外輪を見ていた午後…3
(『外輪を見ていた午後…2』のつづき)

●ザーザーと水を噛む音と、湧き上がる水煙に包まれて回転する勇壮そのもののシーンを目前にすると、おっさんはもう異常な興奮状態に。脳内に渦巻くもろもろの興味は置いておいて、心ゆくまで堪能しなければ、気持ちがおさまらなくなってきました。
視線を後ろの水面にやると、これも生まれて初めて生で目にする、船尾外輪のウェーキが! まるでパドルの間隔を水面にスタンプしたように、点々と横向きの波が立つんだ‥‥。遠ざかるにつれて、波頭が盛り上がって砕けるのも面白く、スクリュープロペラとは全く異なる水の造形に、目を皿にして見入ったものです。

●いや~‥‥‥‥。
手すりにもたれて外輪を見つめたまま、約15分経過。
●ふと我に帰り、一層下の甲板に、外輪を間近に観察できるような、張り出し(参照)があるのに気づかされました。行ってみよう!
道々の壁面に掲げられていたデッキプランによると、最初に上がった4層目の最上甲板はスカイデッキ、今外輪を眺めていた3層目は、船室がクルーズデッキ、船尾露天甲板がテラスデッキ。その下、2層目の張り出しは‥‥。
パドルウォーク!
いい名前じゃないですか、まさに今の私のためにあるようなものです! ツボを心得たサービスぶりに、テンションはますます上昇するばかり。
●図を眺めていてもう一つ、気になったのは1層目(図の最下段)船尾の、「クランク室」と書かれた両舷それぞれある小部屋。ここから棒状のものが伸びて、外輪の軸に接しているような描かれ方をしていますね。
これは、プロトタイプにした米型川蒸気船を模して、外輪を駆動するレシプロ蒸気エンジンと、そこから伸びるロッドを、ダミイとして備えたことを示しているのでしょう。クランクは、外輪の軸の外側に付いているもので、部屋の中にあるのはピストン/シリンダーですから、「エンジン室」とでも呼んだ方がよろしいでしょう。それとも、かつての本物が、「クランク室」と呼んでいたのに従ったのかしら。
話を戻すと、気になったのは、外輪から「クランク室」に伸びているはずの2本のロッド、図とは違って、ロッドはもちろんクランクすらも見当たらなかったからです。ダミイの補修が負担にでもなって、外してしまったのかな? この疑問は後で、嬉しい発見につながりました。

●さっそくパドルウォークに下りると‥‥うひょ~!
水しぶきが時々かかるほど近い! 文字どおり眼前で繰り広げられる、このスペクタクルというか何というかその。パドルが水を叩き、上がってくる際にまた盛大に水をすくい上げて、滝のように落とす! その衝撃がズンズンズン、といった感じで、ハンドレールをつかむ手や、甲板を踏みしめる足に、ダイレクトに伝わってくる!

●このままさらに10分経過。
(26年9月21日撮影)
(『外輪を見ていた午後…4』に続く)

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●ザーザーと水を噛む音と、湧き上がる水煙に包まれて回転する勇壮そのもののシーンを目前にすると、おっさんはもう異常な興奮状態に。脳内に渦巻くもろもろの興味は置いておいて、心ゆくまで堪能しなければ、気持ちがおさまらなくなってきました。
視線を後ろの水面にやると、これも生まれて初めて生で目にする、船尾外輪のウェーキが! まるでパドルの間隔を水面にスタンプしたように、点々と横向きの波が立つんだ‥‥。遠ざかるにつれて、波頭が盛り上がって砕けるのも面白く、スクリュープロペラとは全く異なる水の造形に、目を皿にして見入ったものです。

●いや~‥‥‥‥。
手すりにもたれて外輪を見つめたまま、約15分経過。

道々の壁面に掲げられていたデッキプランによると、最初に上がった4層目の最上甲板はスカイデッキ、今外輪を眺めていた3層目は、船室がクルーズデッキ、船尾露天甲板がテラスデッキ。その下、2層目の張り出しは‥‥。
パドルウォーク!
いい名前じゃないですか、まさに今の私のためにあるようなものです! ツボを心得たサービスぶりに、テンションはますます上昇するばかり。
●図を眺めていてもう一つ、気になったのは1層目(図の最下段)船尾の、「クランク室」と書かれた両舷それぞれある小部屋。ここから棒状のものが伸びて、外輪の軸に接しているような描かれ方をしていますね。
これは、プロトタイプにした米型川蒸気船を模して、外輪を駆動するレシプロ蒸気エンジンと、そこから伸びるロッドを、ダミイとして備えたことを示しているのでしょう。クランクは、外輪の軸の外側に付いているもので、部屋の中にあるのはピストン/シリンダーですから、「エンジン室」とでも呼んだ方がよろしいでしょう。それとも、かつての本物が、「クランク室」と呼んでいたのに従ったのかしら。
話を戻すと、気になったのは、外輪から「クランク室」に伸びているはずの2本のロッド、図とは違って、ロッドはもちろんクランクすらも見当たらなかったからです。ダミイの補修が負担にでもなって、外してしまったのかな? この疑問は後で、嬉しい発見につながりました。

●さっそくパドルウォークに下りると‥‥うひょ~!
水しぶきが時々かかるほど近い! 文字どおり眼前で繰り広げられる、このスペクタクルというか何というかその。パドルが水を叩き、上がってくる際にまた盛大に水をすくい上げて、滝のように落とす! その衝撃がズンズンズン、といった感じで、ハンドレールをつかむ手や、甲板を踏みしめる足に、ダイレクトに伝わってくる!

●このままさらに10分経過。
(26年9月21日撮影)
(『外輪を見ていた午後…4』に続く)

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外輪を見ていた午後…2
(『外輪を見ていた午後…1』のつづき)
●「ミシガン」に乗り込んで桟橋を見下ろすと、陸上のスタッフが勢ぞろいし、手を振ってのお見送り。桟橋もご覧のとおりカラフルで、陽射しとあいまって明るい雰囲気にあふれています。
左手にもやう「ビアンカ」、高い目線から側面を見ると、乾舷より上部構造物の方が高い、内水船らしいスタイルが強調されて、さらに魅力的です。以前訪ねた、松島めぐりのフネブネ(『第三芭蕉丸の船旅…7』ほか参照)とも、相通ずるものがありますね。


●最大の楽しみは後にとっておこう‥‥などと、脳内でもったいをつけながら、まずは眺めのよい最上甲板へ。
●風そして湖面も穏やか極まりなし、かといって靄がかかっているわけでもなく、視程もまずまずで眺望も佳しと、船行きにはいうことなしの好環境。
桟橋を離れて間もなく、大津港からも見えていた防波堤の近くを通過。表面は石組みで、一見古そうに見えますが、昔からあるものでしょうか。4分割された間には、なぜかアーチ橋が渡されており、堤上には噴水がいくつも設けられて、出港前も巨大な水柱を見せてくれていました。

●さて、この船に乗った目的はただ一つ。まあ、いうまでもありませんが、
外輪が見たいから。
しかも、ダミイなどでなく、ちゃんと外輪で推進している(ここすんごく重要なので下線付き)客船は、国内でこの「ミシガン」をおいて他にないと聞けば、外輪川蒸気好きとして、乗らずにおらりょうかと。
ダイナミックに水しぶきを上げるその姿だけでなく、動力として使用に耐える外輪の構造は? 運転中の音はどんな感じ? 振動はどのくらい? などなど、「生外輪」の全てに興味が注がれるのであります!
(26年9月21日撮影)
(『外輪を見ていた午後…3』に続く)

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左手にもやう「ビアンカ」、高い目線から側面を見ると、乾舷より上部構造物の方が高い、内水船らしいスタイルが強調されて、さらに魅力的です。以前訪ねた、松島めぐりのフネブネ(『第三芭蕉丸の船旅…7』ほか参照)とも、相通ずるものがありますね。


●最大の楽しみは後にとっておこう‥‥などと、脳内でもったいをつけながら、まずは眺めのよい最上甲板へ。

桟橋を離れて間もなく、大津港からも見えていた防波堤の近くを通過。表面は石組みで、一見古そうに見えますが、昔からあるものでしょうか。4分割された間には、なぜかアーチ橋が渡されており、堤上には噴水がいくつも設けられて、出港前も巨大な水柱を見せてくれていました。

●さて、この船に乗った目的はただ一つ。まあ、いうまでもありませんが、
外輪が見たいから。
しかも、ダミイなどでなく、ちゃんと外輪で推進している(ここすんごく重要なので下線付き)客船は、国内でこの「ミシガン」をおいて他にないと聞けば、外輪川蒸気好きとして、乗らずにおらりょうかと。
ダイナミックに水しぶきを上げるその姿だけでなく、動力として使用に耐える外輪の構造は? 運転中の音はどんな感じ? 振動はどのくらい? などなど、「生外輪」の全てに興味が注がれるのであります!
(26年9月21日撮影)
(『外輪を見ていた午後…3』に続く)

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外輪を見ていた午後…1
(『大津閘門の周辺…5』のつづき)
●疏水東口から、先ほど降りた浜大津駅もほど近い、大津港にやって来ました。琵琶湖を一望できる人工丘に登ると、穏やかに晴れ渡った美しい湖面が視界いっぱいに広がり、胸のすくような眺め。お天気に恵まれたのは何よりでした。
さて、慌ただしく戻ってきたのは、何のためかというと‥‥。

●琵琶湖汽船の遊覧船、外輪船「ミシガン」に乗るためです!
‥‥なぜ出港風景を撮っているかというと、京都市動物園で遊具を堪能しすぎて、午前発の便に乗り遅れたのでした(泣)。

●大津閘門を訪ねる前に、乗船券は手に入れてあったので、さっそく改札ゲートの列に並んで桟橋へ。好天とあって、お客さんも多くなかなかの賑わい。
桟橋に横付けすると、船体がすっかり隠れてしまうあたりからして、すでに軽くコーフンさせるものが。低舷側・浅喫水の内水船に乗るんだという気分が、いやが上にも盛り上がります!
【撮影地点のMapion地図】
●右手の桟橋には、僚船である琵琶湖汽船の「ビアンカ」(1216t)に、「学習船」という変わった看板を掲げる「うみのこ」(928t、滋賀県立琵琶湖フローティングスクール運航)の姿も。
多層甲板を持つ大型船が、3隻も居並ぶ大津港、国内最大の内水ならではといったところです。かつては同様に観光と水運で栄えた内水面、霞ケ浦や宍道湖・中海が、今やさびしい現状なのにくらべると、やはり琵琶湖は京阪神圏に近く交通も至便という、恵まれた立地があればこそでしょう。

●内水大型船が並ぶのを見て盛り上がったところで、ここで手持ちの絵葉書から、戦前、湖南汽船・太湖汽船時代の船影を一枚。
昭和3年進水の「京阪丸」。垂直船首と、小ぶりにまとまった甲板室が時代を感じさせて、いいものです。Wikipedia「琵琶湖汽船」によれば、「京阪丸」を名乗っていたのは、ほんの短期間だったようですね。
(26年9月21日撮影)
(『外輪を見ていた午後…2』に続く)

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さて、慌ただしく戻ってきたのは、何のためかというと‥‥。

●琵琶湖汽船の遊覧船、外輪船「ミシガン」に乗るためです!
‥‥なぜ出港風景を撮っているかというと、京都市動物園で遊具を堪能しすぎて、午前発の便に乗り遅れたのでした(泣)。

●大津閘門を訪ねる前に、乗船券は手に入れてあったので、さっそく改札ゲートの列に並んで桟橋へ。好天とあって、お客さんも多くなかなかの賑わい。
桟橋に横付けすると、船体がすっかり隠れてしまうあたりからして、すでに軽くコーフンさせるものが。低舷側・浅喫水の内水船に乗るんだという気分が、いやが上にも盛り上がります!
【撮影地点のMapion地図】

多層甲板を持つ大型船が、3隻も居並ぶ大津港、国内最大の内水ならではといったところです。かつては同様に観光と水運で栄えた内水面、霞ケ浦や宍道湖・中海が、今やさびしい現状なのにくらべると、やはり琵琶湖は京阪神圏に近く交通も至便という、恵まれた立地があればこそでしょう。

●内水大型船が並ぶのを見て盛り上がったところで、ここで手持ちの絵葉書から、戦前、湖南汽船・太湖汽船時代の船影を一枚。
昭和3年進水の「京阪丸」。垂直船首と、小ぶりにまとまった甲板室が時代を感じさせて、いいものです。Wikipedia「琵琶湖汽船」によれば、「京阪丸」を名乗っていたのは、ほんの短期間だったようですね。
(26年9月21日撮影)
(『外輪を見ていた午後…2』に続く)

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大津閘門の周辺…5
(『大津閘門の周辺…4』のつづき)

●これはどう見ても、スイングゲート! 珍しいタイプの扉体で、それだけでも大興奮ですが、気になった理由は別にありました。それはさておき‥‥。
実物を目の前にすると、改めて疑問というか、気になることが出てきました。なぜ、琵琶湖側に閉まるような向きで造ってあるのか。なぜ、護岸高より扉体の天地がぐっと低いのか。なぜ、軸が軸受から上へ、寸法を余して飛び出しているのか。
●三番目の疑問は、扉体の天端に向かって、圧のかかっているらしい配管が伸びていることがヒントになりました。この扉体、密閉された箱状になっていて、パイプで空気か何かを出し入れすることにより、軸の高さ分上下する構造なのかも。
浮いた状態で回転させれば、力も少なくて済み、閉鎖するときはズシンと座りこませればいいわけですからね(間違っていたらごめんなさい)。確かセクターゲートに、同様の例があったはずです。
●一番目と二番目の疑問は、この施設の働きを知ることで解けました。ここは「琵琶湖第一疏水揚水機場」といって、水源たる琵琶湖の水位が低下した際、ポンプを動かして疏水の流量を確保するためのものだそう。
つまり、スイングゲートが閉められるような事態では、琵琶湖側が水位が低く、疏水側がわずかでも高くなっているということ。これで、扉体の高さや閉まる方向については、納得がいきました。

●で、何で気になっていたかというとですね。ご覧のとおり、琵琶湖側にももう一組、スイングゲートがありまして‥‥。
つまり、閘門くさい。
●Google航空写真で見て気づいてから、一度訪ねて確かめてみたいと思っていました。念願かなって実見したものの、果たして閘門の機能があるかどうかは、眺めただけではどうも判然としません。
注排水設備が見当たりませんが、扉体を細めに開けて(上下動機能ですき間を作って?)行うのかしら。ご存知の方、どうかご教示ください!

●しかし、二枚の扉があり、閘室(と目されるあたり)とその前後にも、フェンダーや乗降設備があって、見れば見るほど、いかにもといった雰囲気。
閘門かどうかはさておいて、琵琶湖の水位が低くなったとき、ここを活用して通船する光景を妄想するには、十分過ぎるものがありました。
【撮影地点のMapion地図】
(26年9月21日撮影)
(『外輪を見ていた午後…1』に続く)

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●これはどう見ても、スイングゲート! 珍しいタイプの扉体で、それだけでも大興奮ですが、気になった理由は別にありました。それはさておき‥‥。
実物を目の前にすると、改めて疑問というか、気になることが出てきました。なぜ、琵琶湖側に閉まるような向きで造ってあるのか。なぜ、護岸高より扉体の天地がぐっと低いのか。なぜ、軸が軸受から上へ、寸法を余して飛び出しているのか。
●三番目の疑問は、扉体の天端に向かって、圧のかかっているらしい配管が伸びていることがヒントになりました。この扉体、密閉された箱状になっていて、パイプで空気か何かを出し入れすることにより、軸の高さ分上下する構造なのかも。
浮いた状態で回転させれば、力も少なくて済み、閉鎖するときはズシンと座りこませればいいわけですからね(間違っていたらごめんなさい)。確かセクターゲートに、同様の例があったはずです。

つまり、スイングゲートが閉められるような事態では、琵琶湖側が水位が低く、疏水側がわずかでも高くなっているということ。これで、扉体の高さや閉まる方向については、納得がいきました。

●で、何で気になっていたかというとですね。ご覧のとおり、琵琶湖側にももう一組、スイングゲートがありまして‥‥。
つまり、閘門くさい。

注排水設備が見当たりませんが、扉体を細めに開けて(上下動機能ですき間を作って?)行うのかしら。ご存知の方、どうかご教示ください!

●しかし、二枚の扉があり、閘室(と目されるあたり)とその前後にも、フェンダーや乗降設備があって、見れば見るほど、いかにもといった雰囲気。
閘門かどうかはさておいて、琵琶湖の水位が低くなったとき、ここを活用して通船する光景を妄想するには、十分過ぎるものがありました。
【撮影地点のMapion地図】
(26年9月21日撮影)
(『外輪を見ていた午後…1』に続く)

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タグ : 琵琶湖疏水琵琶湖第一疏水揚水機場
大津閘門の周辺…4
(『大津閘門の周辺…3』のつづき)

●ズームでぐりぐりたぐり寄せてみると‥‥おおお! 一面赤錆びた、リベット組みのマイタゲートのディテールが、細部までくっきり。水門・閘門や、逆水防止樋門のマイタゲートは結構見られますが、暗渠の呑口に備えられたものって、珍しいですよね。
水流で扉の先端が立てるさざ波や、左側の扉上端に留まった、小鳥の姿まで観察できます。扉体の小口は凹になっていますが、ここに本来は角材か何かの、水密材がはめ込んであったのでしょうね。
右側の扉体の水際は錆び崩れて、スリット状に穴が開いてしまっており、そこから草が顔を出しているという、物悲しい姿。扉体もトンネル同様、明治の製造なのでしょうか?

●丹念に施された装飾に、伊藤博文が揮毫したといわれる、「気象萬千」の扁額、その上に刻まれた、田辺朔郎の業績を讃える英文も、枝葉越しながら見ることができました。来てよかった‥‥。
扁額や英文については、疏水全線を丹念にルポされたブログ「琵琶湖疏水を旅する・・・Ⅰ」の記事「第一トンネル東口洞門」で、説明板に記された詳細を見ることができます。ぜひご覧ください。
●扉体でいま一つ気になったのは、向かって左側の扉体に取り付けられた、ハンドルと軸の存在です。これは鹿関橋の上から撮ったもので、ちょっと写真が荒くなりますが、ご参考まで。
水平の軸に丸いハンドルが取り付けられ、ギャボックスらしいものを介して、垂直に下りている軸も見えますね。扉体を閉鎖した際の、ロック機構を操作するものでしょうか。それとも、開放する前に内外の水位を均衡させるため、スライドゲートが設けられていて、それを開閉するもの(『福地運河の水門…4』のように)か‥‥。
●さて、時間が少々押してきたこともあり、急ぎ坂道を下って上流側へ。京阪電車の鈑桁に、その向こうのRC橋も古そうで、惹かれるものがあるのですが、残念ながら今回はパス。
その向こう、琵琶湖と疏水が接する、呑口ともいうべき場所に、以前からすご~く気になっていた物件があるのですよ。

●当該物件に到着であります。水路はここでぐっと狭まり、左手には大きな排水機場のような建物、右手の護岸は高さを低め、フェンダーと柵を備えた船着場に近い造り。狭まった水路の、左手側壁に見えるアレ! 近づいて検分してみることに。
【撮影地点のMapion地図】
(26年9月21日撮影)
(『大津閘門の周辺…5』に続く)

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●ズームでぐりぐりたぐり寄せてみると‥‥おおお! 一面赤錆びた、リベット組みのマイタゲートのディテールが、細部までくっきり。水門・閘門や、逆水防止樋門のマイタゲートは結構見られますが、暗渠の呑口に備えられたものって、珍しいですよね。
水流で扉の先端が立てるさざ波や、左側の扉上端に留まった、小鳥の姿まで観察できます。扉体の小口は凹になっていますが、ここに本来は角材か何かの、水密材がはめ込んであったのでしょうね。
右側の扉体の水際は錆び崩れて、スリット状に穴が開いてしまっており、そこから草が顔を出しているという、物悲しい姿。扉体もトンネル同様、明治の製造なのでしょうか?

●丹念に施された装飾に、伊藤博文が揮毫したといわれる、「気象萬千」の扁額、その上に刻まれた、田辺朔郎の業績を讃える英文も、枝葉越しながら見ることができました。来てよかった‥‥。
扁額や英文については、疏水全線を丹念にルポされたブログ「琵琶湖疏水を旅する・・・Ⅰ」の記事「第一トンネル東口洞門」で、説明板に記された詳細を見ることができます。ぜひご覧ください。

水平の軸に丸いハンドルが取り付けられ、ギャボックスらしいものを介して、垂直に下りている軸も見えますね。扉体を閉鎖した際の、ロック機構を操作するものでしょうか。それとも、開放する前に内外の水位を均衡させるため、スライドゲートが設けられていて、それを開閉するもの(『福地運河の水門…4』のように)か‥‥。

その向こう、琵琶湖と疏水が接する、呑口ともいうべき場所に、以前からすご~く気になっていた物件があるのですよ。

●当該物件に到着であります。水路はここでぐっと狭まり、左手には大きな排水機場のような建物、右手の護岸は高さを低め、フェンダーと柵を備えた船着場に近い造り。狭まった水路の、左手側壁に見えるアレ! 近づいて検分してみることに。
【撮影地点のMapion地図】
(26年9月21日撮影)
(『大津閘門の周辺…5』に続く)

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