松重閘門ふたたび…5

(『松重閘門ふたたび…4』のつづき)

206021.jpg
前扉室、南側堰柱の先端部分を、ぐっとアップで見てみました。驚いたのが、エッジが極めてシャープであること。築85年ともなれば、表層の剥離による欠けくらいあって当たり前なのですが、見るかぎりその手のくたびれ加減が、まったく感じられない美しさです。

改修時、このあたりも徹底して補修されたのでしょうか。だとしたら素晴らしいですね。壁面の塗色も、12年前に訪ねたときよりずいぶん明るめになり、この点でも竣工当時の近代味(?)を感じさせ、好印象でした。

206022.jpg
扉体周りの観察によいポジションが取れないので、ここもやむを得ずズームで。角の部分に施された石張り、バイパスゲート周りは、船艇の接触から扉体を守るためか、一段張り出した形に造られているのが見て取れます。

ちなみに閘門のゲート寸法ですが、「鋼製ゲート百選」(技報堂出版)によると、径間9・1m、扉高9.09m(←原文は90.9mだが恐らく誤植)とあったものの、これが前扉室か、後扉室のものなのかは記述がありませんでした。施工会社は大同水道工業(株)だそう。

206023.jpg松重橋より南側、堀川の下流を望んだところ。山王橋は工事をしているのか、「この先航路幅員減少」の横断幕が掲げられています。12年前に訪ねたときも、左手に私設の桟橋があり、プレジャーが数隻もやわれていましたが、今回は一隻だけでした。

もやう艇や横断幕の存在が、生きている可航水路としての雰囲気を盛り上げてくれ、よいものです。これで松重閘門が稼働していたら、最高なのですが。

206024.jpgプレジャーといば、松重橋の西詰にもう一隻、小さなセンターコンソーラが。17ftくらいでしょうか、川走りにはもってこいのタイプですよね。

この艇の右、木の根元に隠れているモノ、船頭的には見逃せませんでした。コンクリートのビット! 閘門が竣工し、この船溜が整備された当時のものに違いありません。


206025.jpg
このままなら数年を経ずして、緑に覆われつくしてしまうでしょう。どこかけなげに感じられたその姿をカメラに収めて、松重閘門を後に次の目的地へ向かったのでした。

(29年5月3日撮影)

(『堀川口防潮水門…1』につづく)

にほんブログ村 マリンスポーツブログ ボートへ
にほんブログ村

タグ : 松重閘門 中川運河東支線 堀川 閘門

松重閘門ふたたび…4

(『松重閘門ふたたび…3』のつづき)

206016.jpg前扉室周りのディテールが眺められるところを探して、ウロウロするも厳重にフェンスで囲われており、網の目もカメラの鏡筒より小さく、どうにも具合の悪い状況。何とか写して、フェンスの針金をトリミングしたのがこの一枚です。

バイパスゲートの巻上機が、両岸とも草に埋もれずに観察することができました。


206017.jpg
こちらは仕方なく、フェンスに半ばよじ登って撮ったもの。ゲート周りをも少し近くで眺めてみたいのですが、これが精一杯です。

しかし、稼働していないとはいえ、水面に倒立像を映す姿は、現役時を髣髴させよいものです。新緑に見え隠れする堰柱も風情がありますね。

206018.jpg南側からはどうにも撮りあぐねて、北側から狙おうと、松重橋の上に来てみました。あっ、ここもグローブ灯だ。柱や灯器周りの造作もより凝った、なかなか瀟洒なものです。

ここなら南側よりはイケそうかな‥‥と、閘門を振り返り振り返り、橋の真ん中あたりまで出てみると‥‥。



206019.jpg
むう、いい角度ではあるのですが、電線が横切ってしまうのが玉にキズ。それでも午前中の陽射しを浴びて、うっそりと立ついい表情をものすることができました。

尖塔のディテールのきめ細かさ、基部の流れるようなラインの処理や石張装飾‥‥。こうして橋上から眺めてみると、多くの目に見られることを意識し、「街場の閘門」として造られたことを改めて感じました。高い建物がなく、4本の堰柱が抜きんでていた時代、その存在感は想像以上のものがあったでしょう。こうして保存・顕彰されているのも、長きにわたり人々の目に鮮烈な印象を与え続けたからこそ、といった思いを強くします。

206020.jpg
ズームでたぐらずにはおれない、巻上機架台。こちらの方が浅い角度でねらえたので、伝動軸や減速装置がよく見えます。信号の灯器、こちらは下向きに角度がつけてあるのですね。前扉室の方が、堰柱の高さがあるからでしょう。
撮影地点のMapion地図

(29年5月3日撮影)

(『松重閘門ふたたび…5』につづく)

にほんブログ村 マリンスポーツブログ ボートへ
にほんブログ村

タグ : 松重閘門 中川運河東支線 堀川 閘門