中島閘門見学…2

(『中島閘門見学…1』のつづき)

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175092.jpg小瀑布をつくる放水路ゲートを、真正面、しかも低い目線から眺められたのが佳ろし。流速でぐっと振られるまま、艇は左にゆっくり回頭して閘室へ戻ります。みたびの通航、船頭にとっては、人生のボーナスポイントのようなものですわ!

往復分の通航体験を済ませると、「もみじ」は下流に船首を向け、閘門南側、西岸にあるポンツン桟橋へ達着。ここでガイドさんと一緒に上陸して、いよいよ中島閘門の見学であります。

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175094.jpgガイドさんは、まず閘室の真ん中あたりに我々を案内し、掲げられた説明板の図を指しながら、富岩運河、中島閘門の成り立ちについて解説。説明板はサイズ相応に、神通川馳越線工事と廃川地の開発から、富山市街の拡大、運河の復興まで触れた詳しいもの。

お話をうかがいつつ、8年ぶりの再訪にしみじみ。あたりを見回してみると、見学コースである歩道はきれいに舗装され、植木や芝もよく刈り込まれて、前回とはだいぶ様子が違います。中島閘門が運河観光の目玉になっていることを、改めて実感させられました。

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操作室も、改めてこの目線で眺めてみると、かつての星霜を経た雰囲気はほとんど失せて、どこか子供のころユネスコ村で見た、外国の復元家屋のような可愛らしさ。

当時はさぞかし、ハイカラな小建築だったに違いありません。中を早く見てみたいです!

(27年6月20日撮影)

(『中島閘門見学…3』につづく)

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タグ : 富岩運河 富岩水上ライン 中島閘門 閘門

中島閘門見学…1

(『鼬川取水堰と樋門』のつづき)

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食事を終えて外に出ると、ちょうど「もみじ」が帰ってきました。船体色に合わせた、オーニングのワインレッドが芝生の緑に映えて、環水公園の水辺風景によく似合いますね。

バウに向かってゆるやかに上がってゆく舷側のラインが、排水量船型の静々とした走りぶりとあわせ、優雅な雰囲気をかもし出しています。短距離の水路行には、もってこいの艇でしょう。

午後は環水公園の船着場から、この「もみじ」に乗って、ふたたび富岩運河へと乗り出しました。といっても、岩瀬カナル会館まで下るのではなく、中島閘門で上陸して閘門施設を見学、元の環水公園に戻ってくるコース。せっかく訪ねたのですから、どちらのコースも乗っておきたいと思ったのです。

175087.jpg「もみじ」の船内は、船首側をのぞく三方にロングシートを配したもの。船尾側は船長とガイドさんの席なので、お客さんは両舷のシートに並んで座り、身体や首をひねって外を眺める形になります。

席についてみると、船首側の高さが視界を狭めており、加えてオーニングや支柱もあるので、窓ガラス(?)はすべて跳ね上げてあるとはいえ、眺望はそれなりなのは致し方のないところ。身体をひねらなければならないこととあわせ、オープンボート原理主義者(?!)としては、少々ツラい船行きではありました。

念のため触れておくと、シートは深く背ずりも高いので座り心地は上々、コクピットの深さとあいまって、落ち着ける居心地のよい空間で、小人数でのんびりするには居住性のよい艇といえるでしょう。

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175089.jpg同乗のガイドさんは、午前中に乗った「ふがん」と同じ方。解説の合間に、「このお客さんは午前中にも‥‥」などとたびたびイジられてしまい、何とも気恥ずかしい思い。一日に二度も運河に繰り出す客は、少なくともこのガイドさんは初めてだったようです。

後扉室のゲートがほとんど隠れるくらい、なみなみと水を湛えた閘室を見ながら、ふたたび中島閘門を通航できるこの嬉しさ。

いやもう、何度通ろうが、飽きるなんて薬にしたくてもありえないでしょう! 管理橋の上では、通航シーンを写真に収める人の姿も見られました。

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閘室を出た「もみじ」は、すぐに舵を右に切って、放水路の方へ船首を向けました。管理橋の裏側に施された、補強のI形鋼の様子がよく観察できる角度です。

桁を二重に補強され、下流側には人道橋も併設されて、原形を失ったといってもよい状態ではありますね。閘門や操作室は念入りに復元されたようですが、こちらはそういった予定はないのでしょうか。
撮影地点のMapion地図

(27年6月20日撮影)

(『中島閘門見学…2』につづく)

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タグ : 富岩運河 富岩水上ライン 中島閘門 閘門 橋の裏側

鼬川取水堰と樋門

(『牛島閘門ふたたび…2』のつづき)

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牛島閘門を愛でたついでに、堤防の向こうにある堰と樋門も見てみることにしました。道路を渡って、鼬川畔に降りてみると、落差をすべる水音とともに、堰が姿を現しました。

丸みを帯びた黒い扉体を越流する河水、これ、ゴム引布製起伏堰ですよね? ゴム製の袋を空気などでふくらませて堰上げ、増水時は減圧してぺちゃんこにすれば、速やかに放流できるという、起伏ゲートの一種です。

175082.jpg堰のかたわらにはテラスが整備され、写真のような説明板もあって、ゆっくり鑑賞できます。名前は「いたち川取水堰」‥‥まあ、使う頻度の少ない漢字なので、気持ちはわかりますが、ここはちゃんと「鼬川取水堰」と、正式名称で呼んであげたいものです。

なるほど、河床の掘り下げで富岩運河への給水が難しくなったため、新たに堰を設けたのですね。見方によっては、運河の付属設備ともいえるでしょう。魚道の写真にはめ込まれた、記号化されたおサカナが可愛らしくてイイ。

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さて、前回から8年越しの宿題、牛島閘門と鼬川を分かつこの樋門の、名前を確かめること。

巻上機室をタイルでお化粧し、公園地に面したことを明らかに意識した、これだけの規模の設備です。探せばどこかに、銘板なりあるはずでしょう。

175084.jpg‥‥と、息巻いて隅々まで眺めまわし、のぞき込んでは探し歩いたものの、名前のよすがとなるものは、ついに発見できませんでした。右に掲げた頑丈そうな操作盤が、堰柱の裏側に備えてあったのみ。ううん、がっかり‥‥。例によって見落としたのかなあ。

水郷のそれならば、どんな小さな水門であっても、堰柱の梁中央に銘板が掲げてあったものですから、決して小さくないこの樋門で無銘とは、驚きでした。何か理由があるのでしょうか。

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せっかく再訪したのだからと、扉体をのぞき込んで一枚。いずれこの扉体が開いて、牛島閘門の通船が成るときがあったら、ぜひ通ってみたいですねえ。
撮影地点のMapion地図

(27年6月20日撮影)

(『中島閘門見学…1』につづく)

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タグ : 鼬川 鼬川取水堰 樋門

牛島閘門ふたたび…2

(『牛島閘門ふたたび…1』のつづき)

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175077.jpg前扉室の扉体に掲げられていた、エッチング風の銘板をアップで。材質は米桧、扉高2.24m。国内では数少ない、可動状態の木製閘門であることを証明する銘板ということで、思わず拝む(脳内で)。

前回同様、樋門は閉鎖されて水は抜かれており、上流側も底が透けて見える状態です。おかげで、竣工当時のままと思われる側壁が露出して、観察には好都合でした。通航船が擦っていった跡とおぼしき傷が、壁面にいくつも見られますね。

175078.jpg鼬川に続く、樋管の壁面にうっすら残った湛水線からして、正常な水位で+0.3m程度でしょうか。となると、動力船の通航は難しそうな感じですね。以前、富山市内の松川で楽しんだ、棹舟(過去ログ『松川を棹舟でゆく…1』参照)程度の小舟艇なら通れそうです。

以前行われたという、鼬川から牛島閘門を経て富岩運河に入る運航実験(過去ログ『牛島閘門…2』参照)では、10人乗りの艇が使われたとのことでしたが、動力はついていたのでしょうか。

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前回訪ねたときに写しておくのを忘れていた、牛島閘門の説明版。閘門の説明では定番の通航の手順から、改修時の写真や神通川の変遷まで、なかなかの情報量です。右のスイッチを押すと、音声でも説明してくれるんだ‥‥やってみればよかった。

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最後にもう一枚、定番の角度から。せっかく材質にこだわって復元し、立派な動力まで備えながら、動かす用事がほとんどないというのは、やはり閘門ファンとしては残念でなりません。

しかも、目の前の富岩運河では定期船が就航して久しく、結構な賑わいを見せているだけに、なおさら惜しいというか、もったいない気がします。富山城址の乗り場から、都市河川の雰囲気濃厚な松川・鼬川を下り、牛島閘門を経て東岩瀬まで直通、という便ができたら‥‥などと、妄想がぐるんぐるんしてしまう船頭でありました。

(27年6月20日撮影)

(『鼬川取水堰と樋門』につづく)

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タグ : 牛島閘門 閘門

牛島閘門ふたたび…1

(『富岩運河で遊ぶ…11』のつづき)

175071.jpg「ふがん」から降りると、ちょうどお昼どき。先のスタバと同様、前回訪ねたときにはなかったレストラン、「ラ・シャンス」で環水公園を眺めながらの昼食も乙なものだろうと入ってみると、大入り満員で空席待ちができる盛況です。

「ラ・シャンス」は、牛島閘門のすぐ隣にあるという、閘門好きにとってはおあつらえ向きの立地でもあります。席が空くのを待つ間、牛島閘門との再会を楽しむことにしました。

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まずは船溜側から、後扉室を眺めて。両岸に階段が設けられているのが、閘程(水位差)を視覚で感じることができるのと、上部構造がなく埋もれがちなマイタゲートに適度なディテールを与えて、魅力的な角度になっていますね。ちなみに説明版によれば、閘程は0.65mとのこと。

175073.jpg後扉室のゲート周りを上流側から。閘室内の水は抜かれて、船溜と同じになっていました。おかげで扉体のディテールがよく観察できます。水に接する部分を減らし、扉体の腐朽を防ぐという意味も、あるのかもしれません。

当然ではありますが、前回訪ねたときより、少々くたびれた感じはしたものの、まめに手入れはされているように見受けられました。何分木製扉体とて、維持管理のご苦労は並大抵ではないでしょう。

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前扉室のゲートを閘室側から。太いフレームを貫通する、ボルトやその当て金に目を引かれます。対角線上に渡されたターンバックル付きの筋交は、扉体の垂れ下がりによる変形を防ぐためのものでしょう。いずれも木製扉体独特の構造で、興味深いものです。

左右の扉体の水線近くに見える、注水用のスライドゲート(スルースバルブ)は半開きのようですね。しかし上流側の水位が低いので、水の流入はほとんどないようです。嬉しかったのは、水面を透かして階壁(閾に当たる段差)が見えたこと。閘室の水中には、小魚がたくさん泳いでいるのも見られました。

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前回同様の角度から一枚。こじんまりとまとまった、小型マイタゲート閘門の魅力が凝縮された角度、佳き哉、よきかな。

前後ともに俯瞰できる場所があり、また近寄って眺めまわすこともできるのが、牛島閘門の良いところ。過去ログ「牛島閘門…1」と、くらべてみてください。
撮影地点のMapion地図

(27年6月20日撮影)

(『牛島閘門ふたたび…2』につづく)

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タグ : 富岩運河 牛島閘門 閘門