花畑運河再訪…5
(『花畑運河再訪…4』のつづき)
●雪見橋のテラスの間に入りました。テラスは南北橋詰から、東西に長く伸びた計4本、延長は東西合わせて約100m。橋詰から緩いスロープ状となり、突端に行くにつれ低めてある形です。
護岸は石積みの法面で、テラス区間の河道幅は実質15~6mほどと見られ、法勾配が緩いことをのぞけば、整備事業竣工後の幅に近い感じですね。

●雪見橋東側に近づいて。橋台から管路が突き出て、桁側面を金具で架設され渡っています。フラットで径間の狭いRC桁、河道に大きく張り出した橋台と、桜木橋と本当によく似たタイプですね。
検索したら、「東京の橋:雪見橋」に銘板の写真が掲載されていました。平成23(2011)年3月竣工とのこと、前回訪問の2年3ヶ月後ですから、訪問後間なしに改架工事が始まったのでしょう。昔の面影を残した唯一の橋だったので、改架前にくぐることができて幸運でした。

●帰路に撮ったものですが、西側の側面も。こちらはグレーの樋がかぶさった何かが、やはり桁側面に沿わせて架設してあります。電路でしょうか。
桜木橋のとき、巨大な橋台は伏越があるせいかしら、と想像しましたが、雪見橋を見てちょっと考えを改めなければ、と思いました。
震災復興橋の「鋼桁橋のラーメン橋台橋」と似たような伝で、架橋工事中も両岸の道路を塞がないようにするため、あえて橋台を川表に張り出したタイプを採り、河道内のみで工事が完結するよう配慮したためなのかも、と妄想。地盤が脆弱で基礎工事が大掛かりになること、流量がなく径間が狭くても差しつかえない、という要素もあるかもしれません。
●テラスの護岸ですが、石を荒く積んだだけかと思ったら、よく見るとコンクリートの法面に装飾として玉石を並べ、しっかり固めた形のものとわかりました。
こちらも釣り場としては足場がよいせいか、突端には気持ちよさげに竿をかざす釣り人さんが。「申しわけないです、ちょっと通らせてください」と声をかけると、幸い快く糸を収めてくれました。

●テラス区間を抜ければ河道幅は旧に復し、上空を横切る首都高三郷線と、正面に花畑水門を望む西端の最終区間に。
錆色の鋼矢板が露出した低い堤防、ところどころ陥没した基礎護岸と、昭和の艀船運河のそのものといってもよい硬質な眺めも、整備事業が進められたあかつきには失われる運命。この日このときの運河風景を、この目で見ておけることこそ幸いと思えたものでした。
【撮影地点のMapion地図】
(令和2年12月29日撮影)
(『花畑運河再訪…6』につづく)

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護岸は石積みの法面で、テラス区間の河道幅は実質15~6mほどと見られ、法勾配が緩いことをのぞけば、整備事業竣工後の幅に近い感じですね。

●雪見橋東側に近づいて。橋台から管路が突き出て、桁側面を金具で架設され渡っています。フラットで径間の狭いRC桁、河道に大きく張り出した橋台と、桜木橋と本当によく似たタイプですね。
検索したら、「東京の橋:雪見橋」に銘板の写真が掲載されていました。平成23(2011)年3月竣工とのこと、前回訪問の2年3ヶ月後ですから、訪問後間なしに改架工事が始まったのでしょう。昔の面影を残した唯一の橋だったので、改架前にくぐることができて幸運でした。

●帰路に撮ったものですが、西側の側面も。こちらはグレーの樋がかぶさった何かが、やはり桁側面に沿わせて架設してあります。電路でしょうか。
桜木橋のとき、巨大な橋台は伏越があるせいかしら、と想像しましたが、雪見橋を見てちょっと考えを改めなければ、と思いました。
震災復興橋の「鋼桁橋のラーメン橋台橋」と似たような伝で、架橋工事中も両岸の道路を塞がないようにするため、あえて橋台を川表に張り出したタイプを採り、河道内のみで工事が完結するよう配慮したためなのかも、と妄想。地盤が脆弱で基礎工事が大掛かりになること、流量がなく径間が狭くても差しつかえない、という要素もあるかもしれません。

こちらも釣り場としては足場がよいせいか、突端には気持ちよさげに竿をかざす釣り人さんが。「申しわけないです、ちょっと通らせてください」と声をかけると、幸い快く糸を収めてくれました。

●テラス区間を抜ければ河道幅は旧に復し、上空を横切る首都高三郷線と、正面に花畑水門を望む西端の最終区間に。
錆色の鋼矢板が露出した低い堤防、ところどころ陥没した基礎護岸と、昭和の艀船運河のそのものといってもよい硬質な眺めも、整備事業が進められたあかつきには失われる運命。この日このときの運河風景を、この目で見ておけることこそ幸いと思えたものでした。
【撮影地点のMapion地図】
(令和2年12月29日撮影)
(『花畑運河再訪…6』につづく)

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