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東京花火大祭の夜に…2

(『東京花火大祭の夜に…1』のつづき)

223006.jpgループ下、といっても、あの輪の中にずっといたわけではありません。錨泊は厳禁でもあるため、漂泊しながらときどき前後進に入れ、周りの艇との間合いを取りながら、ループからつかず離れずたゆたうわけです。

この水域に集まっていた艇は、写真にも写っているようなプレジャーや釣船、観光船など小型船艇が中心で、屋形や多層の甲板を持つチャーター船など中型以上は、むしろ対岸のお台場近くにと棲み分けている模様。あっ、タービン音が聞こえてきた! 来ましたね!

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夕焼けに朱色の船体をさらに赤く染めて、進入してきたのはジェットフォイル「セブンアイランド愛」! 水中翼を跳ね上げ、キーンというタービン音も高らかに間近を航過する姿、ループ下を選んでよかった! と思えた瞬間でした。

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東海汽船のジェットフォイルたちがねぐらとする桟橋は、このループの奥。夕焼け空と街灯りをバックに、一日の勤めを終えて家路を急ぐ姿、絵になるじゃないですか。この一瞬を実見できて、まあ嬉しかったこと。

ちなみに、港湾局(?)のスピーカーからは、これから入港する本船や接岸バースについて、進入禁止水域に入った船艇への注意などが繰り返し放送され、海保や警察の艇も随時指導に走り回るなど、結構な緊張感が。それでも花火大会初体験の身としては、すべてが新鮮で興味深く、怠りなく見張りをしながらも、祭りの前の喧騒が快く感じられたものでした。

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潮が引くように空が暮れはじめ、宵闇が急速に降りてきて、そろそろデジカメ片手撮りも難しくなってくるころ。暗くなる前に一枚ものしておこうと、レインボーブリッジをパチリ。

雷雨が予報された割には、今のところ空に雨雲らしい姿は見えず、花火の開始まではどうやら持ちそう。風も穏やかなのはありがたいですが、べったりと蒸してきました。

223010.jpgすっかり暗くなったころ、左手にもやっていた芝浦通船の曳船の一隻が、突如爆音を高めて、カッ、といった感じで強力なライトを点灯。「タグボートが出まーす! タグボートが出まーす!」と呼びかけつつ、黒煙を吐いて後進離岸。

心得たもので、ライトがついた時点で周囲にいたフネブネはサーッ! と音を立てて水面を空け、まるでモーゼのよう。どうやらキャプテンはベテラン揃いだったようで、見ていて気持ちのよいものでした!

(30年8月11日撮影)

(『東京花火大祭の夜に…3』につづく)

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タグ : 東京港 曳船

東京花火大祭の夜に…1

223001.jpg8月11日はお手伝いで、夕暮れ迫る運河に艇を出しました。お台場で開催される花火大会、「東京花火大祭」の様子を水上から映像におさめるためです。

船から花火を観覧するのは、子供のころ町内会で釣船を借りて両国の花火に出かけて以来で、自艇ではもちろん初めて。お手伝いのお声掛かりがなければ、まず自発的に花火を見にゆくなど、考えもしなかったことでしょう。

東京近郊は、夏ともなれば各地の河川や海浜で花火大会が催され、自艇での花火見物はたやすくできる環境(入域船に制限のある大会もありますが)にもかかわらず、混んでいるところが好きでないのと、生来の面倒臭がりから、未経験のまま過ごしてきました。

夜間は川景色を愛で、また写真に撮るという楽しみ方がほぼできなくなる、といったことも理由の一つではありますが、まあ、あまり関心がなかったというのが正直なところです。しかし、考えてみれば、花火大会(川開き)も、江戸時代からの歴史がある、街場ならではの水辺文化といってよろしいもの。あだやおろかにはできまいと、お手伝いのお話をお受けすることにしたのでした。

223002.jpg話は出発前に戻ります。午後遅くマリーナにおもむき準備をしていたら、数人の若い海上保安官が、在艇オーナーを順繰りに訪ねているのが目に入りました。間なしに我が艇にも来られたので、「ご苦労さまです」とご用向きを伺うことに。

要は「東京花火大祭をプレジャーボートで観覧することは、安全上の観点から自粛してほしい」との啓蒙活動なのですが‥‥。諸注意を伺った後にいただいた、うみまる君を描いた不織布バッグの中には、ペンやウェットティッシュなどうみまる君グッズのほか、なぜか会場周辺の航路や進入禁止水域を示した水路誌が。

つまり、建前としては行ってほしくないけれど、禁止はできないのでこれらの書面をよく読み、諸注意を守って事故は起こさないように、とのご指導と解釈し、配布物をありがたく頂戴することに。

毎年、各花火大会でのプレジャーの事故は耳にしていますから、当局としては頭の痛いところでしょう。業者船艇以外は完全禁止、ということにになったりしないよう、安全面には十二分に気を配りたいところであります。

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不謹慎ではありますが、在艇時に海上保安官の訪問を受けるのは初めてなので、新鮮かつ嬉しい体験でした。

写真は東雲運河、時刻は19時近くで陽はビルの向こうに落ち、夕焼け空に名残りを残すのみ。この日の予報は夜に入って雷雨とあり、実際、午後早くには強いにわか雨にたたられたので、薄手のヤッケを着てずぶぬれ覚悟での出陣。あとはどうか天気が持ちますようにと、祈るばかりです。

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東雲運河を抜けて港内に出たところ。すでに沿岸に灯る明かりが点々と目立ち始め、久々に見る薄暮の水辺風景に、心洗われる思い。港内とて波はそれなりにありますが、風は思ったより穏やか。あとは雨さえ降らなければ‥‥。

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観覧水域として目指したのがここ、レンボーブリッジ西詰のループ下。会場から見ればはるか対岸ですが、航路を阻害せずに漂泊でき、花火を適度な距離で、しかもいい角度で眺められる場所ではあります。

実は出港前、同じくお客様を乗せて花火観覧に向かうベテランH艇長から、「ループ下がいいですよ」とアドバイスを受けていたのでした。ここが安全面だけでなく、趣味的にも実に面白く過ごせるポジションだったことを、この後実感することになります!
撮影地点のMapion地図

(30年8月11日撮影)

(『東京花火大祭の夜に…2』につづく)

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タグ : 砂町運河 東雲運河 東京港