五輪警備下の東京水路!…1

五輪警備で全国から集まった海保船艇の写真や動画を、愛好家の皆さんがどしどしアップされているのを拝見し、見に行きたくとも出られない我が身を嘆いて暮らすことが続いていましたから、嬉しさもひとしお。一生に一度しかなさそうな機会とて、五輪警備下の都内水路の表情は如何と、港湾部を中心に走り回ってきました。
●水路行のお供は、「東京2020 オリンピック・パラリンピック競技大会 東京港内海上警備への協力のお願い!」。
警備水域や航行ルールを図示したPDFですが、これをずいぶん前からプリントアウトし、あれこれ妄想しながら眺めては、エリアとルールをしっかり頭に叩き込み、当日もクリアファイルに入れて持参することにしました。

●梅雨が明けると、例年のごとく酷暑となったのはツライものの、この日は南風もさほど強くない、穏やかな快晴となったのはありがたいところでした。母港に着き、自艇の桟橋に向かって歩いていたら、何と、海保の複合艇が繋留されていたのです!
これから海保船艇を見て回ろうという朝に、はなから幸先がいいというか。ちなみにハルナンバーはPM96-M3とありました。PM96は徳山海上保安部の巡視船「くろかみ」だそうですから、装載艇を警備で分派し、ここに会期中臨時繋留しているということでしょうか。複合艇は、このほかにもう1隻見られました。

警備の船艇は‥‥と見回したところ、残念ながら船影は見えず。むう、早く着き過ぎたかな? キョロキョロしながら漂っていると‥‥。

●本船が出港してくる! 商船三井フェリー、九州航路のRORO船「むさし丸」(13,927総t)です。ツートンカラーの塗装が夏空に映えて美しく、思わずほれぼれと見入ってしまうほど。
おっと、ボーッとしてはいられません。邪魔にならないよう、急いでゲートブリッジの東側橋脚に寄せ、南側に出て橋脚の影に隠れる位置に陣取りました。

●ゲートブリッジをくぐって南下する「むさし丸」の艶姿! いや~、海保船艇見物に出てきたところで、いいシーンを見られたとテンションも急上昇。気分もよくなったところでスロットルを倒し、警備陣を求めて北上することにしました。
(令和3年7月22日撮影)
(『五輪警備下の東京水路!…2』につづく)

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東京ミズマチをほんの少し
(『すみだリバーウォークを歩いて…5』のつづき)
●高架下をくぐって、枕橋北詰に出ました。基部はビヤ樽を模したといわれる親柱、その上に伸びる橋灯も曲線美といってよい瀟洒な意匠で、側面・高欄周りの石張りを含めて、震災復興世代の雰囲気を堪能できるのは嬉しいものです。
橋灯や高欄の手すりなど、鉄製部分がこげ茶系の色に塗り換えられたのは、東京ミズマチの竣工に合わせてでしょうか。令和元年6月に訪れたときは、まだ緑系の塗色でした。

●河畔の雰囲気はいかがと、橋爪からテラスに降りて足を踏み出しました。全体的に落ち着いた色調で、ベンチや植栽のレイアウトもシンプルで清潔感がありますね。コロナ禍もあって人影はまばらですが、各店ともそこそこお客さんが入り、静かな盛り上がりといったところ。
何度も同じことをいって恐縮ですが、あの時が止まったような高架と河畔が、ここまで変わったことに目を見張る思い。かつての面影が失われてゆく寂しさもある反面、水路に気軽に親しむ機会が増えたことは喜ばしく、しみじみしながらのお散歩であります。

●さて、以前から気になっていた掘り込みタイプの乗降施設を、陸側から観察です。
見たかぎり、柵に注意事項や管理者などの表記はなく、扉も南京錠で施錠されているだけで、隅田川の簡易船着場のように、フリーで利用できるものではないことを確認しました。
●右は東側からのぞき込んだところ。干満に対応した踊り場(?)を3段あつらえ、さらにそれぞれ水面に向かって降りる段を設けた構造、細やかではありますが、少々使い勝手はよくなさそうな。
各踊り場の境にある柱状のところに、握りを兼ねたポールを立てるなどしたら、より乗降時の安全が図れると思うのですが、どうでしょう。
これが竣工した状態なのかわかりませんが、フェンダーも未装着ですし、まだ手を入れる可能性はありそうですね。気軽に使える施設になるといいのですが。

●行程なかば、源森橋の橋詰まで来てふと対岸を見たら、基礎護岸上で亀さんが甲羅干しをしているのに気づきました。
よく見てみると、なぜか前足をしまって、後足だけだらりと出した形で反り返っています。それが妙に不精ったらしいしぐさに思えて、ほほえましいというか、可愛らしいというか。ズームでたぐって一枚スナップし、さて会合に向かおうと、楽しいお散歩を終えたのでした。
【撮影地点のMapion地図】
(令和3年6月18日撮影)
(この項おわり)

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橋灯や高欄の手すりなど、鉄製部分がこげ茶系の色に塗り換えられたのは、東京ミズマチの竣工に合わせてでしょうか。令和元年6月に訪れたときは、まだ緑系の塗色でした。

●河畔の雰囲気はいかがと、橋爪からテラスに降りて足を踏み出しました。全体的に落ち着いた色調で、ベンチや植栽のレイアウトもシンプルで清潔感がありますね。コロナ禍もあって人影はまばらですが、各店ともそこそこお客さんが入り、静かな盛り上がりといったところ。
何度も同じことをいって恐縮ですが、あの時が止まったような高架と河畔が、ここまで変わったことに目を見張る思い。かつての面影が失われてゆく寂しさもある反面、水路に気軽に親しむ機会が増えたことは喜ばしく、しみじみしながらのお散歩であります。

●さて、以前から気になっていた掘り込みタイプの乗降施設を、陸側から観察です。
見たかぎり、柵に注意事項や管理者などの表記はなく、扉も南京錠で施錠されているだけで、隅田川の簡易船着場のように、フリーで利用できるものではないことを確認しました。

各踊り場の境にある柱状のところに、握りを兼ねたポールを立てるなどしたら、より乗降時の安全が図れると思うのですが、どうでしょう。
これが竣工した状態なのかわかりませんが、フェンダーも未装着ですし、まだ手を入れる可能性はありそうですね。気軽に使える施設になるといいのですが。

●行程なかば、源森橋の橋詰まで来てふと対岸を見たら、基礎護岸上で亀さんが甲羅干しをしているのに気づきました。
よく見てみると、なぜか前足をしまって、後足だけだらりと出した形で反り返っています。それが妙に不精ったらしいしぐさに思えて、ほほえましいというか、可愛らしいというか。ズームでたぐって一枚スナップし、さて会合に向かおうと、楽しいお散歩を終えたのでした。
【撮影地点のMapion地図】
(令和3年6月18日撮影)
(この項おわり)

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すみだリバーウォークを歩いて…5
(『すみだリバーウォークを歩いて…4』のつづき)
●源森川水門の裏が見える場所は、振り返って高架線を眺めるとこんな感じ。この区間の特徴である瀟洒なデザインのスケルトン架線柱が、いい角度で間近に見られるのでした。
水上からはさんざん目にしているにもかかわらず、やはり舵を取りながらの見物はどこか落ち着かないのでしょう。柵に背中をあずけてゆっくり見上げると、今さらながら新しい発見があったのです。

●架線柱の先端、板金細工みたいなつくりで、台形の先に輪が取り付けられていて、ちょっと可愛らしいような感じ。柱から梁に至る流れるような曲線、整然と並んだ継手のリベットとともに、改めてこの架線柱に込められた細やかな気遣いが見て取れ、大いに惹かれたことではありました。

●通路は下りながら高架下をくぐり、先ほど同様、上流側に出てから東側のエントランスに。こちらも隣接して清潔感のあるお手洗いが設けられており、実に行き届いたレイアウト。
右写真、出たところは墨堤沿いに伸びる都道461号線ですが、ここの眺めがなかなか。ずらりと並んだ片持ちの高架橋脚、萌える方も少なくないでしょう。

●横断歩道を渡れば、東京ミズマチの西端。北側、隅田公園に面したところも、ご覧のとおり美しく整備されて面目を一新、高架線も引き立つ感じがします。
東京ミズマチはすでにこの5月、河上から眺めましたが、陸路観察したいところもあるので、右に折れ河畔に出てお散歩を続行することにしました。
【撮影地点のMapion地図】
(令和3年6月18日撮影)
(『東京ミズマチをほんの少し』につづく)

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水上からはさんざん目にしているにもかかわらず、やはり舵を取りながらの見物はどこか落ち着かないのでしょう。柵に背中をあずけてゆっくり見上げると、今さらながら新しい発見があったのです。

●架線柱の先端、板金細工みたいなつくりで、台形の先に輪が取り付けられていて、ちょっと可愛らしいような感じ。柱から梁に至る流れるような曲線、整然と並んだ継手のリベットとともに、改めてこの架線柱に込められた細やかな気遣いが見て取れ、大いに惹かれたことではありました。


右写真、出たところは墨堤沿いに伸びる都道461号線ですが、ここの眺めがなかなか。ずらりと並んだ片持ちの高架橋脚、萌える方も少なくないでしょう。

●横断歩道を渡れば、東京ミズマチの西端。北側、隅田公園に面したところも、ご覧のとおり美しく整備されて面目を一新、高架線も引き立つ感じがします。
東京ミズマチはすでにこの5月、河上から眺めましたが、陸路観察したいところもあるので、右に折れ河畔に出てお散歩を続行することにしました。
【撮影地点のMapion地図】
(令和3年6月18日撮影)
(『東京ミズマチをほんの少し』につづく)

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タグ : すみだリバーウォーク
すみだリバーウォークを歩いて…4
(『すみだリバーウォークを歩いて…3』のつづき)
●ふと上流側を見ると、梁のガーダー側面に「隅田川橋梁 2/3 SINCE 1930」という表記が。うかつなことに今まで気づきませんでしたが、すべての梁に書かれているようです。
5月に旧源森川を見にいった際、高架の鈑桁に同様の表記がありましたよね。東京ミズマチのそれと書体も一緒です。

●どうも橋の方に意識が集中してしまい、眺望に目がいかないのが何とも。半ば過ぎまで歩いたところで、少し川面を楽しもうと、手すりにもたれてしばし休憩することに。
水上バスはいませんでしたが、いいタイミングでPWCのフリートが飛ばしてきて、白い航跡が逆光に反射しなかなか爽快な眺め。河港といってよい場所だけに、おフネ見には格好のスポットですよね。

●川面を眺めていたら、シャーシャーと水を流すような音が耳に入ってきて、ハッ、と音の方へ顔を向けたところ‥‥おお!
源森川水門が点検運転中だ!

●シャーシャーという噴出音は、扉体洗浄装置から水を噴き出している音なのでした。係員さんが出てきて、管理橋の上で開扉の様子を見守っていますね。ああ、平日ならではの醍醐味! いいものが見られてテンションも急上昇、人目もはばからずニヤけてしまいますわ!
●すみだリバーウォークの東端部は、水門のすぐ近くを通っているとあって、裏側からも運転の様子を堪能できました。ありがたやありがたや。
水煙をたなびかせつつ上昇する扉体、ダイナミックな「動く水門」の光景を間近にできたのも、この道ができたおかげ。ありがとう、すみだリバーウォーク!
【撮影地点のMapion地図】
(令和3年6月18日撮影)
(『すみだリバーウォークを歩いて…5』につづく)

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5月に旧源森川を見にいった際、高架の鈑桁に同様の表記がありましたよね。東京ミズマチのそれと書体も一緒です。

●どうも橋の方に意識が集中してしまい、眺望に目がいかないのが何とも。半ば過ぎまで歩いたところで、少し川面を楽しもうと、手すりにもたれてしばし休憩することに。
水上バスはいませんでしたが、いいタイミングでPWCのフリートが飛ばしてきて、白い航跡が逆光に反射しなかなか爽快な眺め。河港といってよい場所だけに、おフネ見には格好のスポットですよね。

●川面を眺めていたら、シャーシャーと水を流すような音が耳に入ってきて、ハッ、と音の方へ顔を向けたところ‥‥おお!
源森川水門が点検運転中だ!

●シャーシャーという噴出音は、扉体洗浄装置から水を噴き出している音なのでした。係員さんが出てきて、管理橋の上で開扉の様子を見守っていますね。ああ、平日ならではの醍醐味! いいものが見られてテンションも急上昇、人目もはばからずニヤけてしまいますわ!

水煙をたなびかせつつ上昇する扉体、ダイナミックな「動く水門」の光景を間近にできたのも、この道ができたおかげ。ありがとう、すみだリバーウォーク!
【撮影地点のMapion地図】
(令和3年6月18日撮影)
(『すみだリバーウォークを歩いて…5』につづく)

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タグ : すみだリバーウォーク源森川水門隅田川
すみだリバーウォークを歩いて…3
(『すみだリバーウォークを歩いて…2』のつづき)

●通路は90度方向を転じ、まさに「橋の中」を横断して下流側へ出るわけですが、梁をはさんで左側通行となっています。
もともと人道を通すような造りになっていないこととて、レイアウトには苦労したと思いますが、構造に触れ、愛でながら歩けるという意味ではこれ以上のものはない、と断言(してもしょうがないですが)できる区間になっていました!
●横断する通路の真ん中あたりから、東側を見たところ。交錯する構造、その下に広がる水面、すき間から差し込む陽射しと、つねでは見られない非日常の光景にうっとり。
ここから船が通る瞬間を撮れたら、素敵だろうなあ‥‥と妄想しつつ、柵の上にカメラを差し出して撮りました。

●楽しいからといって、いつまで構造の中でじっとしているわけにもいかず、下流側に出ました。リバーウォークがリバーウォークたるゆえん、大川筋でも最も賑やかな、吾妻橋周辺の水面をほしいままにできる、まこと絶好のビュースポットでもあります。
今さらながら、通路はもっと狭いものを想像していたのですが、ご覧のとおり3人が並んでも余裕ですれ違えるほど、ゆったりとした印象。これなら自転車を押して歩いている人が通っても、決して邪魔な感じは受けないでしょう。

●‥‥と、ここで電車が通過。構造がわざわいして、ほとんど写っていないのが痛いですが。
いやもう、ビリビリビリ、ドシン、ドシン、と鉄輪がレール面を噛み、継ぎ目を渡る衝撃がダイレクトに体を振動させ、まあ血が沸くのなんの!
列車の重量と力強さを、鋼橋を介して文字通り体感できる! この一事をもってしても、すみだリバーウォークを設けた意義は十二分にあったといって過言ではありますまいよ(真顔)!
●電車が通過した後、上気した顔で改めて橋を眺め、部材の一つ一つまで間近に愛でられるありがたさを噛みしめる加齢者。
通路上で離れようがないため、上と似たようなカットで恐縮です。格好のよい架線柱を横目で見ながら、乙な気分でお散歩は続くのでありました。
(令和3年6月18日撮影)
(『すみだリバーウォークを歩いて…4』につづく)

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●通路は90度方向を転じ、まさに「橋の中」を横断して下流側へ出るわけですが、梁をはさんで左側通行となっています。
もともと人道を通すような造りになっていないこととて、レイアウトには苦労したと思いますが、構造に触れ、愛でながら歩けるという意味ではこれ以上のものはない、と断言(してもしょうがないですが)できる区間になっていました!

ここから船が通る瞬間を撮れたら、素敵だろうなあ‥‥と妄想しつつ、柵の上にカメラを差し出して撮りました。

●楽しいからといって、いつまで構造の中でじっとしているわけにもいかず、下流側に出ました。リバーウォークがリバーウォークたるゆえん、大川筋でも最も賑やかな、吾妻橋周辺の水面をほしいままにできる、まこと絶好のビュースポットでもあります。
今さらながら、通路はもっと狭いものを想像していたのですが、ご覧のとおり3人が並んでも余裕ですれ違えるほど、ゆったりとした印象。これなら自転車を押して歩いている人が通っても、決して邪魔な感じは受けないでしょう。

●‥‥と、ここで電車が通過。構造がわざわいして、ほとんど写っていないのが痛いですが。
いやもう、ビリビリビリ、ドシン、ドシン、と鉄輪がレール面を噛み、継ぎ目を渡る衝撃がダイレクトに体を振動させ、まあ血が沸くのなんの!
列車の重量と力強さを、鋼橋を介して文字通り体感できる! この一事をもってしても、すみだリバーウォークを設けた意義は十二分にあったといって過言ではありますまいよ(真顔)!

通路上で離れようがないため、上と似たようなカットで恐縮です。格好のよい架線柱を横目で見ながら、乙な気分でお散歩は続くのでありました。
(令和3年6月18日撮影)
(『すみだリバーウォークを歩いて…4』につづく)

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タグ : すみだリバーウォーク隅田川