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7月22日の海老取運河

(『進入灯とガット船』のつづき)

221026.jpg京浜運河を出れば、広大な平和島運河の干潟水路。昭和島に沿う形で右へ折れ、瀬を避けてぐるりと迂回し海老取運河へ向かいます。

潮位が高い時間帯とあって、瀬はそのほとんどを水面下に沈めていましたが、わずかな露頂にまあ、もの凄い数の鵜がかゆくなるくらいみっちり!
撮影地点のMapion地図

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221028.jpgおなじみ羽田可動橋を北側から。使われなくなって久しいですが、見たかぎりではよい状態に保たれています。メンテで動かしたりしているのかな。つながっているところ、一度でいいから見てみたいなあ。

可動橋のフェンスにも、鵜さんが何羽か留まっていました。この酷暑とあって、クチバシを半開きにしてハァハァしています。熱中症には気をつけて‥‥。

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羽田水上派出所も一枚撮っておこう。ポンツン桟橋の造りも2隻横付けできるし、水路幅はほどよい狭さで波静か、しかも通航量も割と少ないしで、警備艇の繋留地としては一番好環境かも。

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北前堀の正面あたりには、土運船とユンボ搭載の浚渫船がいました。土運船は「75号千羽丸」。水質維持のためのフェンスを見てみると、河道中央を浚渫しているみたいですね。航路維持は水路徘徊者にとっての慶事、ありがたやありがたや。
撮影地点のMapion地図

(30年7月22日撮影)

(『7月22日の海老取川』につづく)

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タグ : 平和島運河海老取運河水辺の鳥たち羽田水上派出所羽田可動橋

進入灯とガット船

(『7月22日の第二航路』のつづき)

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第一航路を横断して、羽田空港の北、城南島との間の水路へ入りました。ほんの短い水路にも運河名が付けられている都内では珍しい“無銘水路”でもあります。

ここの見どころといえば、やはり空港から伸びる進入灯(航空機の着陸誘導灯)のトラスです。滑走路をバックにした開けた風景の中、アラートオレンジに塗られた桁が水面上に伸びるさま、独特の雰囲気があってよいものです。

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タイミングもよろしく、脚を出した飛行機が轟音とともに頭上をかすめて、飛び去ってゆきました。進入灯前ならではの大迫力、陽光にギラリと反射させる巨体を仰いで、ここを通ってよかったと一人喜ぶおっさん。

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進入灯に軸線を合わせて、まさに着陸せんとする飛行機の緊張感あふれる姿、のん気に眺めているのが申しわけなくなるような、ピリピリとした一瞬。ともあれ、四周さえぎるもののない中で着陸シーンを堪能できる、これも水面ならではの贅ではあります。

221024.jpg戻したスロットルをふたたび倒して前進、京浜運河南端の丁字流を目指して西航。

進行方向右手の城南島には、建材埠頭などがあって、ご覧のように砂を満載した数隻のガット船が見られました。本船としては小粒の彼ら、塗色も形もさまざまでバラエティに富み、眺めていて楽しいものです。


221025.jpg今回最も目線を吸い寄せられ、かつ気に入ったのが、「第八住若丸」の船名を大書きしたこの書体。

ペンキのレタリングですから、墨痕鮮やか‥‥というと語弊がありますが、遠目にも筆運びの強弱を感じさせるような、すぐれたデザインの書体に惹かれたのです。しかも、ブルワークにちまちま、という感じでなく、船名を誇らんばかりに大きく書いてあるのも好ましく思いました。

(30年7月22日撮影)

(『7月22日の海老取運河』につづく)

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タグ : 東京港

7月22日の第二航路

(『7月22日の辰巳埠頭…2』のつづき)

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221017.jpg辰巳埠頭西端から南下し右へ、第二航路へ出ると、鉄鋼埠頭の南端に遠目にも鮮やかな塗装のグラブ式浚渫船が、2隻並んでもやっていました。こちらは1隻目、掲げられた船名は「第六十八愛夢丸」、森崎建設工業のサイトによると2552総t、クレーンの能力は500t吊とのこと。

右写真、甲板上に置かれたグラブの巨大さと、鋭い爪の禍々しさに惹かれてアップで。

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その西側、2隻目は兼子建設の「第十一若栄丸」、415t吊。一見して変わっているなと思ったのは、船尾にはまっている押船が2隻で、しかもずいぶん小さいこと。

同社ウェブサイトによれば、押船は「第12若栄丸」「第13若栄丸」の2隻で、1隻の排水量はわずか19総tというかわいらしいもの。しかし主機の出力は1600PS、2隻合計3200PSと、なりに似合わずさすがに強力ですね。

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浚渫船見物を楽しみながらゆるゆる西航していたら、ほぼ正面から吹き流しと赤旗を掲げた通船が現われ、汽笛を連続吹鳴しながら近づいてきました。船名は「第2たかお」。

「プレジャーボート、停船してくださーい! 左舷につけまーす!」とスピーカーで伝えてきたので待っていると、第二航路は現在、工事水域があって灯標で指定された航路以外、通れないのだそう。よかったら誘導するとのことなので、お言葉に甘えてお世話になることに。パワフルな噴流に翻弄されながら、航跡をたどってゆく楽しいひとときとなりました。

考えてみれば、大型浚渫船が2隻も出張っているのですから、大規模な工事がおこなわれているのは当然で、うかつなことではありました。

帰宅後に検索すると、恐らくこれかな、というものがヒット。「東京港 臨港道路整備事業(南北線)」(PDF・国土交通省 港湾局)‥‥有明のフェリー埠頭から中防へ向けて、もう1本の海底トンネルが建設されるのですね。都港湾局の「東京港の工事 実施状況」には、まだ掲載されていないようです。

221020.jpg左手では、フライブリッジ付きクルーザーが同様に誘導されて西航中。南風で波が立ちやすい中、警戒船のお勤めは厳しいものがあるでしょう、本当にご苦労さまです。

灯標の列を抜けると、「第2たかお」は右へ回頭し離脱したので、大きく手を振ってお別れしました。ありがとうございました!

(30年7月22日撮影)

(『進入灯とガット船』につづく)

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タグ : 東京港浚渫船通船

7月22日の辰巳埠頭…2

(『7月22日の辰巳埠頭…1』のつづき)

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もう一隻は艤装中の巡視艇「いせゆき」でした。進水間もなくから進捗を見ているので、だんだん親しみが湧いてきたなあ。

前回、4月29日の時点では上構は未塗装、マストを組んでいる最中でしたが、塗装も済んでマストの足場も外れ、工事がだいぶ進んだ様子がうかがえます。

221012.jpgこの「いせゆき」、ハルナンバーで数えると、「かがゆき」型巡視艇の実に21番艇、うち9隻が墨田川造船製だそう。

続々と“江戸っ子巡視艇”が産まれるのを、目の当たりにできるのは嬉しいものです。かつて、石川島が豊洲にあったころは“江戸っ子護衛艦”が産まれていた時代もあったんですよね‥‥。

221013.jpg‥‥で、そのまま辰巳埠頭に沿って西航しようと向き直ったら、うひょひょ、正面にクレーン船が!

浮きドックの入渠風景を見られて、間なしにコレとくればまさに連続コンボ状態、テンションも上がろうというものでごわす。スロットルをガツンと倒して、デッドフルで突撃に前へ!


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おお、結構大きいですね。ブルー一色の塗装が、ジブの形にもしっくり来ていて、実にスマートな感じです。舷側に掲げられた船名は「M-58号」、塗装を揃えた随伴の曳船は「万栄丸」、錦海運建設と社名も入っていました。

場所は辰巳埠頭の西端、辰巳運河南口の近くですが、パッと見では何の作業をしているのか、判じかねるものがありました。写真右手、埠頭に接岸した本船と、さほど距離のない水面にワイヤーを入れています。何か沈置でもしているのでしょうか、それにしても本船と近すぎて、妙ですね。

221015.jpg
鉄板をぶつけて造ったような、角張った実にイイ感じの警戒船に誘導されて、左へ避けながら後姿を堪能。こちらも同色の塗装なのがそそります。M-58号の装載艇ぽいですね。

いやしかし、ラティス構造のジブとはまた違った魅力があって、いいですねえ。投錨やワイヤーの取り回しに用いるのでしょう、船尾にデリックが設けられているのも目を引かれました。
撮影地点のMapion地図

(30年7月22日撮影)

(『7月22日の第二航路』につづく)

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タグ : 巡視艇クレーン船曳船

7月22日の辰巳埠頭…1

(『砂町北運河の埋め立て区間を訪ねて』のつづき)

221006.jpg砂町北運河を離れた後は南に下り、曙運河を通って港内へ出ることに。日中潮位の高い日ということもあって、浅瀬の多い多摩川方面へ行ってみよう、と考えたのです。第二航路経由で向かえば、フネブネの姿も楽しめるでしょう。

写真は恒例、曙運河南口の角に沈む廃曳船の観察。4月29日に見たばかりなので、前回とあまり変わりはありませんが‥‥。

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曙運河を出たところといえば、墨田川造船の浮きドックと艤装桟橋(?)も見どころ。おおお、今日は珍しく入渠船がいるぞ!

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すでに7月23日からのタイトルにも掲げた写真で恐縮ですが、きれいにほぼど真ん中から写せたのが嬉しかったので、再掲させてください。この浮きドックを初めて目にしてから長いですが、入渠中のところに出くわすのは、初めてだったような。

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221010.jpg入渠している船は「はましお」。巡視艇ではなく、去る4月25日に就役したばかりの測量船(『新型測量船「はましお」 三管本部に就役海上保安新聞)だそう。

浮きドックの左手には、もう一隻接岸している船艇がいますね。艤装中か、修繕中なのか‥‥こちらもご挨拶してゆきましょう。
撮影地点のMapion地図

(30年7月22日撮影)

(『7月22日の辰巳埠頭…2』につづく)

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タグ : 曙運河巡視船