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英艦「モントローズ」来航!…3

(『英艦「モントローズ」来航!…2』のつづき)

231036.jpg艦橋構造物をほぼ正横から。壁面に取り付けられたさまざまな装備品が、陽光でディテールをくっきり浮かび上がらせています。

「むらさめ」のそれにくらべて、構造物がこじんまりとまとまっている分、装備品の密度が濃い感じがします。しかし、背後に林立するクレーンがどうも‥‥。クレーン群のみで眺めたら、青空に紅白のジブがきれいなのでしょうが。

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目を引いたのが、この煙突に取り付けられた王冠と紋章らしきもの。ハシゴとハンドレール、足場が周りに見えることから、常時掲げているのではなく、今回の入港時のような儀礼的な必要があるときに限って、取り付けられるのかもしれません。

23型フリゲートは、各艦とも公爵家に由来した艦名をつけているそうで(Wikipedia『23型フリゲート』)、下の紋章はモントローズ公爵家の紋章、薔薇であることはわかったのですが、王冠についてはわかりませんでした。しかし、グレー一色の中でよく映えて、デザインも品がよくきれいですね。

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左舷後方から。賑やかな艦橋と前部マスト周りにくらべて、後半はだいぶシンプル。そのせいでヘリコプター格納庫の、上すぼまりなエッジが立った外形が見てとれ、軽快な印象を受けました。

興味を惹かれたのは、船尾周りの開口部がすべて、網状の何かで塞がれていたこと。ヘリ甲板のそれと合わせると、船尾が網だらけといった感じでしたが、何か運用上の理由があるのでしょうね。

231039.jpg少し戻って、先ほどから気になっていた横付け中のバージも少し。

船名は「1×1八洲丸」、真ん中の数字が錆で読めませんね。舷側も汚れて、だいぶくたびれた感じです。ホールドにはシートがかかり、何か荷役をしているわけでもなさそう。船尾側から見てみると‥‥。


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座っていた乗り組みさんがやおら立ち上がり、仁王立ちでにらまれてしまった(笑)。まあ、不審船接近ともなれば、監視せずにはおられますまい。ご心配をおかけしてすみませんでした。

舵の座には発電機が置かれ、右を見ると「モントローズ」との間に、黒い電線かホースのようなものが渡されています。停泊中の電源を供給しているとは考えづらいし、ビルジを抜くホースとしては細過ぎるし‥‥と、こちらも何をしていたのかわからずじまい。

(31年3月9日撮影)

(『英艦「モントローズ」来航!…4』につづく)

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タグ : 春海運河護衛艦軍艦

英艦「モントローズ」来航!…2

(『英艦「モントローズ」来航!…1』のつづき)

231031.jpgこうして不審船がのほほんと眺めている間にも、乗り組みの皆さんはきびきびと立ち働いており、甲板掃除をしたり、ものを運んだりとお忙しそう。何か申しわけないような気持ちになります‥‥。

写真のように、大きなパレットを降ろしている隊員さんも。一般公開の準備もあるのでしょうね。


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さて、「モントローズ」拝見とまいりましょう。艦橋の高さを抑えてあるせいか、重心の低い、しかも引き締まった精悍な印象。陽射しを反射する明灰色の塗装が、英艦らしさを感じさせてよいものです。おや、バージが左舷に着いていますね。これは後ほど見てみることにしましょう。

231033.jpg英艦といえば、興味の注がれるのがマスト周り。6年前の「デアリング」には及びますまいが、こちらも劣らず強烈な印象です。

詳しくないので、造形を愛でるに留まっていますが、例のトゲトゲやヤードの複雑な形、あと、何より目線を吸い寄せられたのは、手前に張り出したプラットフォーム上にゴロリと乗った、うつろな顔の丸坊主‥‥。

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艦首周りをほぼ正横から。緩やかな曲線で構成された艦首や上甲板のライン、無骨な上部構造物とは対照的な、ステルス仕様の砲ケーシングと目線を移しつつ堪能。ううん、艦首舷側にハルナンバーがないのって、やはり寂しい気がして、なかなか慣れません。

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艦橋付近に目を移して、気になったのはウィング直下に2本並んでいたこれ。短魚雷発射管でもなし、何だろうと検索してみたら、Mk.59なるデコイのランチャーなのだそう。

発射されると多面体の風船(?)がボッとふくらんで水面に浮き、低空を突進してくる対艦ミサイルをおびき寄せる働きをするのだとか。なるほど、レーダーリフレクターをおとりにして、ミサイルを逸らせるための兵器なのですね。

(31年3月9日撮影)

(『英艦「モントローズ」来航!…3』につづく)

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タグ : 春海運河護衛艦軍艦

英艦「モントローズ」来航!…1

231026.jpg3月9日土曜日は、晴海埠頭に英艦来航との報を受け、午前中のごく短時間ですが出かけてきました。昼には戻らないといけないので、ちょっと慌ただしかったのですが、いいタイミングでマリーナでの用足しもあったため、早起きして朝の軍艦見物と相成ったのです。

パターンではありますが、東雲運河をデッドフルで気持ちよく飛ばし、エンジンの健康管理を兼ねつつ急行。

231027.jpgいや、朝凪の油を流したように滑らかな水面は、プレーニングしていても爽快でいいものです。豊洲の先端をかわすと、いつものとおり埠頭に横付けするホストシップの護衛艦と、英艦が見えてきました。

‥‥しかし、オリンピック選手村ですか、大きな建物群の工事が急ピッチで進んでおり、沖からの眺めも一変した感が。船を撮っても埋もれてしまいそうですね。

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近づいて減速、堪能モードに。ホストシップは護衛艦「むらさめ」、英艦は23型フリゲート「モントローズ」。こうして英海軍艦艇の来航が相次ぐのを見ると、両国海軍の交流が緊密になってきたのを感じさせます。

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まずは「むらさめ」から。これも毎度のパターンで恐縮ですが、正面から一枚ものしようと微速で航過しつつパシャパシャ。

ああ、きれいにど真ん中がきまらず、わずかにズレてしまった‥‥。影になった左側、右舷のハルナンバーのみ、くっきり浮かび上がっているのが印象的です。岸壁上には、艦名の横断幕が張られた舷梯が渡されているのがわかります。今日は間もなく一般公開されて、両艦とも多くの見学者で賑わうことでしょうね。

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左舷に回って、艦橋周りから艦首を。ゆるやかな波形を描く、上甲板のラインが素敵。しかし、舷側方向から眺めると案の定、クレーン群や足場で囲まれた建物が背景を埋めて、特に大型艦の上部構造物のディテールを観察するには、具合のよくない状態です。

工事が終われば、今よりだいぶすっきりすることと思いますが、バックに建物が連なれば、以前のように心おきなく、というのは望むべくもなくなりそうではあります。慣れたらこれも、一つの変化として楽しめるようになるのかもしれませんが。

(31年3月9日撮影)

(『英艦「モントローズ」来航!…2』につづく)

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タグ : 東雲運河春海運河護衛艦軍艦

2月10日の水路風景…5

(『2月10日の水路風景…4』のつづき)

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隅田川を横断して、月島川に入ろうと月島川水門をくぐって。

改修前は巻上機室、堰柱とも丸みを帯びたデザインで揃えられ、優しげな印象でしたが、今はご覧のとおり補強の筋交が目立ち、巻上機室も角ばったものが載り、一変していかついイメージに。

231022.jpg以前から気になっていた船、「鶴吉丸」。通船‥‥と呼んでよいのでしょうか。

船体は一本ミヨシの和船タイプながら、甲板室、操舵室、船尾のベンチと後付け感がありありとうかがえ、さらに船体はバルジ様の増幅を図ったように見えますね。装載艇? も伏せられていて、「全部載せ」といった賑やかさです。

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「鶴吉丸」の少し先、角材を組んだ桟橋状では、赤い頭のホシハジロ君たちがお出迎え。

平たくツブれてくつろいでいる可愛らしい姿、手前の数羽が一様にこちらを向いて座っていて、どこか審査員のようで微笑ましいものがありました。前を通るフネブネの品評会をしているのでしょうか、よい評価をいただけるように、スロットルを一杯にしぼって、行儀よく通りましょう。

231024.jpg朝潮運河に出てから右へ折れれば、おなじみ臨港消防署。新造船「おおえど」をはじめ、庁舎前にもやう消防船艇の船体色は、いつ見ても鮮やかできれいですね。

オリンピックに備えて急ピッチでビルの建設が進み、晴海埠頭は今や工事たけなわ。臨港署もしばらく落ち着かない日々が続きそうです。

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最後は墨田川造船前を訪ね、艤装中の巡視艇「うみぎり」の進捗を眺めてゆくことに。

12月30日に見てから1ヶ月と11日余り、外見はほとんど変化がないように感じられましたが、きっと内部の工作をされているのだろうと、勝手に解釈。ウォータージェットのノズル周りがこんな間近で見られることは、艤装中を置いて他にないでしょうから、貴重な機会だと思い、接近して堪能させていただきました。

(31年2月10日撮影)

(この項おわり)

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タグ : 月島川朝潮運河東雲北運河月島川水門消防艇巡視艇

上川丸の絵葉書が!

229102.jpg河川舟運近代化の尖兵として、国内に川蒸気船があまたあった中で、唯一レプリカが製作・展示されている北海道は江別の「上川丸」。

多数の川蒸気が就航していた利根川・淀川水系ならともかく、石狩川流域のそれはほんの数隻。確率からいっても、絵葉書があることすら期待できまい、と思っていました。ところが‥‥。
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タグ : 川蒸気船上川丸石狩川絵葉書・古写真