富岩運河で遊ぶ…11
(『富岩運河で遊ぶ…10』のつづき)
●前方に見えてきたのは、高欄がステンドグラス風に造ってある木場橋。ガイドさんによれば、富岩運河はこの橋までで、橋の向こうは船溜として区別されているそうです。いわば最終橋ですね。
空模様がいま一つではありましたが、浅瀬に水鳥たち、そして中島閘門と、見どころ満載で楽しかった富岩運河約7㎞の旅も、終わりが近づいてきました。

●船溜が近づいてきたところで魚探を見ると、水深が1.31mから、0.84mへ急上昇。ううん、ここもずいぶん浅いようですね。
前回訪ねたとき(過去ログ『富岩運河環水公園』参照)、船溜に藻がみっちり繁っており、とても動力船が入れる環境には見えなかったことを思い出しました。藻はすっかり刈られたようですが、浚渫まで手が回らなかった部分もあるのかもしれません。
ところで、このGPS魚探の画像、大きなモニターに映し出して、お客さんにも見てもらえるようにしたら、楽しいでしょうね。その際は、GPSのレンジはもっと狭くして、現在位置が運河のどのあたりか、わかるようにすればなおよいでしょう。飛行機でも、同様のサービスをしていますよね。

●船溜に入ると、南西岸手前に船着場があり、二隻の僚船がもやっているのが見られました。右の緑の船体が一番船「そら」、左が二番船「もみじ」。いずれも電動船です。
ハードトップはあってもオープンに近い造りで、回廊があり眺望もよさそうな「そら」に乗りたかったのですが、「ふがん」就航後はもっぱら予備船的な扱いのようで、今回は乗ることができませんでした。「もみじ」は、東京でも同じメーカーの船が複数隻活躍していることもあり、船影になじみがある方も少なくないでしょう。

●船溜に入っても、「ふがん」はすぐに着岸せず、天門橋をくぐって最奥部まで進み、「泉と滝の広場」の前をかすめて、ゆっくり船溜を一周してくれます。環水公園のシンボルだけあって、天門橋は船上から仰いでもなかなか格好がよろしいですね。
●北東岸に見えるガラス張りの建物は、スターバックスコーヒー・富山環水公園店。ガイドさんいわく、「世界で最も美しいスタバ」なのだとか!
芝生の法面を前に、船溜の水面を一望できるテラスは、見るからに居心地がよさそうですね。テラスのお客さんたちが、いっせいに手を振ってくれたのも素敵で、しかも自然な感じがしたものでした。
【撮影地点のMapion地図】
(27年6月20日撮影)
(『牛島閘門ふたたび…1』につづく)

にほんブログ村

空模様がいま一つではありましたが、浅瀬に水鳥たち、そして中島閘門と、見どころ満載で楽しかった富岩運河約7㎞の旅も、終わりが近づいてきました。

●船溜が近づいてきたところで魚探を見ると、水深が1.31mから、0.84mへ急上昇。ううん、ここもずいぶん浅いようですね。
前回訪ねたとき(過去ログ『富岩運河環水公園』参照)、船溜に藻がみっちり繁っており、とても動力船が入れる環境には見えなかったことを思い出しました。藻はすっかり刈られたようですが、浚渫まで手が回らなかった部分もあるのかもしれません。
ところで、このGPS魚探の画像、大きなモニターに映し出して、お客さんにも見てもらえるようにしたら、楽しいでしょうね。その際は、GPSのレンジはもっと狭くして、現在位置が運河のどのあたりか、わかるようにすればなおよいでしょう。飛行機でも、同様のサービスをしていますよね。

●船溜に入ると、南西岸手前に船着場があり、二隻の僚船がもやっているのが見られました。右の緑の船体が一番船「そら」、左が二番船「もみじ」。いずれも電動船です。
ハードトップはあってもオープンに近い造りで、回廊があり眺望もよさそうな「そら」に乗りたかったのですが、「ふがん」就航後はもっぱら予備船的な扱いのようで、今回は乗ることができませんでした。「もみじ」は、東京でも同じメーカーの船が複数隻活躍していることもあり、船影になじみがある方も少なくないでしょう。

●船溜に入っても、「ふがん」はすぐに着岸せず、天門橋をくぐって最奥部まで進み、「泉と滝の広場」の前をかすめて、ゆっくり船溜を一周してくれます。環水公園のシンボルだけあって、天門橋は船上から仰いでもなかなか格好がよろしいですね。

芝生の法面を前に、船溜の水面を一望できるテラスは、見るからに居心地がよさそうですね。テラスのお客さんたちが、いっせいに手を振ってくれたのも素敵で、しかも自然な感じがしたものでした。
【撮影地点のMapion地図】
(27年6月20日撮影)
(『牛島閘門ふたたび…1』につづく)

にほんブログ村
富岩運河で遊ぶ…10
(『中島閘門ふたたび…3』のつづき)
●乗り組みのお一人が、操舵席の左側に立ち、双眼鏡を構えてワッチを始めました。何事でしょう、定期便として連日行き来して、通い慣れているはずの運河で双眼鏡とは、ただならぬものを感じますが‥‥。
間なしに、乗り組みさんは双眼鏡をおろし、「いたいた、あそこ!」と、船長の方を向いて左舷前方を指さすと、船長は合点とばかり舵を切って左へ。何があるのでしょうか?

●岸に近づくと「ふがん」は行き足を落し、右に当て舵して姿勢を護岸と平行に直しました。乗り組みさんいわく、「ホラ、鴨がいますよ!」。
見ると、護岸のわずかな段差に、ひよこ饅頭のように座り込んだ鴨のヒナたちが! 壺巣に詰まった十姉妹ばりに、ぎゅっと固まっているのも可愛らしく、他のお客さんからも歓声が。

●そのすぐ上流、小河川が合流する落し口では、一心に水面をついばむヒナたちと、それを見守る親鳥の姿も。
フェンスに集まった水草の中に餌があるのか、もしゃもしゃとかき回す様子がこれまた可愛らしく、一同ニッコリ。しかし、わざわざ双眼鏡で探してまで、しかも船を寄せてくれるなんて、乗り組みさんたちはなかなかサービス精神旺盛です。

●この間、水管橋、大島橋とくぐって、下新橋を通過。やはり簡素なRC橋ながら、永代橋以降、だんだん街場の橋らしい雰囲気になってきました。
●下新橋のすぐ上流にあるこれは、ガイドさんによれば「ウラミの滝」なのだそう。何も、恨みなど剣呑ないわれがあるわけではなく、この庇の上から時間を決めて放水があり、文字どおり「裏から眺められる滝」になるのだとか。
暑くなるこれからは、涼しげでいいでしょうね。庇の下のベンチでは、お昼寝をしたりと思い思いに憩う人の姿が見られました。
【撮影地点のMapion地図】
(27年6月20日撮影)
(『富岩運河で遊ぶ…11』につづく)

にほんブログ村

間なしに、乗り組みさんは双眼鏡をおろし、「いたいた、あそこ!」と、船長の方を向いて左舷前方を指さすと、船長は合点とばかり舵を切って左へ。何があるのでしょうか?

●岸に近づくと「ふがん」は行き足を落し、右に当て舵して姿勢を護岸と平行に直しました。乗り組みさんいわく、「ホラ、鴨がいますよ!」。
見ると、護岸のわずかな段差に、ひよこ饅頭のように座り込んだ鴨のヒナたちが! 壺巣に詰まった十姉妹ばりに、ぎゅっと固まっているのも可愛らしく、他のお客さんからも歓声が。

●そのすぐ上流、小河川が合流する落し口では、一心に水面をついばむヒナたちと、それを見守る親鳥の姿も。
フェンスに集まった水草の中に餌があるのか、もしゃもしゃとかき回す様子がこれまた可愛らしく、一同ニッコリ。しかし、わざわざ双眼鏡で探してまで、しかも船を寄せてくれるなんて、乗り組みさんたちはなかなかサービス精神旺盛です。

●この間、水管橋、大島橋とくぐって、下新橋を通過。やはり簡素なRC橋ながら、永代橋以降、だんだん街場の橋らしい雰囲気になってきました。

暑くなるこれからは、涼しげでいいでしょうね。庇の下のベンチでは、お昼寝をしたりと思い思いに憩う人の姿が見られました。
【撮影地点のMapion地図】
(27年6月20日撮影)
(『富岩運河で遊ぶ…11』につづく)

にほんブログ村
中島閘門ふたたび…3
(『中島閘門ふたたび…2』のつづき)

●閘室を出しな、戸袋に収まった前扉室扉体をちらりと。二枚の扉体が斜接する部分、木製の水密材が取り付けられているのがよくわかります。
手前、水密材の色が明るくなった部分は、接触でかかった圧にむらがあったのか、摺動で表面が摩耗したのでしょうか。いずれにせよ、水圧で大きく複雑な力が狭い面積にかかっていることが想像され、興味を惹かれるものがありました。

●こちらは閘室を出た直後、左舷側を振り返って眺めた放水路ゲート。閘門とは背割堤を挟んで平行した位置にあり、ご覧のとおりスライドゲートが7径間あります。
こちらも操作室同様、きれいに塗り替えられたようです。それだけでなく、巻上機や扉体も更新されたような‥‥。19年8月8日の写真(右)とみくらべてみると、扉体はともかく、すべてのゲートの巻上機が電動化され、傷みの激しかった面目を一新していました。

●離れゆく中島閘門を、船尾から名残惜しく見送って。クリーム色に塗られた、肉厚で味のある高欄を持つRC橋の名前は、何と永代橋! 簡素な橋の多い富岩運河にあって、ささやかながら外観に意を用いたことがうかがえる橋です。
閘門上流の水深はいかが、と魚探の感をのぞいてみると、1.26m。水深にくらべてレンジを深く取ってあるせいか、水底の状態はよくわかりませんでしたが、さっき見た下流より波打っているのは確か。こちらもまた、土砂の堆積が進んでいるのかもしれません。
【撮影地点のMapion地図】
(27年6月20日撮影)
(『富岩運河で遊ぶ…10』につづく)

にほんブログ村

●閘室を出しな、戸袋に収まった前扉室扉体をちらりと。二枚の扉体が斜接する部分、木製の水密材が取り付けられているのがよくわかります。
手前、水密材の色が明るくなった部分は、接触でかかった圧にむらがあったのか、摺動で表面が摩耗したのでしょうか。いずれにせよ、水圧で大きく複雑な力が狭い面積にかかっていることが想像され、興味を惹かれるものがありました。


こちらも操作室同様、きれいに塗り替えられたようです。それだけでなく、巻上機や扉体も更新されたような‥‥。19年8月8日の写真(右)とみくらべてみると、扉体はともかく、すべてのゲートの巻上機が電動化され、傷みの激しかった面目を一新していました。


閘門上流の水深はいかが、と魚探の感をのぞいてみると、1.26m。水深にくらべてレンジを深く取ってあるせいか、水底の状態はよくわかりませんでしたが、さっき見た下流より波打っているのは確か。こちらもまた、土砂の堆積が進んでいるのかもしれません。
【撮影地点のMapion地図】
(27年6月20日撮影)
(『富岩運河で遊ぶ…10』につづく)

にほんブログ村
中島閘門ふたたび…2
(『中島閘門ふたたび…1』のつづき)

●前扉室のバイパス管が開かれ、水音を立てて注水が始まりました。ここで辛抱たまらず、コンソール左舷側のハッチからバウに出て、沈みゆく扉体の裏側をものせんと膝をついて、カメラを構えました。もっとも無断というわけではなく、あらかじめお願いして「停まっている間のみ」ということで、了解は得ておいたのです。
河水の匂いに包まれながら、古典型マイタゲートの注水シーンに陶然。私と同じ気持ちだったのか、同乗の外人さんも出てきてスマホを構えたので、右にずれて場所を譲ると、満面の笑顔でお礼をいわれました。じりじりと満たされゆく水面を眺めつつ、ひたすらシャッター音を響かせる二人‥‥。
●ふと右舷側を振り返ると、鼻先に迫る側壁と船の間には、注水による波が白く泡立っているのが見えました。露出した骨材と幾多の擦過痕が、星霜を感じさせる側壁を間近に見られて、ちょっと得した気分。
閘程(水位差)は約2.5mあるので、足下がじりじりと上がって、周りの風景が開けてゆく充実感は相当なもの。閘門の醍醐味を味わえるボリュームがあるといってよいでしょう。ガイドさんはしきりに、「水位差は国内最大級」であることを強調しておられました。
‥‥ええと、もちろん現場では無粋なことはいいませんでしたが‥‥、ねえ?

●注水も終わりに近づいて、周囲が見渡せるようになってきました。前扉室のゲートが低く、開放前にしてすでに、前方の水面も視界におさめることができるのは、マイタゲートの贅といってよいでしょう。ローラーゲートではこうはいきません。
ここで、右岸側の側壁上に係の方が現れて、「お客さん、中に入れて!」と船長に指示が。動き出すので、もう戻った方がよいですね。空気を察したのか、船長から声がかかるより早く、外人さんも名残惜しそうに船内へ。

●自分の席に戻ったところで、モーターの唸りとともにゲートが開放開始。いや~、堪能した! しかし、注水による乱れた流れの中、もやいも取らずに船位を保った見事さ、船長は名人級とお見受けしました。
閘室から出るまぎわ、操作室(中島閘門操作所)を振り返って一枚。前回訪ねたとき(過去ログ『中島閘門…3』)とくらべて、崩れていた壁面は山吹色に塗りなおされ、窓枠もアルミサッシから、昔風のものに替えられたようで、すっかり装いを新たにしていました。
(27年6月20日撮影)
(『中島閘門ふたたび…3』につづく)

にほんブログ村

●前扉室のバイパス管が開かれ、水音を立てて注水が始まりました。ここで辛抱たまらず、コンソール左舷側のハッチからバウに出て、沈みゆく扉体の裏側をものせんと膝をついて、カメラを構えました。もっとも無断というわけではなく、あらかじめお願いして「停まっている間のみ」ということで、了解は得ておいたのです。
河水の匂いに包まれながら、古典型マイタゲートの注水シーンに陶然。私と同じ気持ちだったのか、同乗の外人さんも出てきてスマホを構えたので、右にずれて場所を譲ると、満面の笑顔でお礼をいわれました。じりじりと満たされゆく水面を眺めつつ、ひたすらシャッター音を響かせる二人‥‥。

閘程(水位差)は約2.5mあるので、足下がじりじりと上がって、周りの風景が開けてゆく充実感は相当なもの。閘門の醍醐味を味わえるボリュームがあるといってよいでしょう。ガイドさんはしきりに、「水位差は国内最大級」であることを強調しておられました。
‥‥ええと、もちろん現場では無粋なことはいいませんでしたが‥‥、ねえ?

●注水も終わりに近づいて、周囲が見渡せるようになってきました。前扉室のゲートが低く、開放前にしてすでに、前方の水面も視界におさめることができるのは、マイタゲートの贅といってよいでしょう。ローラーゲートではこうはいきません。
ここで、右岸側の側壁上に係の方が現れて、「お客さん、中に入れて!」と船長に指示が。動き出すので、もう戻った方がよいですね。空気を察したのか、船長から声がかかるより早く、外人さんも名残惜しそうに船内へ。


閘室から出るまぎわ、操作室(中島閘門操作所)を振り返って一枚。前回訪ねたとき(過去ログ『中島閘門…3』)とくらべて、崩れていた壁面は山吹色に塗りなおされ、窓枠もアルミサッシから、昔風のものに替えられたようで、すっかり装いを新たにしていました。
(27年6月20日撮影)
(『中島閘門ふたたび…3』につづく)

にほんブログ村