5月20日の巡視船…2
(『5月20日の巡視船…1』のつづき)
●最微速で近づきながら、「そうや」のディテールを拝見させていただきましょう。
砕氷船としての性能に、巡視船としての速力を求められ、工夫された船形と聞いています。なるほど近くで眺めてみると、まろやかさとシャープさを併せ持ったような船体のラインが実感でき、他のヘリ巡視船と一味違った存在であることを再認識したのでした。

●40㎜単装機銃をアップで。銃身の左右に見える、蜘蛛の巣型の環形照準器がグッときます。
「そうや」は7年前に大規模な延命工事を終え、オーバーホールや装備の追加を行い若返ったそうですが、兵装は更新されなかったのですね。氷海で活躍する本船ですから、機側操作の機銃はツラそうではあります。いや、むしろ遠隔操作タイプにすると極低温で故障の恐れがあり、旧来の武器がよしとされたとか、何か理由があるのかしら?

●やはり押さえておきたい「PLH01」のハルナンバー! 栄えある新造ヘリ巡視船、第一号の証しであります。ちなみに南極観測船を務めた先代「宗谷」はPL107。

●船橋周り、煙突直前に張り出した減揺水槽が目を引きますね。マストは自衛艦にくらべてセンサーのたぐいが少ないせいか、こじんまりと重心の低い印象です。
船尾の曲面がまた、ハートわしづかまれるものがありました。後続船の「つがる」ほかが採用した、四角いトランサムとは対極の、撫でまわしたくなるようなクルーザー・スターン! 高速と砕氷性能を両立させた数ある工夫の一つが、この形だったと聞いています。
(30年5月20日撮影)
(『5月20日の巡視船…3』につづく)

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砕氷船としての性能に、巡視船としての速力を求められ、工夫された船形と聞いています。なるほど近くで眺めてみると、まろやかさとシャープさを併せ持ったような船体のラインが実感でき、他のヘリ巡視船と一味違った存在であることを再認識したのでした。

●40㎜単装機銃をアップで。銃身の左右に見える、蜘蛛の巣型の環形照準器がグッときます。
「そうや」は7年前に大規模な延命工事を終え、オーバーホールや装備の追加を行い若返ったそうですが、兵装は更新されなかったのですね。氷海で活躍する本船ですから、機側操作の機銃はツラそうではあります。いや、むしろ遠隔操作タイプにすると極低温で故障の恐れがあり、旧来の武器がよしとされたとか、何か理由があるのかしら?

●やはり押さえておきたい「PLH01」のハルナンバー! 栄えある新造ヘリ巡視船、第一号の証しであります。ちなみに南極観測船を務めた先代「宗谷」はPL107。


船尾の曲面がまた、ハートわしづかまれるものがありました。後続船の「つがる」ほかが採用した、四角いトランサムとは対極の、撫でまわしたくなるようなクルーザー・スターン! 高速と砕氷性能を両立させた数ある工夫の一つが、この形だったと聞いています。
(30年5月20日撮影)
(『5月20日の巡視船…3』につづく)

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5月20日の巡視船…1

ちぎれ雲がたくさん浮かんだ青空を見上げつつ出航。写真は砂町運河と曙運河の十字流。護岸とテラスの工事でしょうか、杭打船が並んでいます。

東雲運河に入ると、ほかに船影のないのを確かめてから、スロットルを一杯に倒しデッドフルに。急がないと、陽射しの下で巡視船を拝めそうにありません。到着するまで、どうか持ちますように‥‥。

●全速のまま港内に出て豊洲の突端をかわし、晴海埠頭を遠望したところで‥‥何とか間に合いました! 「そうや」、ヘリ巡視船の最年長で、01のハルナンバーも誇らしげですね。
すでに雲は濃く、一刻の猶予もなさそうだったので、飛ばしながらズームで連写したものの一枚。白い船体色はやはり、陽射しの下で見たいものです。

●近づいたところでようやく減速、先頭から「そうや」、「やしま」、「だいせん」の3隻が居並んだところを。いずれも大型のヘリ巡視船で、もの凄くトクをした気分!
みるみるうちに雲はすき間を狭め、いちばん奥、「だいせん」のいるあたりはすでに暗く陰っていますね。後少し、持ってくれればいいのですが。

●まずはお近づきのご挨拶と、「そうや」の前を最微速で航過しながら、真正面のいいお顔を。
観閲式を前にお化粧直ししたのか、舷側の塗色も美しく、30年超のPLH最古参とは思えないほど。船首水線近くに僅かな段差が見えるのは、砕氷時の乗り上げを考えての補強でしょうか。
【撮影地点のMapion地図】
(30年5月20日撮影)
(『5月20日の巡視船…2』につづく)

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夕暮れの「富士」
(『新造消防艇「おおえど」拝見』のつづき)

●4月29日のスナップを、落穂拾い的にいくつか。おなじみ豊洲貯木場跡のコンクリート柵、すでに冬の水鳥は姿を消しましたが、夏鳥といってよい面々が思い思いに羽を休めていました。
鵜の黒々とした姿が幅をきかせる中で、一羽のみ目立っていたのがアオサギ君。首を高くもたげて、風に抗し立つ姿は凛とした魅力がありました。

●これも何度か紹介した、曙運河南口にある墨田川造船の浮きドック。この角度から眺めると、床に置かれた盤木や側面中段のランボードなど、内部のディテールがよく観察できて、そそるものが。入渠したくなりますねえ!
●砂町運河では、久しぶりに海上保安庁の複合艇と反航。手を振ると、乗り組みさんがいっせいに手を振りかえしてくれました。
たまにこのあたりの運河で複合艇を見かけるのは、なぜでしょう。墨田川造船で建造中の巡視艇から、装載艇をトライアルに出してくるのかな?(少しはぐぐれと)

●艇の清掃を終えてマリーナを出た後、ふと思い立って、船の科学館前に足を向けてみました。クレーン船「富士」の陸側から見た姿を、撮っておきたくなったのです。
夕凪も終わって風はふたたび強まり、ジブやワイヤーがビュウビュウとなる音が聞こえてくる中、暮れなずむ港内をバックにそびえる巨体を一枚。
●風に吹かれつつ眺めるうち、甲板上や曳船のブリッジにポツポツとライトが灯り、宵の雰囲気満点です。
今回設置した桟橋ジャケットでしょうか、「13号地進客船ふ頭 ジャケットB」と横断幕が掲げられているのが見えました。
【撮影地点のMapion地図】
(30年4月29日撮影)
(この項おわり)

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●4月29日のスナップを、落穂拾い的にいくつか。おなじみ豊洲貯木場跡のコンクリート柵、すでに冬の水鳥は姿を消しましたが、夏鳥といってよい面々が思い思いに羽を休めていました。
鵜の黒々とした姿が幅をきかせる中で、一羽のみ目立っていたのがアオサギ君。首を高くもたげて、風に抗し立つ姿は凛とした魅力がありました。

●これも何度か紹介した、曙運河南口にある墨田川造船の浮きドック。この角度から眺めると、床に置かれた盤木や側面中段のランボードなど、内部のディテールがよく観察できて、そそるものが。入渠したくなりますねえ!

たまにこのあたりの運河で複合艇を見かけるのは、なぜでしょう。墨田川造船で建造中の巡視艇から、装載艇をトライアルに出してくるのかな?(少しはぐぐれと)

●艇の清掃を終えてマリーナを出た後、ふと思い立って、船の科学館前に足を向けてみました。クレーン船「富士」の陸側から見た姿を、撮っておきたくなったのです。
夕凪も終わって風はふたたび強まり、ジブやワイヤーがビュウビュウとなる音が聞こえてくる中、暮れなずむ港内をバックにそびえる巨体を一枚。

今回設置した桟橋ジャケットでしょうか、「13号地進客船ふ頭 ジャケットB」と横断幕が掲げられているのが見えました。
【撮影地点のMapion地図】
(30年4月29日撮影)
(この項おわり)

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新造消防艇「おおえど」拝見
(『「ぱしふぃっくびいなす」を追っていったら…2』のつづき)

●朝潮運河は臨港消防署を訪ねたのは、4月24日にお披露目があったばかりの新造艇「おおえど」をぜひ見てみたかったからです(PDF『大型消防救助艇「おおえど」就航式の挙行について』参照)。
おお、いましたいました! ご存知のように、臨港署初の曳船型消防艇。ぐっと反った舷側のライン、幅広なスターンの形状はまさに曳船そのもの。198総t、新潟造船の建造だそう。

●さらに近づいて。いや~、新造艇はよいものです。
船橋直後に折りたたまれた白いジブは、クレーンかと思ったらさにあらず。先のPDFによれば、「大型船の緊急脱出口に隊員を進入させるためのバスケット付の屈折式放水塔体」‥‥おお、消防車では結構見られたあれ! 消防艇では画期的ではないでしょうか。「消防救助艇」を名乗るだけあって、放水だけでなく、隊員さんの積極的な移乗も考えられているのですね。

●左舷前方からいいお顔を‥‥と思ったのですが、逆光気味で船体の朱がいま一つ映えません。それでも船橋周りの造作、諸艤装の配置に興味津々で眺めまわします。前傾したフロントグラスが精悍な感じ。
「屈折式放水塔体」を引っ提げて、港の護りについた全く新しいタイプの消防艇「おおえど」、幸運にも就役直後の姿を見ることができて、頼もしく思ったことではありました。ご活躍とご安航をお祈りします。
●「おおえど」と別れた後は、朝潮水門を通って北上。環状2号線・黎明大橋の架橋によって、スイングゲートである意味は失われてしまいましたが、しっかりと整備されて状態は良好。都内では数少ないスイングゲートの命脈は、まだ当分保たれそうです。
水門と橋を通ってさて、ちょっと‥‥イヤ、大いに残念な光景が目の前に。
●月島倉庫もいよいよ取り壊しですか‥‥嗚呼。開発著しい朝潮運河畔で、今やほぼ唯一の水運系建造物となっていたこれも、ついにお別れのときが来たようです。
古風な石垣護岸とともに、運河上に突き出されたテルファーを有するその姿は、艀荷役時代を髣髴させる風格がありました。以前の姿は、26年4月29日からのタイトル画像でどうぞ。
【撮影地点のMapion地図】
(30年4月29日撮影)
(『夕暮れの「富士」』につづく)

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●朝潮運河は臨港消防署を訪ねたのは、4月24日にお披露目があったばかりの新造艇「おおえど」をぜひ見てみたかったからです(PDF『大型消防救助艇「おおえど」就航式の挙行について』参照)。
おお、いましたいました! ご存知のように、臨港署初の曳船型消防艇。ぐっと反った舷側のライン、幅広なスターンの形状はまさに曳船そのもの。198総t、新潟造船の建造だそう。

●さらに近づいて。いや~、新造艇はよいものです。
船橋直後に折りたたまれた白いジブは、クレーンかと思ったらさにあらず。先のPDFによれば、「大型船の緊急脱出口に隊員を進入させるためのバスケット付の屈折式放水塔体」‥‥おお、消防車では結構見られたあれ! 消防艇では画期的ではないでしょうか。「消防救助艇」を名乗るだけあって、放水だけでなく、隊員さんの積極的な移乗も考えられているのですね。

●左舷前方からいいお顔を‥‥と思ったのですが、逆光気味で船体の朱がいま一つ映えません。それでも船橋周りの造作、諸艤装の配置に興味津々で眺めまわします。前傾したフロントグラスが精悍な感じ。
「屈折式放水塔体」を引っ提げて、港の護りについた全く新しいタイプの消防艇「おおえど」、幸運にも就役直後の姿を見ることができて、頼もしく思ったことではありました。ご活躍とご安航をお祈りします。

水門と橋を通ってさて、ちょっと‥‥イヤ、大いに残念な光景が目の前に。

古風な石垣護岸とともに、運河上に突き出されたテルファーを有するその姿は、艀荷役時代を髣髴させる風格がありました。以前の姿は、26年4月29日からのタイトル画像でどうぞ。
【撮影地点のMapion地図】
(30年4月29日撮影)
(『夕暮れの「富士」』につづく)

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「ぱしふぃっくびいなす」を追っていったら…2
(『「ぱしふぃっくびいなす」を追っていったら…1』のつづき)
●「ぱしふぃっくびいなす」の航跡をかわり、左舷側に出たところで‥‥あっ、あれは!
瞬時にただならぬ事態(?)を悟って、取るものもとりあえずスロットルを思いきり倒し、デッドフル! クレーン船同様、こちらもめったに見られるものではありません。近づくまで、終わらないでいてくれと念じながらすっ飛ばします。

●消防艇「みやこどり」の放水です! 一隻であることから、単なる演習ではなく「ぱしふぃっくびいなす」の歓迎放水の可能性が大きいのではと直感し、あわてて飛ばしてきたというわけ。

●前部と船橋上の放水銃、6本をフルに使っての放水は大迫力。濡れた船首舷側がつやを帯びて光っています。
風がほぼ南からきていることを考えると、しぶきが結構な距離まで飛んできて、不用意に近づけばびしょ濡れになるでしょう。間合いを取るにしくはありません。
●逆光になってしまいましたが、「ぱしふぃっくびいなす」とのツーショットも。何分向かい風が少し強いこととて、放水がきれいにカーブを描かず、風で砕けて「みやこどり」が霧に包まれたようになっていました。
しかし、臨港消防署にこういったサービス(と呼んでいいかどうか、わかりませんが)があるとは、まったく知りませんでした。

●「みやこどり」は放水しながらそのまま直進、「ぱしふぃっくびいなす」と離れてから行き足をゆるめ、放水を終えました。まだ艇の周囲には霧がかかっており、船首ブルワークの後ろからは水が流れ出ているのがわかります。「ひと仕事終えた」といった感じがしますね。
いや、「ぱしふぃっくびいなす」を何とはなしに追っていただけで、普段見られないシーンに恵まれ、楽しめました。次は消防艇つながりで、朝潮運河に入ってみましょう。
(30年4月29日撮影)
(『新造消防艇「おおえど」拝見』につづく)

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瞬時にただならぬ事態(?)を悟って、取るものもとりあえずスロットルを思いきり倒し、デッドフル! クレーン船同様、こちらもめったに見られるものではありません。近づくまで、終わらないでいてくれと念じながらすっ飛ばします。

●消防艇「みやこどり」の放水です! 一隻であることから、単なる演習ではなく「ぱしふぃっくびいなす」の歓迎放水の可能性が大きいのではと直感し、あわてて飛ばしてきたというわけ。

●前部と船橋上の放水銃、6本をフルに使っての放水は大迫力。濡れた船首舷側がつやを帯びて光っています。
風がほぼ南からきていることを考えると、しぶきが結構な距離まで飛んできて、不用意に近づけばびしょ濡れになるでしょう。間合いを取るにしくはありません。

しかし、臨港消防署にこういったサービス(と呼んでいいかどうか、わかりませんが)があるとは、まったく知りませんでした。

●「みやこどり」は放水しながらそのまま直進、「ぱしふぃっくびいなす」と離れてから行き足をゆるめ、放水を終えました。まだ艇の周囲には霧がかかっており、船首ブルワークの後ろからは水が流れ出ているのがわかります。「ひと仕事終えた」といった感じがしますね。
いや、「ぱしふぃっくびいなす」を何とはなしに追っていただけで、普段見られないシーンに恵まれ、楽しめました。次は消防艇つながりで、朝潮運河に入ってみましょう。
(30年4月29日撮影)
(『新造消防艇「おおえど」拝見』につづく)

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