松重閘門ふたたび…3

(『松重閘門ふたたび…2』のつづき)

206011.jpg

206012.jpg閘室を挟んだ公園敷地を結ぶ人道橋から、南北橋の下をくぐる閘室を見たところ。埋め立てられた閘室にはフェンスが張られ、橋の下をくぐって前扉室との行き来はできないようになっています。右手、法面には階段が残されていますね。

「中川運河」と、水路名を掲げた南北橋の親柱。先代橋のものを流用したのでしょうか、石材張りの親柱と、優雅な感じのするグローブ灯が古風で佳し。そういえば、道々に見かけた名古屋の橋って、このグローブ灯を親柱に掲げている例が多いように思えました。中にはブドウのように、鈴なりに球を生やしたものもあって、「名古屋=グローブ灯好き」の印象を強く持ったのでした。

206013.jpg
市道江川線と、その上を通る高架道路、名古屋高速都心環状線の向こうに見る前扉室。交通量の多いいわば目抜き通りですが、すぐ近くに南北橋交差点の横断歩道があるので、行き来にはさほど難儀しません。

206014.jpg歩道には、「中川まちなか博物館」と銘打ったきれいな説明板があり、松重閘門への理解を助けています。ひとわたり読み下して、掲げられている写真にオッ、と惹かれるものが。

いや、上の俯瞰写真も、高い建物がなかった時代、尖塔状の堰柱が、いかに強烈な存在感を放っていたかをしのばせてよいのですが、吸い寄せられたのは下。久しぶりに和船趣味のツボを刺激する一枚に、鼻先をつけんばかりにして見入ってしまいました。通航中の船、もしかして「尾張ダンベエ」じゃないか?

尾張ダンベエとは、江戸時代、尾張・紀州ダンベエとも呼ばれたご当地独特の船型で、平底の船体と積載効率を買われ、材木積船として知られたのだそう。近代以降は曳船に曳かれる艀として、形を変えながらも戦後まで活躍したのだとか。つまり、純和船直系のバージというわけです。

206015.jpg
橋の上から、前扉室の扉体(?)と、堀川の水面を望んで。

この、キャンバーがついているの、単に気を利かせたとか、元の形をしのべるようにとか、そういうレベルじゃないような気がするんですがねえ。すっかり、「扉体はそのまま、コンクリート漬け」説に傾いてしまいましたが、本当のところはどうなのでしょう。ご存知の方、ぜひご教示ください。
撮影地点のMapion地図

(29年5月3日撮影)

(『松重閘門ふたたび…4』につづく)

にほんブログ村 マリンスポーツブログ ボートへ
にほんブログ村

タグ : 松重閘門 中川運河東支線 閘門

松重閘門ふたたび…2

(『松重閘門ふたたび…1』のつづき)

206006.jpg
まずは、堰柱間に渡された巻上機室‥‥いや、巻上機架台とでも申しましょうか。中央に据えられたモーターから、減速機を介して左右に伝動軸を伸ばし、スプロケットを回す仕組みが見てとれます。仕組みは三栖閘門のそれと略同のようですね。トラスはあちらが上路式、こちらが下路式(といっていいのか?)の違いはありますが。それにしても、きれいに塗装されているなあ。

トラスの構造はもとより、桁下に取り付けられた信号の灯器、ゲートのチェーンと、巻上機室をケーシングした昨今の水門には見られない、ディテール豊富なチャームポイントといってもよい部分。左上に見える点検用扉、ドアノブもしっかり真鍮色に輝いて、復元の際に塗装と手入れが、細部まで入念に施されたことがわかり、嬉しくなります。

206007.jpg12年前の訪問時は、取付痕が見られたのみだったランプケース、ご覧のとおり堰柱の重厚な意匠にぴったりの、立派なものが取り付けられていました。

当時のパーツ図面が残っていたのでしょうか。銅色(本当に銅か、塗装で表現しているのかはわかりません)に輝く八角断面の照明は、これ単体のみでも存在感十分で、近寄ったらまず目を奪われるでしょう。


206008.jpg

206009.jpg東側、松重閘門公園から見た後扉室ゲート。どこか古風な尖塔タイプの堰柱に、メカニカルなむき出しの巻上機架台、実にメリハリ(?)のある魅力にあふれています。閘室は埋め立てられていますが、コンクリート法面の護岸はそのまま残され、往時をしのばせてくれます。埋め立てた表面には雑草が茂っていますが、ときどき草刈りでもされているのか、背丈がそろっているので荒廃感はありません。花壇もよく整備され、ツツジがきれいに咲いていました。

堰柱内側、戸当り部分のアップ。三栖閘門、新井郷川閘門と同型式のストーニーゲートで、梯子状のローラーが扉体とは別に吊り下げられ、上下していました。戸溝近くに見えるワイヤーは、ローラーのものでしょうか。

206010.jpg
少し引いて、扉体を眺めたところ。前回来たときは、扉体は取り外されてコンクリートに代替されたと思っていたのですが、チェーンのリンクの埋まり方や、扉体のキャンバー(丸み)をそのままなぞっていることなどから、扉体の周りに型枠を作り、コンクリートを流し込んだと考えた方がよさそうです。何やら、老朽化した鋼アーチ橋にコンクリートを着せて、鉄骨コンクリート橋に変身させた例を思い出しました。

ゲート形式や外観のデザインなど、兄弟のようによく似ている三栖閘門と違い、スキンプレートを張ったキャンバー面は、高水位である堀川側を向けてあることがわかります。右手前、草に埋まっていますが、排水用バイパスゲートの巻上機らしいケーシングも見えますね。

(29年5月3日撮影)

(『松重閘門ふたたび…3』につづく)

にほんブログ村 マリンスポーツブログ ボートへ
にほんブログ村

タグ : 松重閘門 中川運河東支線 閘門