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開田橋閘門を訪ねて…1

(『開田橋閘門を訪ねて…0』のつづき)

243006.jpg芦原温泉駅からの道々、何より圧巻だったのがこの、北陸新幹線の高架。足場上には作業員の方も見られ、まさに建設たけなわといった雰囲気ですね。

遠方までずらりと並んださまは迫力がありましたが、芦原の皆さん的には単なる通過点になってしまうのと、関西方面へ出るにも今よりかえって不便になりそうで、複雑なものがあるのだそう‥‥。

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向こうの丘の上にいくつか、発電風車が見えてきたな、と思う間もなく風景が開け、美しい水面が視界いっぱいに広がりました。北潟湖畔に出たのです!

Wikipediaの北潟湖によると、面積が2.16㎢、周囲の延長は約14km、平均水深2.5mだそう。名前に“潟”はついてはいるものの、潟湖ではなく海跡湖なのですね。北浦に似た地勢だな、との感覚は間違っていなかったわけです。どこか潮来、佐原といった水郷の風景を思い出させるものがあって、大いに親しみを覚えたものでした。

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吉崎屋マリーナに到着しました。青空を映す鏡のように平らかな水面、間近にもくもくと木々を繁らせたお饅頭のような独立丘が望めと、ほれぼれするような内水のロケーションに恵まれたマリーナです。

舗装された陸置ヤードを抜けて水際に出ると、桟橋に槍付けした形で繋留されたフィッシングボートたちがお出迎え。ともにさっぱりと整理されていて、フネブネへの愛情が想われる船溜風景でした。

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桟橋から南側に目をやると、閘門のある開田橋が間近に望めました。実はついさっき、ここに来る道々で渡ってきたのですが、マリーナからは文字どおり指呼の間であることがわかります。

Googleマップ上で眺めていた折に想像したとおり、北潟湖沿岸の水田が塩害をこうむらないよう、潮留め水門として建設されたのだそう。つまり水閘門というわけですね。堰柱がないことから、ゲートのタイプは想像できると思いますが、これは近づくまでのお楽しみにとっておきましょう。

243010.jpg社長にご挨拶すると、素敵なテラスのあるクラブハウスに招かれ、準備ができるまで美味しいコーヒーをご馳走になりました。急なお願いにもかかわらず、お引き受け下さった上に細やかなお心遣い、痛み入ります。

クラブハウスには、潮焼けしたお顔の常連さんたちがくつろいでおられ、由緒ありげな戦艦のソリッドモデルも飾られていたりと、潮っ気濃厚かつアットホームないい雰囲気。社長のご人徳でしょう。
撮影地点のMapion地図

(元年11月23日撮影)

(『開田橋閘門を訪ねて…2』につづく)

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タグ : 北潟湖開田橋閘門閘門

開田橋閘門を訪ねて…0

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こちらですでに触れましたが、11月23日は福井県の北潟湖にある、開田橋(かいでんばし)閘門を訪ねてきました。その存在に気づかされたのは、本当に偶然の産物で、何気ないGoogleマップ上での内水徘徊によるものでした。

まあ、Googleマップで考古学上の発見すらなされる時代、いち加齢者が未知の閘門を“発見”する(元からそこにあるのですから、これもおこがましい話ではあります)くらい、何の不思議もないといえばそうであります。まずはそのそもそもから、訪問を決めるまでのお話です。

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タグ : 北潟湖閘門

11月10日の水路風景…4

(『11月10日の水路風景…3』のつづき)

242016.jpgさて、スカイツリー目指して北十間川を西航したわけですが、いつも似たような写真を載せるのも気づまりなので、一つ変化の記録を。

水路者にとっては“鉄塔世界の門”たる京成橋、金属パネルに養生されて、工事中でした。大型橋でなくとも、スカイツリーとテラスに面したこのエリアの顔の一つ、優先的に補修工事がなされるのもうなずけます。

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帰路、西側をアップで見たところ。足場の桁下高がA.P.で示されているのが面白いですね。水位低下化区間でなく、感潮河川だったら、この時点だと水面下にもぐってしまっている高さです(笑)。

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定番のスカイツリーを見上げた一枚は、おしなり橋の近く、正真正銘の櫓下に至ってからグッと仰いだところを。空気が澄んでいたので、構造の1本1本までディテールもくっきり。

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242020.jpgでまあ、扇橋閘門を通って帰港したわけですが、当然ながら時間の経過とともにさらに潮位は高まっていて、閘程実に2.9m! 惜しい、あとちょっとで3mだったのにいぃ‥‥。

ガンネルに立ってボートフックを構えていると、満水時は余裕で地面が見えるレベル! すでに傾いた秋の陽が、か細く射しこむゲートを眺めながら、嬉しくこの水路行を締めくくったのでありました。
撮影地点のMapion地図

(元年11月10日撮影)

(この項おわり)

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タグ : 北十間川小名木川扇橋閘門閘門江東内部河川水位低下化河川

11月10日の水路風景…3

(『11月10日の水路風景…2』のつづき)

242011.jpg東雲水門のローラーゲート径間‥‥いや、もうセクターゲートは廃止されたのだから、いちいち断らなくていいのか‥‥は、クレーン台船を据えて2径間を閉鎖し、通航は1径間のみ。

しかし、この10年眺めていて、東雲水門は工事をしていない期間の方が、短いんじゃないかと思えるくらい。“江東五大水門”の一角、不断の整備で、備えは万全であってほしいですものね。

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昼食後はスカイツリーを目指して、荒川を遡上。清砂大橋をくぐると、たまたま河川情報板が点灯中。一枚撮ったら、何かの文言を横スクロールしている途中だったらしく、ちょうど「令和元年」の文字が‥‥。

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242014.jpg毎度おなじみ、閘門様を通閘して水位低下化区間へ。午後も引き続き穏やかな晴天に恵まれたとあって、管理橋だけでなく、巻上機室上の回廊も見学の人影がちらほら。あの回廊上からの眺望、本当に爽快なんですよね。

日中の潮位が高い日で、また入った時間帯が午後も遅かったとあって、閘程は2.7mと大きく、四周がみるみる高まってゆく感覚を味わうことができて、もう血が沸くのなんの。毎度同じことで騒いで恐縮ですが、こうもん好きなので如何ともしがたいのであります。


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旧中川を北上し、一路スカイツリーを目指します。江東新橋にさしかかると、おお、8月1日に見たときよりぐっと養生が進んで、何やらウッディー(?)でオシャレ(??)な感じに。

オリンピックを目指してかどうか、最近はどの大型橋梁も補修が盛んに行われていますが、江東新橋もご同様。どんな塗色になるのでしょうか。
撮影地点のMapion地図

(元年11月10日撮影)

(『11月10日の水路風景…4』につづく)

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タグ : 東雲運河荒川旧中川江東内部河川水位低下化河川東雲水門荒川ロックゲート閘門

11月10日の水路風景…2

(『11月10日の水路風景…1』のつづき)

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神田川をさらに下り、昌平橋を前にしたあたりで、行逢船が見えてきました。減速して右に寄せ待っていると、どうやら湾岸署の警備艇のようです。向こうも減速し避航してくれたので、手を振ってすれ違いました。

242007.jpg船名は「いそちどり」。この日は今上の即位の礼の行事の一つ「祝賀御列の儀」が行われ、都心部は結構な警戒ぶりでしたが、河上もそれなりの態勢であろうと、少々身構えていた部分もありました。

ところが、日本橋川・神田川を一巡して、出会った官船はこの警備艇のみ。橋上で待機する機動隊のバスはいくつか見られただけに、ちょっと拍子抜けしたのは正直なところです。

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ふたたび隅田川に出て、浅草へ向かうことにしました。厩橋で観光汽船「アワータウン」を正横に見て一枚。鋭い秋の陽射しが、船体のディテールや橋の構造をくっきり浮き立たせて、何気ないスナップも気持ちのよいものに。

242009.jpgすでに各所で報じられていますが、東武線隅田川橋梁の側面に人道橋を併設する件、すでに工事が始まっているようですね。

美しいトラスの外観が損なわれることもあり、少々複雑な気持であるのですが‥‥。古豪鋼橋を撫でまわせるとあれば、やっぱり嬉々として利用してしまうんだろうなあ。フネブネの写真をものするにも格好の場所になりそうですから、船舶ファンにも朗報といってよいでしょう。

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波もない穏やかさとあって、晴海沖まで出て漂泊しつつしばしの休憩。と、左舷後方からゆっくり、臨港消防署の「すみだ」が現れました。演習を終えて、朝潮運河に帰港するところですね。行き足を抑えゆるゆる進む姿、初めて見るどこかのんびりとした表情。逆光に黒く沈む船体を見送ったのでした。
撮影地点のMapion地図

(元年11月10日撮影)

(『11月10日の水路風景…3』につづく)

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タグ : 神田川隅田川東京港警備艇水上バス消防艇