも初めて訪れてから長いですが、星霜を経たなりの肌を見せる、昔のままの橋脚や線路にくらべて、電車の塗装はずいぶん変遷が激しいのですね。

●ここで嬉しかったのは、京浜運河畔随一の威容を誇る(!)大井競馬場前駅を、下り電車の発車シーンとともに撮ることができたこと。やはり駅となれば、電車がホームをすべり出る瞬間に出くわして、"生きた"場面をものしたいですよね。
圧倒されるような鉄骨組みのホームも、心なしか3割増しで輝いている気が。一瞬違えばこのシーンに出会えなかったわけで、実によいタイミングではありました。


さて結果は‥‥47.7km/h=25.8ktでした。微風で水面はほぼ静穏でしたから、喫水線下の海苔や貝類の付着が、少しですが進んできたとみてよいでしょう。
(令和3年11月14日撮影)
(『早起き近場散歩…4』につづく)

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タグ : 京浜運河
早起き近場散歩…2
(『早起き近場散歩…1』のつづき)
●飛行機を眺めて爽快な気分になった後は、エンジンを再始動して西へ。この京浜島と城南島の間の水路、機能からしても運河で、名前がついてもよさそうなものですが‥‥私が知らないだけかしら。
北岸、大井建材埠頭は、好みの黒い業務船が多くもやう楽しいところ。写真はガット船「第十八千歳丸」。ファンネルマークの「榮」もいいですね!
●大型クルーザーの並ぶマリーナを左手に見ながら、京浜大橋に向けてさらに前進していると、橋詰近くに見覚えのある船影が。
あっ、「マリーンシャトル」だ! 8月の早朝、首都高を走っていてここで見かけたのを思い出しました。まだいてくれたのですね。

●さっそく取舵に当てて、近づいてみました。もっともアンカーロープが四方に長く取ってあったので、遠巻きにではありましたが。
横浜港の遊覧船として、昭和60年から本年7月まで、35年に渡り多くの観光客を楽しませてきたベテランも、コロナ禍と寄る年波には勝てず、引退となったのだそう。「横浜港観光船『マリーンシャトル』が2021年7月で35年の歴史に幕」(横浜観光情報)によると、764総t、全長46.2m、航海速力12.3㏏、定員540名とのこと。

●サイドビューを眺めて。まず低舷側で甲板室を重ねた、カサ高なスタイルに惹かれます。かつて霞ケ浦などをめぐっていた水郷汽船のフネブネや、琵琶湖の大型客船など、内水専業の船と相通ずるものを感じさせるからです。
オープンデッキが後部などに限定されているのは、個人的な好みからいうとちょっと苦手な部類ですが、窓面積を大きく取った独特の風貌は、ミナト横浜をめぐるにふさわしい、就航時なりの洒脱さを想わせたものでした。

●光の加減がよくないですが、船首周りの表情も記録したく一枚。ガラスの面積の方が大きい前面、登場時に与えたインパクトは結構なものだったでしょう。
先掲の記事にあった、「劇場のような形式のビューシート」とは、この船橋下のガラス張り部分にあったのでしょうね。階段状のシートを並べて前面展望を確保する手法、米国のサイトシーイング・カーに始まった鉄道車輌ではいくつか例がありますが、船舶では少ないのではないでしょうか。
ともあれ、一見した状態は良好なようですから、きっと第二の人生が待っていると信じたいところ。内水や多島海の航路などで、再就航することを祈りたいものです。
【撮影地点のMapion地図】
(令和3年11月14日撮影)
(『早起き近場散歩…3』につづく)

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北岸、大井建材埠頭は、好みの黒い業務船が多くもやう楽しいところ。写真はガット船「第十八千歳丸」。ファンネルマークの「榮」もいいですね!

あっ、「マリーンシャトル」だ! 8月の早朝、首都高を走っていてここで見かけたのを思い出しました。まだいてくれたのですね。

●さっそく取舵に当てて、近づいてみました。もっともアンカーロープが四方に長く取ってあったので、遠巻きにではありましたが。
横浜港の遊覧船として、昭和60年から本年7月まで、35年に渡り多くの観光客を楽しませてきたベテランも、コロナ禍と寄る年波には勝てず、引退となったのだそう。「横浜港観光船『マリーンシャトル』が2021年7月で35年の歴史に幕」(横浜観光情報)によると、764総t、全長46.2m、航海速力12.3㏏、定員540名とのこと。

●サイドビューを眺めて。まず低舷側で甲板室を重ねた、カサ高なスタイルに惹かれます。かつて霞ケ浦などをめぐっていた水郷汽船のフネブネや、琵琶湖の大型客船など、内水専業の船と相通ずるものを感じさせるからです。
オープンデッキが後部などに限定されているのは、個人的な好みからいうとちょっと苦手な部類ですが、窓面積を大きく取った独特の風貌は、ミナト横浜をめぐるにふさわしい、就航時なりの洒脱さを想わせたものでした。

●光の加減がよくないですが、船首周りの表情も記録したく一枚。ガラスの面積の方が大きい前面、登場時に与えたインパクトは結構なものだったでしょう。
先掲の記事にあった、「劇場のような形式のビューシート」とは、この船橋下のガラス張り部分にあったのでしょうね。階段状のシートを並べて前面展望を確保する手法、米国のサイトシーイング・カーに始まった鉄道車輌ではいくつか例がありますが、船舶では少ないのではないでしょうか。
ともあれ、一見した状態は良好なようですから、きっと第二の人生が待っていると信じたいところ。内水や多島海の航路などで、再就航することを祈りたいものです。
【撮影地点のMapion地図】
(令和3年11月14日撮影)
(『早起き近場散歩…3』につづく)

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タグ : 東京港
早起き近場散歩…1

実はさんざんな日でもありまして、これより以前に撮った写真が消えてしまったり、帰港後にカディで足を滑らせ左胸を強打、長く苦しんだり‥‥。まあ、日ごろの行いが祟ったに違いありません、つるかめつるかめ。

●進入灯の全容を望む場所にたゆたいながら、昇りゆく朝日を眺めて。早起きといっても、この時点で8時を少し過ぎたところ。ふだんがいかに寝坊助か、お恥ずかしいかぎりであります。
午前中は南風が少し入ったそうで、空気は季節なりに冷たいものの、陽射しのせいで留まっていればさほど寒くはなく、うららかといってよいほど。エンジンを止めると、かすかなうねりが船体を叩く音のみの、実に静かな湾奥の風情が味わえました。

●嬉しかったのは、ここから富士山が見られたこと。水上から見る富士山は、この秋初めてとあって、漂泊しながらしばらくしみじみ眺めたものでした。
南風のせいで霞んでいますが、白く冠雪した秀麗な山容と、風が強いのかレンズ雲の帽子をかむっているのが望めますね。

朝日を浴びて、赤味がかった光をキラリと反射させる全日空機、旅客機ファンならずともまことに胸のすく一瞬です。

●低い陽射しにブルーのツートン塗装が映え、美しさに見惚れてしまうものが。離陸直後の飛行機って、脚を収納したり、忙しく各舵や補助翼を当てたりと、動きが楽しめるのもいいんですよね!
【撮影地点のMapion地図】
(令和3年11月14日撮影)
(『早起き近場散歩…2』につづく)

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タグ : 東京港
10月24日の墨田川造船
(『「海洋」の帰港風景』のつづき)
●最後はおなじみ墨田川造船の手掛けているフネブネを拝見して、この日の航程をシメることにしました。辰巳の浮きドックと艤装桟橋から。
西から近づくと、8月に姿を消していた、詰所付きの桟橋がきれいになって復帰していたのがわかりました。巡視艇は、やはり8月に本社前で艤装中だった「はかぜ」。消防艇「すみだ」改め「かすみ」は、先月から引き続きもやっているのですね。

●船底、舷側とも塗色が美しく、新造船らしい清々しさの感じられる「はかぜ」。上の写真でもわかるとおり、トランサムの船名はまだ船体色のまま。マスキングか何かで、就役と同時にはがされるのでしょうか。
桟橋左手で、社員の方がうろんげに不審船をにらんでいたので、もちろん近づいたりせず、遠巻きにして拝見しました‥‥。

●「かすみ」は場所を移動しただけで、特に大きな変化はないようですね。先月もちょっと気になっていたのですが、水線付近の汚れが目につきました。再就役に当たって、入渠して再塗装されるとは思うのですが。

●本社前を訪ねてみると、先月は甲板室が生地のままだった「ひめぎく」が後ろに下がって、代わりに船台上にあった「いせかぜ」が進水、艤装に入っていました。いいですねえ、量産されてゆくさまをこうして眺められるというのは。
●建屋の中で建造中の艇が、この日も一隻見えましたが‥‥おや、「はかぜ」姉妹とは、明らかにハルの形が違いますね。
トランサム下端に見える船底のライン、「はかぜ」ほかは直線でしたが、今回の艇はペラを避けたトンネル型のつくりになっています。タイプの違う艇の登場、進水が楽しみになりました。
(令和3年10月24日撮影)
(この項おわり)

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西から近づくと、8月に姿を消していた、詰所付きの桟橋がきれいになって復帰していたのがわかりました。巡視艇は、やはり8月に本社前で艤装中だった「はかぜ」。消防艇「すみだ」改め「かすみ」は、先月から引き続きもやっているのですね。

●船底、舷側とも塗色が美しく、新造船らしい清々しさの感じられる「はかぜ」。上の写真でもわかるとおり、トランサムの船名はまだ船体色のまま。マスキングか何かで、就役と同時にはがされるのでしょうか。
桟橋左手で、社員の方がうろんげに不審船をにらんでいたので、もちろん近づいたりせず、遠巻きにして拝見しました‥‥。

●「かすみ」は場所を移動しただけで、特に大きな変化はないようですね。先月もちょっと気になっていたのですが、水線付近の汚れが目につきました。再就役に当たって、入渠して再塗装されるとは思うのですが。

●本社前を訪ねてみると、先月は甲板室が生地のままだった「ひめぎく」が後ろに下がって、代わりに船台上にあった「いせかぜ」が進水、艤装に入っていました。いいですねえ、量産されてゆくさまをこうして眺められるというのは。

トランサム下端に見える船底のライン、「はかぜ」ほかは直線でしたが、今回の艇はペラを避けたトンネル型のつくりになっています。タイプの違う艇の登場、進水が楽しみになりました。
(令和3年10月24日撮影)
(この項おわり)

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