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業務船の三角旗

(『8月22日の水路風景…2』のつづき)

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清掃船をはじめ、遊覧船や屋形船といった不定期の客船、またアーバンランチのような定期便の客船など、都内の河川や運河を行きかう業務船たちに掲げられた、青地に赤三角の小旗が気になっていました。

先日こちらの記事で触れたように、五輪警備に関連するものと察しはつきましたが、検索してもやり方が悪いのか、それらしきものがヒットしないのです。

ここはその道のプロに相談した方がよかろうと、ご迷惑ながらおなじみZEN船長に伺ってみることに。さすが船長、交付元の団体のサイトをすぐに教えてくださいました。ありがとうございました!

東京2020オリンピック・パラリンピック期間中における自主航行ルール『2021 CRUISE RULES』 について」(2021 Port of Tokyo 航行安全推進プロジェクト事務局)

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都内の業務船の団体でつくる連合会といったところで、一昨年から活動をはじめ、オリンピック・パラリンピック期間中の自主航行ルールを定めたとのこと。

リストアップされているフネブネは、いずれも自粛水域を航行する頻度が高いもの。三角旗を掲げて、いわば「登録船」であることを明示しておけば、警備する側の海保、警察も負担が軽減されるということでしょう。

ささやかな点ではありますが、これも警備陣やブルーインパルスと同様、五輪会期中でなければ目にできない、いうなれば一生に一度(!)の水路風景の一つであります。華やかなことどもの陰で目立たない件ながら、水路徘徊者として、記憶にとどめておきたいものの一つに違いありません。


(令和3年8月22日撮影)

(『8月22日の水路風景…3』につづく)

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タグ : 清掃船隅田川東京港

8月22日の水路風景…2

(『8月22日の水路風景…1』のつづき)

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辰巳埠頭にもやうおなじみの顔ぶれの中から一隻。新島物産の新洋丸、小型バスをホールド上にちょこんと積んでいるのが目に留まって一枚。離島に納入する自動車、シートもかけない裸積みなのを何度か見てきましたが、海水の飛沫をかぶって大丈夫なのかしら‥‥と、人ごとながら心配になります。

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270008.jpg折からの風で少々波立った第二航路に出て西航していると、巡視艇「あさかぜ」と行逢。遠路、釧路からの来航艇ですね。

何隻か東航船が続いたので、航路北側に寄せて歩かせていたところ、徳島通いの「フェリーびざん」を仰ぐ位置に。近くで見ると、全長とあいまって高い乾舷は圧倒されるばかりで、大迫力でした。

270009.jpgほぼ向かい風とて、行き足を押さえても結構なしぶきを浴びる海況でしたが、第二航路の西口に近づいて、左手遠くに山並みが望めることに気づきました。

あれは富士山‥‥? 富士山ですよね? 張り付くような雲がかかっており、山頂が妙な形になっていたので、一瞬戸惑ったものです。それにしても、ここから富士山が望めるような強風だったとは。夏には珍しいことではありました。

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第一航路に出たところで、対岸・大井埠頭に巡視船が一隻、もやっているのを発見。ガブられながら航路を横断して近づいてみると、巡視船「いず」でした。6年前、護衛艦「いずも」とともに若洲で出会って以来ですね。

中部から後部にかけて、舷側に薄黒く汚れたところが点々と‥‥。港内警備のため、複合艇や監視取締艇を繋留して、同様に汚れた舷側をすでにいくつか見てきましたから、本船も拠点の一つとして働いていることを実感。お疲れさまです‥‥。


(令和3年8月22日撮影)

(『業務船の三角旗』につづく)

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タグ : 東京港巡視艇巡視船

8月22日の水路風景…1

270001.jpg8月22日は、オリンピックのそれに代わり台場に浮かぶパラリンピックシンボルと、またもブルーインパルスの展示飛行があるとのことで、前回より1か月ぶりに艇を出してきました。今回は時系列順に紹介させていただきましょう。

曙運河を南下していると、水門の向こうに黄色い清掃船が。辰巳埠頭に出たあたりで追いつきそうですね。


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運河を出たところで、もはやルーティンになった墨田川造船辰巳の観察日記。入渠船はなかったものの、この日は大きな変化がありました。浮きドックの向こう、2階建ての詰所がついたポンツン桟橋が姿を消していたのです。

これでは当分、入渠はないと見てよさそうですね。あと、前回気づいていたのですが、浮きドック端部の両舷に、縦長のフェンダーが5本づつ、円弧状に設けられていたのも触れておきましょう。

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ふたたび前進すると、清掃船に追いつきました。先月22日にも出会った「第一清海丸」です。

そうそう、操舵室後端に掲げられた青地に赤三角の旗、遊覧船を含めた業務船が掲げていますが、オリンピック・パラリンピック会期中の警備に関する旗ですよね? 警備の負担を減らすため、おそらく外郭団体などが交付した、一種の登録船を示すものだろうと解釈していますが、国際信号旗でもないし、絵柄の由来や正式名称が気になります。

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「第一清海丸」を追い越して、埠頭と旧貯木場の柵の間を西航していたら、監視取締艇が反航してきました。これも先月22日は曙運河・砂町運河の十字流で警備に当たっていた「れぷす」。盛大に船首波を盛り上げて、勇ましい航走シーン。

270005.jpg少し間を開けて、続いて行逢したのが湾岸署の警備艇「すいせん」。赤色閃光灯を光らせての航行、操舵室の窓から乗り組みさんが腕を水平に出しているのは、取舵に切るよ、というサインかしら?

海保、警察の船艇が続航するさま、オリンピックが終わったとはいえ、引き続きパラリンピックの警戒が厳になされていることを、実感させる一幕ではありました。


(令和3年8月22日撮影)

(『8月22日の水路風景…2』につづく)

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タグ : 曙運河東京港清掃船監視取締艇警備艇墨田川造船

大川のブルーインパルス…3

(『大川のブルーインパルス…2』のつづき)

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269102.jpgゲイン塔の頂部を過ぎた一瞬後、ふっ、とスモークが途切れて、まるで編隊がそこで停止したように思えたものでした。

あわてて機体の行方をさがすと、はるか上流側を大きく弧を描いて旋回(右写真の赤矢印)し、遠ざかってゆくところ。


269103.jpgどうもしばらく戻ってこなさそうだし、場所を変えてみてもいいかな‥‥と、下航して東武線鉄橋の下流へゆっくり移動。

こちらもテラスからリバーウォークの上まで、結構な賑わいですね。でもみっちり詰まっているわけでなく、ソーシャルディスタンスを保っておられるのはさすが。


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鉄橋をくぐったあたりで、ゴォーッと爆音が背後から追ってきたので、「しまった!」と後悔しましたが、後の祭り。のんびりし過ぎましたね。

それでも上空にカメラを向けると、先ほど同様の美しいスモークを引いた編隊が遠ざかるところを撮れて、胸をなでおろしたものでした。

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急速に薄れ、形を崩してゆく航跡を後に、大川の河上を去ってゆくブルーインパルス。コース下に迷惑がかからないよう、前回の東京大会時よりスモークを薄くしたと聞いていますが、それをリアルに感じさせる薄れ方。そのせいで、五輪を描くときは少々残念な結果になったようですが‥‥。

ともあれ、海保船艇による空前の水上警備体制、そしてブルーインパルスの飛行と、生涯に一度見られるかどうかといった光景を、自艇よりつぶさに眺めることができたのは、本当に幸せなことでした。お天気にも恵まれ2日間、充実したいい夏休みだったと感謝しています。

(令和3年7月23日撮影)

(この項おわり)

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タグ : 隅田川ブルーインパルス

大川のブルーインパルス…2

(『大川のブルーインパルス…1』のつづき)

269096.jpgブルー観覧と思われる船は、「HULIC」のほかにもう一隻、フライブリッジ付きのクルーザーが遡上してきて、桜橋の上流で向き直り漂泊。

たった3隻と予想よりずいぶん少なめですが、だいぶ気が楽になったものです。私の艇だけだと、橋上や沿岸からカメラを構えた方々の目線が集中(笑)していそうで、恐縮していたものですから。


269097.jpgテラス上はもとより、隅田公園にも堤防に沿って並ぶ皆さんが多くみられ、ときならぬ賑わいに。背後のビルの屋上にも人影がちらほら。

皆さん公式発表をよくご覧になっているようで、西岸か橋上に集中しており、東岸には全くといってよいほど人がいませんでした。スカイツリーとのツーショットを狙っておられるのでしょう。


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来た‥‥‥‥来 た !

時に12時46分、下流側のビルの間、右側からかすかな白い航跡がぐんぐんと伸びてきたと見るや、川筋に沿うようにしてぐっと方向を転じ、こちらへまっしぐらに向かってきたのでした!

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うひょ――――――――――――――――!!
抜けるような蒼空をキャンバスに、五色のスモークが描く一閃の虹!‥‥すみません、ちょっと詩的なことをつぶやいてみました。

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スカイツリーのゲイン塔を貫く絵面を期待したのですが、何分流路の真ん中とて、角度が足りなかったようです。

それでも、空気をゆるがすタービン音とともに、青空を切り裂いてゆくこの迫力! 一糸乱れぬガッチリ組んだ編隊の素晴らしさとともに、圧巻、圧巻以外の何物でもありません。手が震えるような感動を味わいながら、シャッターを切り続けたのでした。


(令和3年7月23日撮影)

(『大川のブルーインパルス…3』につづく)

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タグ : 隅田川ブルーインパルス