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阿賀野川頭首工を愛でる…6

(『阿賀野川頭首工を愛でる…5』のつづき)

193096.jpgゴロタ石の河原は尽きて、その先はご覧のようなブロックずらりとなるわけですが、すぐにこれも基礎が水に浸かって、頭だけ出た状態に。

仕方なく、突き出た頭の上をピョン、ピョン、と文字どおり飛び石づたいに進んでいくことに。持ち物を落としたらと用心して、ウェストポーチにまとめていたのですが、うっかり小物をポケットに入れたままだったのを忘れ、河中に落し物をしてしまったのは痛かった‥‥。

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頭の平たいブロックなら休み休み進めるものの、露頭が角ばった十字型ときては、さすがに飛び石も止めざるを得ません。ここで扉体を正面から。ああ、やっぱり水面近くから眺めるのっていい。

水叩きが一段高くなった分、扉体の天地が縮まっていることがよくわかります。当たり前ですが、あの扉体の後ろに、何千tという水の塊りが堰上げられているんだよなあ‥‥。今扉体が開いたら、逃げる間もなく押し流されてしまうと思うと、やはり背筋が寒くなるものが。

193098.jpgホテルさきはなが、ちょうど真横に見えたので一枚スナップ。頭首工の周りをうろついている間じゅう、視界のどこかに必ず入っている一事をもってしても、水門好きにとってこの宿がいかに好環境下にあるか、わかろうというものです!

宿の前は流路で深掘れしているとあって、コンクリートの法面と鋼矢板でがっちり固められ、水面近くまでは降りられませんが、あそこも良い視点が得られそうです。後で探索してみるとしましょう。

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ここが、舟通しに最も近付いた地点の一枚。すでにタイトルに掲げましたが、目前にし改めて、その迫力に息を呑んだものでした。

轟々と地響きを立てるゲートからの噴流、その白い水しぶきを分けてそそり立つ舟通し! ひときわ高く上がった噴出直後の白波が、ちょうど奔騰するプロペラ後流のようであり、そうなると舟通しの堰柱は檣楼に、右端の背割堤はうねりを切り裂く鋭い艦首のようで、公試運転で最大戦速を出した大巡洋艦もかくやと思わせる、勇ましい姿に見えてきたのです。

閘門の姿を雄大で、力強く頼もしいと感じたことは何度もありましたが、水煙を上げて“疾る”、躍動感あふれる勇壮さを覚えたのは、もちろんこれが初めてです。このシーンを間近にできただけでも、足元の悪い中、ここまで来た甲斐がありました!

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いや~、閘門もところ変われば、全然違った表情が拝めるものだわと、嬉しい驚きを胸にもと来た岸へ。ブロックの頭をふたたびピョン、ピョンと跳んで、扉体や橋を横目で見ながらの移動も楽しいものです。

起伏ゲートの正面に来たので、帰りがけの駄賃にと一枚。じわりとリークした水が足元まで流れてくるのを、ちょっと気味悪げな思いで眺めながら、水に落ちないようひと跳びひと跳び、慎重に移動したのでありました。

(28年5月28日撮影)

(『阿賀野川頭首工を愛でる…7』につづく)

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タグ : 阿賀野川阿賀野川頭首工阿賀野川頭首工舟通し閘門ホテルさきはな