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雨の猊鼻渓…0

4月17日は、岩手県一関市の河川遊覧航路がある、猊鼻渓(げいびけい)を訪ねてきました。

北上川支流の一つである、砂鉄川にある竿舟の遊覧航路で、一関の市街地から北東へ直線距離でおよそ12㎞という、山深いところで川舟に乗れるというのが以前から気になっていて、前回の緊急事態宣言が明けたところで、家族旅行を兼ねて訪ねようと思い立ったのです。

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ホンモノのGoogleマップで猊鼻渓を表示

砂鉄川は、一関市川崎町で北上川と合流する、延長およそ44.6㎞の流路を持つ一級河川。猊鼻渓は、山肌を削り渓谷を作りつつ駆け下ってきた砂鉄川が、小さな平野に躍り出て河相を穏やかなものに変える、ちょうどその境目に位置する景勝地で、日本百景にも選ばれているそう。

山深い渓流で川舟に乗れる、という面白さもさることながら、猊鼻渓のある小さな町、東山町長坂字町にも惹かれるものがありました。渓谷を出て曲流する砂鉄川にほぼぐるりが囲まれており、その釣鐘型をした平地が、北東~南西を軸にした碁盤の目に整然と区画されている‥‥。
いい方は適当でないかもしれませんが、自分的にはどこか箱庭的な、愛らしい魅力があるようにも感じられ、訪問欲をそそるものがあったのです。

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緊急事態宣言が明けて移動の制限はなかったとはいえ、感染者が増加していましたから、お世話になる現地の皆さんに不安を与えないよう、連れの発案で訪問前1週間、家族全員で連日検温をし、表にまとめてから出かけることにしました。

出発数日前からチェックしていた天気予報が、次第に悪天候に傾くのを憂鬱な気持ちで眺めていたところ、果たして当日17日は雨。新幹線から大船渡線に乗り換えようと一ノ関駅に降り立ったときは、すでに結構な雨脚でした。

264003.jpg入線待ちの気動車を眺めながらホームをうろついているうちにも、雨は弱まる気配を見せず、どうにも気分がそがれることは否めません。

ホームの端からスズメの鳴き声がしたので行ってみると、屋根の梁に数羽のスズメが留まり、しきりとさえずっていました。こう雨がひどくては、スズメさんも雨宿りがしたくなるでしょう。

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大船渡線には初めて乗ったのですが、山間に入ってからの線路の様子にそそられるものがあって、最後尾に立ちっぱなし。

アップダウンと右へ左へうねるカーブの連続、急勾配の途上に穿たれたトンネルと、昔の蒸気機関車や非力な気動車では、さぞご苦労も多かっただろうと思わせる線形で、飽かず眺めてしまいました。その険しい山道を、今のディーゼルカーは実に力強く、軽々と飛ばしてゆくのも実に爽快だったものです。

264005.jpgホーム1本の小さな無人駅、猊鼻渓駅から舟の乗り場までは数百m。雨の中歩いて鉄橋の下をくぐると、水音の聞こえる河畔に、お土産屋さんや旅館の立ち並んだ、観光地らしい雰囲気の一角が見えてきました。

雨は止む気配もないし、正直乗っていいものかどうか迷ったのですが、予約した旅館の方が「増水すると休航するから、雨降りでも乗っておいた方がいいですよ!」との勧めに従い、落ち込む気分を何とか奮い立たせて、乗り場に向かうことに。
撮影地点のMapion地図

(令和3年4月17日撮影)

(『雨の猊鼻渓…1』につづく)

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タグ : 猊鼻渓砂鉄川一関市