南前堀が!…3
(『南前堀が!…2』のつづき)

●繋留船列を抜けてようやく、周りを眺める余裕ができました。合わせ鏡をしたときのように、無限に続くと錯覚しそうな列柱回廊! お久しぶり、そしてお変わりなく。
いや、護岸は新しくなり、フェンスは撤去されたのですから、高架はそのままでも、水路としては大きな変化があったことになります。その護岸も、すぐ前方で途切れているのが見えたので、整備はまだ半ばといったところなのでしょう。
●ふと桁裏を見上げると、真ん中に3本並行して吊り下げられた配管の上に、何やら鳥の巣らしいものがモシャッと乗っているのを発見。
帰りにももう一度よく見てみたら、枝か草と思えた巣の材料、クリーニング屋さんでもらう針金ハンガーなんですね! 大きさからしてカラスの巣でしょうか。雨風も暑熱も防ぐ桁裏、子育ての場所としては絶好だったでしょう。
●護岸が途切れたところを振り返って。旧来のコンクリート護岸はそのまま、堤防高を高めた新護岸を、河道を狭めて造ったことがわかります。
よく見る基礎護岸とは、ちょっと違った高めの段差をあつらえているところから見ると、地元艇の繋留や、接岸しての乗り降りも考えているのでしょうか。

●新護岸が途切れたところで、不法繋留阻止のフェンスも復活。前回訪問時とそう変わらない眺めになりました。前回は、フェンスを横断して沈している艇がいたりして、ちょっと荒れた雰囲気でしたが、工事の際に撤去されたのでしょう、さっぱりと片付いていました。
薄暗くなってしまうけれど、うっそうと茂る木々が枝を差し掛けた、ちょっと放置感のある高架下水路も、悪くないですねえ。いずれ再訪するときにはここも、きれいになってしまうでしょうから、よく見ておこう。

●前回(『南前堀…2』参照)も意識を吸引された、「係船禁止」ステッカー。今回も変わらず橋脚全てに貼ってあって、たたみかけてきたのですが、北側、陽が当たる場所の劣化がさらに進行しており、剥離でもはや読めない状態のものまで。
橋名にせよ(『曙北運河の浚渫工事』参照)、注意書きにせよ、屋外の構造物にステッカーを使い続けるなら、さらなる材質の改良が望まれるところでありましょう。
(29年8月13日撮影)
(『南前堀が!…4』につづく)

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●繋留船列を抜けてようやく、周りを眺める余裕ができました。合わせ鏡をしたときのように、無限に続くと錯覚しそうな列柱回廊! お久しぶり、そしてお変わりなく。
いや、護岸は新しくなり、フェンスは撤去されたのですから、高架はそのままでも、水路としては大きな変化があったことになります。その護岸も、すぐ前方で途切れているのが見えたので、整備はまだ半ばといったところなのでしょう。

帰りにももう一度よく見てみたら、枝か草と思えた巣の材料、クリーニング屋さんでもらう針金ハンガーなんですね! 大きさからしてカラスの巣でしょうか。雨風も暑熱も防ぐ桁裏、子育ての場所としては絶好だったでしょう。

よく見る基礎護岸とは、ちょっと違った高めの段差をあつらえているところから見ると、地元艇の繋留や、接岸しての乗り降りも考えているのでしょうか。

●新護岸が途切れたところで、不法繋留阻止のフェンスも復活。前回訪問時とそう変わらない眺めになりました。前回は、フェンスを横断して沈している艇がいたりして、ちょっと荒れた雰囲気でしたが、工事の際に撤去されたのでしょう、さっぱりと片付いていました。
薄暗くなってしまうけれど、うっそうと茂る木々が枝を差し掛けた、ちょっと放置感のある高架下水路も、悪くないですねえ。いずれ再訪するときにはここも、きれいになってしまうでしょうから、よく見ておこう。

●前回(『南前堀…2』参照)も意識を吸引された、「係船禁止」ステッカー。今回も変わらず橋脚全てに貼ってあって、たたみかけてきたのですが、北側、陽が当たる場所の劣化がさらに進行しており、剥離でもはや読めない状態のものまで。
橋名にせよ(『曙北運河の浚渫工事』参照)、注意書きにせよ、屋外の構造物にステッカーを使い続けるなら、さらなる材質の改良が望まれるところでありましょう。
(29年8月13日撮影)
(『南前堀が!…4』につづく)

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南前堀が!…2
(『南前堀が!…1』のつづき)
●入ってまず、以前と様子が違ったのは、左手の護岸に繋留船がいたこと。がっしりしたハシゴと、護岸上にはなぜかパトランプまで備えられています。
水門は南前堀の軸線方向に対して、上流側(右)に振った形で斜めに設けられているので、スターンがかわるまで針路そのまま。直後面舵に切って、さて奥の様子をうかがってみると‥‥。

●橋脚に沿って設けられていた、不法繋留阻止のフェンスは取り去られ、水面はだいぶ広々とした印象に。護岸も新しくなったこともあり、以前より明るい感じになりましたね。
右手にはポンツン桟橋が新設され、すでに繋留船も見えます。近隣の水路でも徐々に進められていた、暫定繋留施設の整備がここにも及んだのでしょうか。

●さて針路を軸線に合わせ、久々の千本鳥居状態を堪能‥‥と思ったら、橋脚の内側にも何隻か繋留船が。以前は最奥部に集中していた地元の艇が、繋留施設の整備にともなって、こちらに移動してきたということでしょうか。
‥‥イヤそれはともかくですよ、あの2隻の間、すごく狭くないか? 左手は橋脚の内側にもやっており、右手も桟橋+2隻メザシ。う~ん。いったんニュートラルにして様子をうかがい、全フェンダーレッコー、ボートフック構えと、万全の態勢で前進微速!

●うわ狭いせまい手荒く狭いですわこりゃ
往路はとても余裕がなかったので、帰りに撮ったものですが、数あるすり抜けの中でも新記録かも。入っていきなり試練を突きつけるとは、イヤ、厳しいですなあ南前堀!
●大急ぎでつけ加えておくと、往復とも繋留船に触れさせることもなく、無事すり抜けを完遂いたしましたです。公有水面(ですよね?)とはいえ、お他人様のお庭先、いち遊びブネがご迷惑をかけるようなことがあってはなりません。
右は最狭窄部を抜けて振り返ったところ。地元艇もここをバックで抜けるとなると、大変そうではありますね。
【撮影地点のMapion地図】
(29年8月13日撮影)
(『南前堀が!…3』につづく)

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水門は南前堀の軸線方向に対して、上流側(右)に振った形で斜めに設けられているので、スターンがかわるまで針路そのまま。直後面舵に切って、さて奥の様子をうかがってみると‥‥。

●橋脚に沿って設けられていた、不法繋留阻止のフェンスは取り去られ、水面はだいぶ広々とした印象に。護岸も新しくなったこともあり、以前より明るい感じになりましたね。
右手にはポンツン桟橋が新設され、すでに繋留船も見えます。近隣の水路でも徐々に進められていた、暫定繋留施設の整備がここにも及んだのでしょうか。

●さて針路を軸線に合わせ、久々の千本鳥居状態を堪能‥‥と思ったら、橋脚の内側にも何隻か繋留船が。以前は最奥部に集中していた地元の艇が、繋留施設の整備にともなって、こちらに移動してきたということでしょうか。
‥‥イヤそれはともかくですよ、あの2隻の間、すごく狭くないか? 左手は橋脚の内側にもやっており、右手も桟橋+2隻メザシ。う~ん。いったんニュートラルにして様子をうかがい、全フェンダーレッコー、ボートフック構えと、万全の態勢で前進微速!

●うわ狭いせまい手荒く狭いですわこりゃ
往路はとても余裕がなかったので、帰りに撮ったものですが、数あるすり抜けの中でも新記録かも。入っていきなり試練を突きつけるとは、イヤ、厳しいですなあ南前堀!

右は最狭窄部を抜けて振り返ったところ。地元艇もここをバックで抜けるとなると、大変そうではありますね。
【撮影地点のMapion地図】
(29年8月13日撮影)
(『南前堀が!…3』につづく)

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南前堀が!…1
(『8月13日の東電堀』のつづき)
●京浜運河に入って一路南下、ガスミオ運河が西に接続する十字流、赤い桁の京和橋を望むところまで来ました。
この向こう、平和島運河の一部でもある干潟水路で澪筋をたどっていると、左舷前方上空から時ならぬタービン音が‥‥。旅客機とは違う挙動に思わず注視していると、おお!

●海上保安庁のシュペルピューマが! 頭上低く左旋回しながら、基地に降りてゆく迫力ある姿! 上手くとらえることができてニンマリ。
●名物・羽田可動橋もご機嫌麗しく。雲が多い日だったので、暗く撮れてしまうものが多かった中、まれに陽が射して、このように清々しい川景色になるときも。
この間、道々見たものについてはひとまず置いておいて、相変わらずのこらえ性のなさから、本日の目的地について先にやらせていただきます。21年12月13日以来、実に8年ぶりの再訪となった水路、それは‥‥。

●都内最南端の高架下水路、南前堀! しばらく工事中で、中に入ったはいいものの、転回できなくて出られなくなったら大変と、進入を控えていたのです。
といっても、「南前堀は工事中?」でこわごわのぞき込んだのが3年前。もういいかげん竣工しているでしょうと、南前堀水門に近づいて奥をうかがうと、どうやら中も落ち着いた様子。では久々に、いってみましょうか!

●勢い込んだ書き方をしてはいますが、右手のテラスにはえらい人数の釣り人さんがおられましてね‥‥。神妙な面持ちで左に大回りしながら、針路径間中央へ。
おお、コンクリートの色も真新しい、立派な護岸が見えますね。ん? 左手、繋留船があるのか?
【撮影地点のMapion地図】
(29年8月13日撮影)
(『南前堀が!…2』につづく)

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この向こう、平和島運河の一部でもある干潟水路で澪筋をたどっていると、左舷前方上空から時ならぬタービン音が‥‥。旅客機とは違う挙動に思わず注視していると、おお!

●海上保安庁のシュペルピューマが! 頭上低く左旋回しながら、基地に降りてゆく迫力ある姿! 上手くとらえることができてニンマリ。

この間、道々見たものについてはひとまず置いておいて、相変わらずのこらえ性のなさから、本日の目的地について先にやらせていただきます。21年12月13日以来、実に8年ぶりの再訪となった水路、それは‥‥。

●都内最南端の高架下水路、南前堀! しばらく工事中で、中に入ったはいいものの、転回できなくて出られなくなったら大変と、進入を控えていたのです。
といっても、「南前堀は工事中?」でこわごわのぞき込んだのが3年前。もういいかげん竣工しているでしょうと、南前堀水門に近づいて奥をうかがうと、どうやら中も落ち着いた様子。では久々に、いってみましょうか!

●勢い込んだ書き方をしてはいますが、右手のテラスにはえらい人数の釣り人さんがおられましてね‥‥。神妙な面持ちで左に大回りしながら、針路径間中央へ。
おお、コンクリートの色も真新しい、立派な護岸が見えますね。ん? 左手、繋留船があるのか?
【撮影地点のMapion地図】
(29年8月13日撮影)
(『南前堀が!…2』につづく)

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8月13日の東電堀
(『8月13日の東雲水門…2』のつづき)

●東雲水門を出て、港内に向かってすぐ右手にある水路、東電堀に寄り道してみましょう。いや、今シレッと「東電堀」と書きましたが、認識したのは割と最近で、旧水上警察署発行の「東京都河川図」を見直してから。この水路を指した矢印付きで小さく「通称『東電堀』」とあったからです。
正式には東雲運河の一部なのでしょうが、かつて豊洲6丁目側に隣接していた、東電の火力発電所にちなんでの通称であることは理解できました。周囲は今やすっかり再開発し尽され、昔をしのぶよすがなど片鱗もないように見えます。どっこい、ほんの少しだけ残っていました。今までほとんど関心を払っていなかったので、お詫びがてらご挨拶しようと面舵。
●上の写真のように、キレイに整備された芝生の法面をバックに、水際の桟橋だけが、忘れ去られたように放置されているのです。鋼材の脚にコンクリートスラブを載せた構造で、劣化したフェンダー、白い鋳鉄のビットが並ぶさまは、いかにも数十年の星霜を感じさせます。
入口からしばらくすると桟橋は終わり、ツライチのまま岸壁に移行。それも途切れると、少し凹んだ形で、下の写真のような岸壁が奥部まで続いて終わります。

●こちらは見たかぎり、入口近くの桟橋より世代が古そうですね。現状を紹介するにとどめますが、都の臨港線がここまで来ていたころや、艀荷役華やかなりし時代を想像させるものがあります。
【撮影地点のMapion地図】

●もう一つ間近で見ておきたかったのが、以前も触れた水陸両用バスのスロープ。「【速報】豊洲ぐるり公園、7/7(金)朝7時よりオープン!釣りが可能か調べてみた」(とよすと)によると、ちゃんと名前があり、「豊洲五丁目スロープ」とのこと。航路標識、吹き流しも備えられ、周囲はテラス化されて「豊洲ぐるり公園」の一部となっているそうです。
魚探の感をのぞいてみると、底状はおおむね平坦で、10:30の推算潮位A.P.+1.5mで、5mの水深がありました。さすが元艀船運河、これなら喫水の深い水陸両用バスも安心ですね。
(29年8月13日撮影)
(『南前堀が!…1』につづく)

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●東雲水門を出て、港内に向かってすぐ右手にある水路、東電堀に寄り道してみましょう。いや、今シレッと「東電堀」と書きましたが、認識したのは割と最近で、旧水上警察署発行の「東京都河川図」を見直してから。この水路を指した矢印付きで小さく「通称『東電堀』」とあったからです。
正式には東雲運河の一部なのでしょうが、かつて豊洲6丁目側に隣接していた、東電の火力発電所にちなんでの通称であることは理解できました。周囲は今やすっかり再開発し尽され、昔をしのぶよすがなど片鱗もないように見えます。どっこい、ほんの少しだけ残っていました。今までほとんど関心を払っていなかったので、お詫びがてらご挨拶しようと面舵。

入口からしばらくすると桟橋は終わり、ツライチのまま岸壁に移行。それも途切れると、少し凹んだ形で、下の写真のような岸壁が奥部まで続いて終わります。

●こちらは見たかぎり、入口近くの桟橋より世代が古そうですね。現状を紹介するにとどめますが、都の臨港線がここまで来ていたころや、艀荷役華やかなりし時代を想像させるものがあります。
【撮影地点のMapion地図】


魚探の感をのぞいてみると、底状はおおむね平坦で、10:30の推算潮位A.P.+1.5mで、5mの水深がありました。さすが元艀船運河、これなら喫水の深い水陸両用バスも安心ですね。
(29年8月13日撮影)
(『南前堀が!…1』につづく)

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8月13日の東雲水門…2
(『8月13日の東雲水門…1』のつづき)
●ローラーゲート径間をくぐった直後、ほぼ真横から。閉塞された部分の壁を間近に眺めてみたかったのですが、ここからは難しそうですね。しかし、柵越しでもその質量は伝わってきます。
手前側、小さい方の操作室の横には、工事の都合でしょう、後付けで階段が設けられていました。

●監視カメラ、電光掲示板の架台、信号はそのままです。もっとも電光掲示板、信号とも通電はもうしていないようですから、間なしに撤去されるのでしょう。

●通航していたときと同じように、真正面から眺めてみたくなり、大きく舵を切って船尾から。ゲート以外の設備はそのままということもあり、閉塞された部分の壁の存在感はやはり凄いものが。
「汽船用」の看板とももうお別れ、と思っていたら、当座は残されていますね。他の設備ともいずれきれいに撤去され、フラットにされてしまうでしょうから、やはり再訪しておいてよかった。「汽船用」の看板、ちょっと欲しいなあ‥‥。

●ローラーゲート径間と一緒に。ゲート形式の違う一径間だけ埋めてしまう、というやり方って、他に前例はあるのでしょうか。少なくとも自分的には初見で、寂しく思いながらも、興味をそそられるものがありました。
しばらく漂いながら眺めていたら、爆音とともにPWCのフリートが駆け抜けてゆきました。十年一日のごとくそこに在るようでいて、大きく変化することもある水門風景、その瞬間に水路上から立ち会えたのは、ある種幸運だったのかもしれません。
【撮影地点のMapion地図】
(29年8月13日撮影)
(『8月13日の東電堀』につづく)

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手前側、小さい方の操作室の横には、工事の都合でしょう、後付けで階段が設けられていました。

●監視カメラ、電光掲示板の架台、信号はそのままです。もっとも電光掲示板、信号とも通電はもうしていないようですから、間なしに撤去されるのでしょう。

●通航していたときと同じように、真正面から眺めてみたくなり、大きく舵を切って船尾から。ゲート以外の設備はそのままということもあり、閉塞された部分の壁の存在感はやはり凄いものが。
「汽船用」の看板とももうお別れ、と思っていたら、当座は残されていますね。他の設備ともいずれきれいに撤去され、フラットにされてしまうでしょうから、やはり再訪しておいてよかった。「汽船用」の看板、ちょっと欲しいなあ‥‥。


しばらく漂いながら眺めていたら、爆音とともにPWCのフリートが駆け抜けてゆきました。十年一日のごとくそこに在るようでいて、大きく変化することもある水門風景、その瞬間に水路上から立ち会えたのは、ある種幸運だったのかもしれません。
【撮影地点のMapion地図】
(29年8月13日撮影)
(『8月13日の東電堀』につづく)

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