江戸川閘門のディテール…1
(『10月4日の旧江戸川…5』のつづき)

●流頭部近く、河原水門を一枚。最近は年2回くらいしか訪ねていないので、年間通して閉鎖されているのかはわかりませんが、閉じた状態でまみえることが多くなった気が‥‥。中の船溜も、もう利用する艇がいなくなったのでしょうか。
●左に目を転じて江戸川水門を見やれば、本日はご覧のとおり、全径間解放状態。潮位が高く、水位差がほとんどないためです。
閘門通航のプロセスを楽しめないのは残念ですけれど、堰柱を透かして見える上流の風景、橋の上まで扉体を揚げた水門の表情もまた乙なもの。流速も緩く、穏やかな川面に姿を映す水門を、投錨して眺めたくなるような、のんびりした空気が漂っていました。

●無粋な潮位に、せっかくの楽しみを奪われた形といえばそうなのですが、今回は少し前向きに考えてみることにしました。
扉体からの水垂れを気にして、泡を喰ってゲートをくぐることもないわけですから、ここは一つゆっくり通りながら、閘門のディテールを味わってみようと思ったのです。
●まずは後扉室ゲート、巻上機室から。ここだけ切り取ってみると、とても昭和18年竣工とは思えません。地肌も屋根は歳相応の感じがしますが、側面は後年塗り直したのでしょうか。
アルミサッシももちろん後の更新でしょう。飾り気の全くないフラットな外観によく似合い、違和感を感じさせませんよね。

●巻上機室を支える、桁下の真ん中に取り付けられた2色信号の灯器。ここから見るかぎりでは、点灯していないようです。ちょっと取り付け位置が高すぎ、灯器も小さく見づらいので、実用性には難がありますね。
エドルネさんのブログ「エドルネ日記」の記事、「昔の写真の撮影場所はこの辺!?その2~江戸川閘門の風景」に掲載されていた昔の写真を拝見すると、それらしきシルエットが同じ位置に見えるので、灯器は更新されたにせよ、当初からここに信号が備えられていたのかもしれません。
【撮影地点のMapion地図】
(27年10月4日撮影)
(『江戸川閘門のディテール…2』につづく)

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●流頭部近く、河原水門を一枚。最近は年2回くらいしか訪ねていないので、年間通して閉鎖されているのかはわかりませんが、閉じた状態でまみえることが多くなった気が‥‥。中の船溜も、もう利用する艇がいなくなったのでしょうか。

閘門通航のプロセスを楽しめないのは残念ですけれど、堰柱を透かして見える上流の風景、橋の上まで扉体を揚げた水門の表情もまた乙なもの。流速も緩く、穏やかな川面に姿を映す水門を、投錨して眺めたくなるような、のんびりした空気が漂っていました。

●無粋な潮位に、せっかくの楽しみを奪われた形といえばそうなのですが、今回は少し前向きに考えてみることにしました。
扉体からの水垂れを気にして、泡を喰ってゲートをくぐることもないわけですから、ここは一つゆっくり通りながら、閘門のディテールを味わってみようと思ったのです。

アルミサッシももちろん後の更新でしょう。飾り気の全くないフラットな外観によく似合い、違和感を感じさせませんよね。

●巻上機室を支える、桁下の真ん中に取り付けられた2色信号の灯器。ここから見るかぎりでは、点灯していないようです。ちょっと取り付け位置が高すぎ、灯器も小さく見づらいので、実用性には難がありますね。
エドルネさんのブログ「エドルネ日記」の記事、「昔の写真の撮影場所はこの辺!?その2~江戸川閘門の風景」に掲載されていた昔の写真を拝見すると、それらしきシルエットが同じ位置に見えるので、灯器は更新されたにせよ、当初からここに信号が備えられていたのかもしれません。
【撮影地点のMapion地図】
(27年10月4日撮影)
(『江戸川閘門のディテール…2』につづく)

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10月4日の旧江戸川…5
(『10月4日の旧江戸川…4』のつづき)
●船台上に上架されていたのは、おなじみ水辺ラインの水上バス「カワセミ」! 船底とプロペラ周りの点検・再塗装でしょうか。めったに見ることのできない喫水線下、ここはじっくりと拝ませてもらいましょう。
とはいうものの、船首側は影になってよく見えないのですが、ここから見たかぎりでは、フラットに近い船底形状に、ぐっと突き出した形の、二組の舵やプロペラが観察できました。

●プロペラは3翼、二軸船なのですね。就航水域から、もっと船底にめり込んだような、浅喫水の造りを想像していたのですが、スケグごと船底から突き出したような構造で、運動性重視といったところでしょうか。
まあ、運動性うんぬんはうがち過ぎで、単にこなれた構造を採っただけなのかもしれません。しかし、東京の水上バスで最も小型の本船ですから、二軸をおごっていたとは、ちょっと意外な感じではありました。
●隣の船台では、都観光汽船の「アワータウン」も! ちょっとした水上バス上架まつり(笑)。
両隣が二隻の業務船でぎゅう詰めなので、「カワセミ」以上に喫水線下の形が見えづらいのが残念。かろうじて、真鍮色に光る4翼のプロペラと、舵に向かってぐっとしぼり込まれたような船底形状が見てとれます。二隻とも、河用客船にもかかわらず、喫水が結構あるんだなあ、というのが今回の印象でした。

●もやう曳船あまたある中で、今回初見のこれ、「6 SANYO」がすっかり気に入ってしまいました! 最低限の上部構造物、船首尾に立ち上げたブルワークと、この手の小型曳船の定石を踏まえながらも、くたびれた感じはまったくなく、近代味にあふれた格好よさが感じられます。
上構が直線的にまとめられていること、純白に朱を入れたような塗装も手伝って、機能的でスマートな印象。特に、申しわけ程度(失礼)のささやかなフロントグラスと、デンヨーか、小型ディーゼル機関車のボンネットをそのまま載せたような、シンプルそのもののエンジンケーシングがいいですね。
唯一ものいい(?)をつけるとすれば、排気をケーシングの側板に直で取っているため、せっかくのきれいな塗装を汚してしまっていること。ここはぜひ、格好のよい煙突をあつらえてあげてほしいところです!

●もう少し上流側に進んだところで、同じ小型曳船ながら、こちらは私好みのくたびれ方をした一隻。いえ、背後の「第27光運丸」でなく、手前の「十七おおとり」です!
褪色、錆垂れ、塗り重ねた塗料の剥離痕と、経てきた星霜を感じさせるような肌も愛おしいもの。積まれたロープやフェンダーの様子から、まだまだ元気で働いているのでしょう。
(27年10月4日撮影)
(『江戸川閘門のディテール…1』につづく)

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とはいうものの、船首側は影になってよく見えないのですが、ここから見たかぎりでは、フラットに近い船底形状に、ぐっと突き出した形の、二組の舵やプロペラが観察できました。

●プロペラは3翼、二軸船なのですね。就航水域から、もっと船底にめり込んだような、浅喫水の造りを想像していたのですが、スケグごと船底から突き出したような構造で、運動性重視といったところでしょうか。
まあ、運動性うんぬんはうがち過ぎで、単にこなれた構造を採っただけなのかもしれません。しかし、東京の水上バスで最も小型の本船ですから、二軸をおごっていたとは、ちょっと意外な感じではありました。

両隣が二隻の業務船でぎゅう詰めなので、「カワセミ」以上に喫水線下の形が見えづらいのが残念。かろうじて、真鍮色に光る4翼のプロペラと、舵に向かってぐっとしぼり込まれたような船底形状が見てとれます。二隻とも、河用客船にもかかわらず、喫水が結構あるんだなあ、というのが今回の印象でした。

●もやう曳船あまたある中で、今回初見のこれ、「6 SANYO」がすっかり気に入ってしまいました! 最低限の上部構造物、船首尾に立ち上げたブルワークと、この手の小型曳船の定石を踏まえながらも、くたびれた感じはまったくなく、近代味にあふれた格好よさが感じられます。
上構が直線的にまとめられていること、純白に朱を入れたような塗装も手伝って、機能的でスマートな印象。特に、申しわけ程度(失礼)のささやかなフロントグラスと、デンヨーか、小型ディーゼル機関車のボンネットをそのまま載せたような、シンプルそのもののエンジンケーシングがいいですね。
唯一ものいい(?)をつけるとすれば、排気をケーシングの側板に直で取っているため、せっかくのきれいな塗装を汚してしまっていること。ここはぜひ、格好のよい煙突をあつらえてあげてほしいところです!

●もう少し上流側に進んだところで、同じ小型曳船ながら、こちらは私好みのくたびれ方をした一隻。いえ、背後の「第27光運丸」でなく、手前の「十七おおとり」です!
褪色、錆垂れ、塗り重ねた塗料の剥離痕と、経てきた星霜を感じさせるような肌も愛おしいもの。積まれたロープやフェンダーの様子から、まだまだ元気で働いているのでしょう。
(27年10月4日撮影)
(『江戸川閘門のディテール…1』につづく)

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10月4日の旧江戸川…4
(『10月4日の新中川…2』のつづき)

●今井橋をくぐり、ジー・マリンの前を通りかかって、ちょっと驚いたことが。もと海洋商船の水上バス「クイーンメリッサ」が、昨年「8月20日の旧江戸川…2」のときと、ほぼ同じ姿で繋留されたままだったことです。
変わったことといえば、姿勢が少しダウントリム気味になったのと、手前にポンツン桟橋が設けられたくらい。かつての荒川航路の花形だった船が、往時と近い姿で川面にあるのは嬉しいことですが、改装の話はどうなったのでしょうか。
●欠真間と江戸川2丁目にはさまれた屈曲のあたり、江戸川清掃工場の大煙突は、旧江戸川屈指の景勝といってもよいところ。
穏やかな川面に倒立像を映し、秋空を衝くその姿、何度見ても胸のすくような爽快感があります。そうそう、河畔の煙突といえばもう一本、ぐっと古株のそれのことに触れないわけにはいきません。

●こちらも訪ねるたびに紹介しておなじみですが、王子製紙の煙突。真ん中あたりと頂部近くに、それぞれ点検用の回廊を設けているあたり、最近のフラットな外観の煙突と一味違った、古参らしい貫禄が感じられます。
このスタイルとなれば、空に溶け込みそうな対空迷彩(?)塗装はいま一つで、やはりツートンの警戒塗装が懐かしく思い出されるもの(我ながら、毎回同じことをいっているなあ)。以前の写真と、見くらべてみたくなりました。

●20年6月15日の姿。やはりこちらの方が、いかにも工場の煙突といった感じで、しかも存在感があってよいものです。最初に見た大煙突が、子供のころ遠足で訪ねた、砧公園の警戒塗装のそれだったせいもあるかもしれません。
しかし、いつごろから煙突の警戒塗装はすたれ始めたのでしょうか。何となく、水門の赤い塗装が少なくなり始めたのと、同じ伝のような気がしています。
●流頭部近く、藤代繁造船所にさしかかりました。東京都のカタマラン測量船「たんかい」や、浮きドックに入渠中の警備艇の向こうに、気になる船が上架中!
水線下の形を観察できる、絶好の機会です。手前にいくつかもやっている船もあるので、うまくのぞくことができるか否や。
(27年10月4日撮影)
(『10月4日の旧江戸川…5』につづく)

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●今井橋をくぐり、ジー・マリンの前を通りかかって、ちょっと驚いたことが。もと海洋商船の水上バス「クイーンメリッサ」が、昨年「8月20日の旧江戸川…2」のときと、ほぼ同じ姿で繋留されたままだったことです。
変わったことといえば、姿勢が少しダウントリム気味になったのと、手前にポンツン桟橋が設けられたくらい。かつての荒川航路の花形だった船が、往時と近い姿で川面にあるのは嬉しいことですが、改装の話はどうなったのでしょうか。

穏やかな川面に倒立像を映し、秋空を衝くその姿、何度見ても胸のすくような爽快感があります。そうそう、河畔の煙突といえばもう一本、ぐっと古株のそれのことに触れないわけにはいきません。

●こちらも訪ねるたびに紹介しておなじみですが、王子製紙の煙突。真ん中あたりと頂部近くに、それぞれ点検用の回廊を設けているあたり、最近のフラットな外観の煙突と一味違った、古参らしい貫禄が感じられます。
このスタイルとなれば、空に溶け込みそうな対空迷彩(?)塗装はいま一つで、やはりツートンの警戒塗装が懐かしく思い出されるもの(我ながら、毎回同じことをいっているなあ)。以前の写真と、見くらべてみたくなりました。

●20年6月15日の姿。やはりこちらの方が、いかにも工場の煙突といった感じで、しかも存在感があってよいものです。最初に見た大煙突が、子供のころ遠足で訪ねた、砧公園の警戒塗装のそれだったせいもあるかもしれません。
しかし、いつごろから煙突の警戒塗装はすたれ始めたのでしょうか。何となく、水門の赤い塗装が少なくなり始めたのと、同じ伝のような気がしています。

水線下の形を観察できる、絶好の機会です。手前にいくつかもやっている船もあるので、うまくのぞくことができるか否や。
(27年10月4日撮影)
(『10月4日の旧江戸川…5』につづく)

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巨大魚舞う、緊迫の閘門通航!

●過去にも何度か似たようなことを書いているんですが、水路バカとしてこの趣味に足を踏み入れて以来、釣り人さん向けの出版物やウェブサイトには、教えられることが少なくないわけです。
水深や底質、沈置物の有無はもとより、中には閘門について触れられているものもあったりして、釣りにはほとんど興味がないにもかかわらず、さまざまな水路情報を勉強させていただけるのは、本当にありがたいことだと思っています。
●今回も、ひょんなことから以下の動画(『釣光TV』さん作成のもの)に出会い、水郷は与田浦東端にある浪逆浦閘門(上写真)の、貴重な通航シーンが収録されているのに小躍りしたのですが、まあ、世の中にはこんなに緊迫したというか、身震いするような閘門通航があるのかと、感心するとともに怖気をふるったものでした。まずは動画をご覧ください。

ホンモノのYou Tubeで「【巨大魚ハクレン】恐怖映像!巨大怪魚の群れに遭遇in霞ヶ浦【バス釣り番外編】」を見る
●平成の初め、江戸川を攻めていたときに、ウェーキにバッシャバッシャと巨大魚が連続してジャンプするのは体験していたので、ある種懐かしくもあったのですが、これほどの密度、これほどの規模のものはもちろん初見です。
●特に、逃げ場のない閘室で壁にぶち当たり、船体に体当たりしてくるその恐怖たるや! 乗り組みの方に怪我はなかったのでしょうか。いや、あの図体からして、船体に直撃したら損傷があっても不思議でないパワーがありそうで、本気で心配になりました!
あまりの異様さに笑うしかない、といった風でしたが、タイトルの「恐怖映像」に全く誇張はなく、笑い声とは裏腹に、緊張の閘門通航だったと思われます。お疲れさまでした、また貴重な映像を公開してくださり、ありがとうございます!
●本来の興味に話を戻すと、把手を引っ張るセルフ操作の様子や、扉体の降下速度、また作動中、病的(笑)に繰り返される自動アナウンスなど、水郷の閘門ならではのディテールがしっかり収録されていて、閘門ファンとしても充分そそる内容でした。
ちなみに、陸路訪問時の様子は、「浪逆浦閘門…1」「浪逆浦閘門…2」にあります、ご参考まで。
