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3月15日のフネブネ…2

(『3月15日のフネブネ…1』のつづき)

247056.jpg海王丸の船首側にメザシにもやっているのは、水産庁の漁業取締船「照洋丸」と同じく漁業調査船「開洋丸」、どちらもおなじみの顔ぶれ。

「開洋丸」トランサムのスリップウェイが魅力的で、出会うたびまじまじと眺めてしまいます。捕鯨母船を思わせるものがあるからでしょう。こちらはクジラでなく、トロール網を展開・揚収するためのものでしょうが、普通の船にはない装備はやはり魅力で、よいものですね。

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帰り道は、例によって東雲北運河へ。二つの造船所があるこの水路は、ご存じのとおり官船を中心に、ちょっと惹かれる船影に出会える確率が高いところ。さて本日は‥‥おっ、屋形とポンツン桟橋の間に、グレーの警察船艇らしいのがはさまっていますね!

247058.jpgハルナンバー視6、「たかお」でした。木村造船所に修繕にでも来たのでしょう。操舵室の上背があるので、潮位の高い日だと、くぐれない橋が出てきそうです。

先ほど見たら、建屋内の船台はいっぱいだったので、となりの屋形「第二あら川丸」と一緒に、順番待ちといったところでしょうか。


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さらに進んで、こちらもおなじみ墨田川造船。しばらく前から、建屋内の船台上で建造中の船がいて、通るたびに意識していました。

この日ようやく、トランサムに船名が書き込まれたのを発見。「みかづき」、語感からして巡視艇でしょうか。ホテルみたいな名前だなあ‥‥と、俗な感想が漏れたものです。グレーなのはきっと下塗りで、これから本塗装に入るのでしょうね。

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最後は船ではありませんが、この項の積み残しということで一つ。東雲運河の旧防波堤、ご存じのように天端に木を生い茂らせた(『東雲運河の旧貯木場…1』以下のシリーズ参照)風情のある姿で、石組みの法面護岸とあわせて、運河風景をまろやかなものにしていた、いわば立役者だったのですが‥‥。

この日帰路に通ってみたら、何と、結構な延長のある防波堤全体が剪定されていたのです! 向こうも見えない密林だったのが、スカスカの疎林レベルにまで。枝を刈りはらったどころか、幹もずいぶん切られたであろうと感じるくらい。

長年にわたり放置されていたのですから、今さら構造物の保護のため、とは考えづらいですね。オリンピックに関連して、会場に近いここに不審者が潜まないようにとか、警備上の理由なのではないでしょうか。

(令和2年3月15日撮影)

(この項おわり)

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タグ : 東京港東雲北運河東雲運河警備艇墨田川造船

3月15日のフネブネ…1

(『3月15日の臨港消防署』のつづき)

247051.jpg3月15日の道々で目にしたフネブネのスナップをば。朝潮運河の曳船溜からまいりましょう。

ここは曳船というより、押船仕様のゴツイ船首を持った船が多いのですが、割とノーマルな豆曳船もおります。その中の一隻「三十八東庄丸」。この船社の船は、黒の舷側色と赤い船底色で揃えているのが渋いですね。しかし、エンジンケーシングの左舷側面に、ニョッキリ排気管が突き出ているのは、どうも‥‥。乗っている人もツラそうです。

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同じ船溜で、対照的に軽快そうな塗装の「UTSUMI60」。この押船、「8月11日のフネブネ」で、豊洲運河で走っていたのに行逢したことがあります。スイング式の可動式操舵室をいっぱいに上げてバージを押しているところ、見てみたいものですね。

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朝潮運河から月島川に入ってすぐ、中川船舶の「七号千羽丸」とその向こう、舷を接してもやう「十七号千羽丸」。古典味あふれる外観ながら、ブルーの塗装が小粋ですね。

船首のタイヤフェンダーがまさに鈴なりで、よく見ると三重になっているところもありました。曳くだけでなく、台船の舷側を押したりする役割が多いことを思わせます。

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247055.jpg朝潮運河の南口を定繋地とするこれも顔なじみ、海洋大の練習船「汐路丸」(425総t)。

平甲板に、主な上部構造物は船橋周りだけ。こじんまりとまとまったバランスの良い外観と、美しく塗り上げられた舷側が落ち着いた魅力を醸し出していて、通るたびに惹かれる存在です。


(令和2年3月15日撮影)

(『3月15日のフネブネ…2』につづく)

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タグ : 朝潮運河月島川曳船

3月15日の臨港消防署

(『3月15日の朝潮水門』のつづき)

247046.jpg朝潮水門を抜けて南下すれば、左手はおなじみの臨港消防署が見えてきます。

おや、主力船艇である「みやこどり」、「おおえど」ほかの姿が見えませんね。演習で近場の水域に出かけているのでしょうか。エリアが広く、桟橋も立派になった分、大型艇がいなくなると、かつてよりがらんとした印象を強く感じました。


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人影もなく、静かな桟橋にもやう各艇を眺めて。まずは「はるみ」。自艇から見れば、決して小さいなりではないのですが、桟橋が立派で厚みがあるため、ずいぶんこじんまりとして見えますね。

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「はるみ」の対面には「すみだ」。バックはみっちり選手村のマンション群、毎度のことながら、入居後は整備や暖機もはばかられそうな気がして、一人気をもんでしまうのです‥‥。

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247050.jpgこちらは小型艇2隻「しぶき」と「はやて」。江東など狭水路をパトロールしているときに出会いたくなるような、親しみのもてるサイズですよね。

ゆるゆると最微速で流したまま、朝潮運河を出て港内へ。取舵を切ると、桟橋に憩う「海王丸」が織りなす索具やマストが間近に見上げられ、ほれぼれと仰いだものでした。

(令和2年3月15日撮影)

(『3月15日のフネブネ…1』につづく)

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タグ : 朝潮運河消防艇

3月15日の朝潮水門

(『3月15日の新月島川』のつづき)

247041.jpgふたたび朝潮運河へ出て右へ、朝潮水門を通って港内へ出るとしましょう。環状状2号線の延長部、黎明大橋が架けられてからの光景はすでに何度か触れていますが、桁下高が割と低く幅員もあるため、水門はまるでトンネルの向こうにあるよう。

写真には写っていませんが、水門の状態を示す電光掲示板は桁側面、各径間の信号は橋脚にもそれぞれ設けられて、見通しの悪さを補っています。

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桁下から水門の径間をのぞくと、頭上の抜けたスイングゲートの爽快さが強調されて、よいものですね。青空を白雲が流れる好天とあれば、なおさらです。

247043.jpgうまく撮れませんでしたが、オオバン君が木製フェンダーについたノリを、わが艇の通航に目もくれず、一心にきこしめしているのに惹かれた一枚。

首を傾げ、シャプシャプとしきり水音をたててクチバシを動かすしぐさが可愛らしいですね。オオバン君、母港の桟橋のフロートについたノリも掃除に来てくれるので、「おりこうだねえ!」とほめてあげています。


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通るたび似たような角度の写真で恐縮ですが、水門を抜けてから振り返って。

ほんの数年で橋が架かり、巨大なタワーマンションがにょきにょき林立する変化の激しさに、今さらながら、訪ねるたびタメ息が出そうな角度ではあります。

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朝潮小橋をくぐってから、しつこくもう一枚。両岸、コンクリート堤防の前に、石組みの法面が新設されているのがわかりますね。

消波効果が大きいので、通航艇としては増えてくれた方が助かりますが、聞いたところではこれ、耐震補強工事の一環なのだとか。見た目もよく護岸の耐波性も向上する、一石二鳥のやり方ではありますよね。
撮影地点のMapion地図

(令和2年3月15日撮影)

(『3月15日の臨港消防署』につづく)

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タグ : 朝潮運河朝潮水門

3月15日の新月島川

(『3月15日の月島川』のつづき)

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隅田川を下って左折、浜前水門をくぐって新月島川(新月島運河)へ進入とまいりましょう。

隅田川下流部の東岸の水門では、唯一の港湾局管理で「統一デザイン」からは外れた水門です。佐藤淳一師匠いうところの“ケロケログリーン”カラーに、都のイチョウマークをあしらった扉体が素敵ですね。

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過去に何度かお世話になった、本橋発動機(勝どきマリーナ)の横を微速で通過し、振り返って一枚。繋留船艇やクレーンがおりなす船溜の風景、いいものです。

この赤錆びたバージは、本橋さんのお隣の業者さんのものだそうですが、都心もほど近い街場の水路で、鉄の匂い濃厚な川景色が味わえるとは、このご時勢とみに貴重な存在。いつまで目にできるかわかりませんが、この日このときの光景をを大切にしたいものと、ありがたく眺めながら通過。

247039.jpg新月島川、右手の南西岸はすでにテラス化が進んでおり、古風な戸建て住宅や手作り感あふれる桟橋、木の生い茂る石垣護岸といった、昔ながらの風情を残す左手と、ちょっとちぐはぐな状態。

背景のタワーマンションがなければ、それこそ中央で仕切って、今昔対比写真としても通じるような、一種不思議な光景ではあります。

247038.jpg新島橋は改架工事もほぼ終わったのでしょう、橋脚周りを止水していた鋼矢板を、撤去にかかっていました。

ああ、大好きなあの‥‥何ていいましたっけ。鋼矢板の上を足で挟みつけながらぎっちゃこぎっちゃこ歩いて、抜き差しする建機。こちらで初見して以来、方々で見かけるようになって、妙に気になっているんですよ。



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地味ですが、ちょっとそそられた物件を一つ。コンクリート堤防に、開口部を塗り込めたような跡が。きっと、かつてここに陸閘があったんでしょうね。

倉庫や回漕業者の建物がマンションやオフィスビルに代わり、水上と縁がなくなれば、堤防を切って出入口とする用も、なくなったというわけでしょう。ほんのささやかな痕跡でしたが、愛おしく思えてしまうのでした。
撮影地点のMapion地図

(令和2年3月15日撮影)

(『3月15日の朝潮水門』につづく)

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タグ : 新月島川新月島運河浜前水門