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新砂水門を俯瞰する…3

(『新砂水門を俯瞰する…2』のつづき)

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クルーザーが狭窄部を抜けたところで、ようやく、やっと最初に目指していたものを眺め始めたというていたらく。ズームでたぐり改めて観察してみると、鋼矢板で囲まれ、水を抜かれた現場がひときわ存在感を放つ角度ではあります。水門の正面に立ち塞がるような格好というのも、インパクトを増しているのでしょう。

左側の護岸上には、大型のクレーンが2基、現場にジブをもたげて在り、鋼矢板上に設けられた足場にも、数台の重機など車輌が見えますね。

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現場をアップで。向こう側、水門の対面には浚渫船が1隻、囲壁に横付けしています。望の大潮を2日後に控えているとあって、ちょうど写真を撮ったころが満潮時、推算潮位は191㎝。吹き寄せやちょっと高い引き波があれば、易々と水がなだれ込みそうなギリギリ感! もちろんポンプは、十分な能力が備わっているのでしょうが‥‥。

新しい新砂水門が建設される?」でも、国土地理院の空中写真で紹介しましたが、現新砂水門の建設時も、ほぼ同様の工法で基礎工事を行っていたわけです。現水門の竣工から40年余りを経て、新水門の工事をリアルタイムで目にできること、馴染みの水門ということも手伝い、興味も一段とそそられるというものです。

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新砂水門を初通航した20ン年前‥‥そのどっしりとした、巌のごとき風貌に、まさか引退する日が来るとは想像もしていませんでしたが、彼も形あるもの、船頭同様、よわいを確実に重ねていたのであります。数年後には、この水門風景も過去のものになるんだなあ。

208014.jpgさて、暑い中せっかく訪ねたこともあり、水門以外も物見高く見物してから帰りましょう。高欄の外側に身を乗り出すと、何ていうんでしょう、傘をかむった二段のランプケースが。火屋の黄色がそのまま灯火の色なら、橋脚の位置を示す標識灯、「橋脚灯」と思われます(海上保安庁作成のPDF『航路標識の基本ルール』16ページに詳しく載っています)。

この灯火は海上橋梁に設けられるもので、河川のそれには設置義務はないはずですから、荒川河口橋は海に架かる橋として扱われていることになります。本船航路、すなわち砂町運河に出入りするガット船が通る橋なので、このやり方もうなずけますね。


208015.jpgのぞき込んでみると、腹がスースーするようなはるか下に、錆色の防護工が見えました。コレ、艇から間近に眺めると、何かとぶつかってひしゃげた様子が、いかにも恐ろしげなんですよね。

最近の大型橋梁で、これを設ける例は珍しいと思いますが、やはり輻輳水域であり、何より本船の通航があることから、対船舶という意味で、特に設けられたのでしょうか。

(29年8月6日撮影)

(この項おわり)

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タグ : 荒川砂町運河新砂水門