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6月14日の目黒川…8

(『6月14日の目黒川…7』のつづき)

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本村橋、谷山橋と過ぎたところで、左手に錆色のクレーン台船がもやっているのを発見。「あれっ、まだいたんだ!」と、ちょっと驚かされました。

154077.jpg23年、「7月24日の目黒川」でも、この対岸、谷山橋の橋詰近くで工事をしていたのに出会いましたが、あれ以来ここに住み着いているのでしょうか。工事にずいぶんかかっているのですね。水面はますますなめらかで、上空の電線注意をうながす三角の旗付きのロープまで、くっきりと映っています。

この手前から、3~4m台あった水深がだんだん浅くなり始め、ついに2m台前半までなってしまいました。そういえば、23年に来たときも、プロペラ後流が泥を巻き上げるほどでした。このあたりは河床勾配が緩くなっているとか、何らかの理由で浅くなりやすい区間なのかもしれません。

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154079.jpg輝く銘板も誇らしげな、荏原調節池の前を通過。しかし、ここに水が呑み込まれるときって、さぞすごい音がするのでしょうね。上に立っているビルにいたら、それこそ地響きが感じられそうでもあります。

そして個人的にそそる物件といえば、この船着場跡。鉄板で堤防高の不足分を補われた上、がっちり柵で囲まれて閉塞感がありますが、旧来の姿を保存したまま、生き残ってくれているのは嬉しいことです。

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市場橋、亀の甲橋、東急目黒線の鉄橋とくぐって、桜が水面近くまで枝を垂らす、緑濃い素敵な屈曲区間へ。ここを過ぎれば、あとはラストまでほぼ一直線です。
撮影地点のMapion地図

(26年6月14日撮影)

(『6月14日の目黒川…9』につづく)

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タグ : 目黒川台船

6月14日の目黒川…7

(『6月14日の目黒川…6』のつづき)

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154072.jpg少し角の立ったS字屈曲部を斜めに渡る、山手線上目黒川橋梁の桁側面に書かれた塗装表記が、ちょっと気になって撮ってみました。遠目に見ても、桁下面から立ちのぼるように錆が広がって、塗膜を広範囲で侵していたからです。

表記を読むと、89年‥‥つい最近だと思っていたら、もう25年も前ですか。少々傷みがくるのも、仕方のないところではあります。

桁裏もご覧のとおりで、一面きれいに‥‥というと語弊がありますが、むらなく赤茶けた鉄の肌が水面の反射をゆらゆら映し、どこか別世界のおもむきでした。

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154074.jpg東急池上線の鈑桁を仰いで。鉄道橋の多い目黒川可航部でも、ここは随一の眺めといってよいように思えます。河上を高所で渡る鉄道橋って、どこか爽快感がありますよね。その向こうには、真ん中にふくよかなバルコニーを張り出した、大崎橋の姿も見えますね。

大崎橋をくぐっている最中、魚探を見たら‥‥うわ、なんだこりゃ! と声をあげてしまいました。まるで北斎の「神奈川沖浪裏」に出てくる波のような、何ともマンガチックで信じがたいモニターの感! 

いったい何をどういじったら、河底のかたちがこんな風になるんだろう‥‥。それとも、単なる沈置物が、このような反応をしただけなのかしら。

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水位はまだまだ高く、第二京浜(桜田通り)、五反田大橋のすりぬけ感も相当なもの。肉厚のあるRC桁が、大道に架かる橋相応の幅にみっちりひしめく様子、頭上にズシリと重量をかけられたようで、鋼桁とはまた違った面白さがあります。
撮影地点のMapion地図

(26年6月14日撮影)

『6月14日の目黒川…8』につづく)

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タグ : 目黒川橋の裏側

6月14日の目黒川…6

(『6月14日の目黒川…5』のつづき)

154066.jpg訪ねるたびにカメラを向けてしまう、目黒川可航区間で唯一の下路式橋、鈴懸歩道橋に到達。アーチから下がる吊材が一切ない、そのいさぎよいスタイルにほれぼれとしつつも、ビルの谷間がつくる影に黒々と沈んで、鑑賞にはいま一つといったところ。

少しでも違った表情を見てみたいと、真下近くまで近づいてから仰いでみたところ、左右のアーチを結ぶ梁が垣間見えて、だいぶ普通(?)の橋に近い感じに。裏側の面白さを例に挙げるまでもなく、やはり橋は、見上げてみるにしくはありません。

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鈴懸歩道橋のすぐ上流、側面に噴水を備えて、1時間毎に放水するというギミックを持つ御成橋(過去ログ『目黒川の橋づくし…9』参照)。航行する船艇から見れば、何ともはやアレ(どれ?)な橋ではあります。

このときも、ノズルの先端を見上げつつ、恐る恐るくぐっていると‥‥、先端からしずくがしたたり落ちんとする瞬間をキャッチ! いや、いつジャーッとやられるかと、気が気じゃないんですよ、ホント。

154069.jpgこのあたり、南西岸のみ陽が射して、法面に垂らされた蔦や、護岸上の葉桜を照らし出し、緑の渓谷のようでなかなかきれいです。

そうそう、以前「7月24日の目黒川」で、船着場の機能があるかどうか不明、とした「五反田ふれあい水辺広場」(下写真)ですが、今回近寄って見てみたら、柵に設けられた扉の下にはフェンダーが、その前後の護岸には繋留用のアイもいくつか新設されていたので、船着場としての機能も追加されたようです。

ただ、扉の下にはハシゴが張り出しているので、艇から下げるフェンダーの位置をよほど気をつけないと、舷側をハシゴでガリガリやられてしまいますから、横付けするのにはちょっと勇気がいりそう。ここまで設備したからには、水面下の基礎護岸は撤去されたとみて、まず間違いないとは思いますが、今回確認はしていないので、確かなことはいえません。

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撮影地点のMapion地図

(26年6月14日撮影)

(『6月14日の目黒川…7』につづく)

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タグ : 目黒川橋の裏側

渡船と一銭蒸気に思いをはせて

152014.jpg最近古書店で出会った本ですが、これは小躍りしたくなりました。明治からの渡船や、一銭蒸気‥‥主に客用艀を曳く汽船航路のデータをまとめた、資料集だったからです。

今まで関心を持ちながら触れ得なかった世界だけに、大いに渇きをいやした気分になれました。以下覚え書き的に内容を紹介したいと思います。

「続きを読む」をクリックしてご覧ください

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タグ : 隅田川川蒸気船一銭蒸気絵葉書・古写真

6月14日の目黒川…5

(『6月14日の目黒川…4』のつづき)

154061.jpg居木橋をくぐって最初のカーブを過ぎると、ゲートシティ大崎ほかの、高層ビル群が間近に迫る区間が広がりました。建物と川がおりなす「街の渓谷」の風景は、都内のいくつかの水路でも見られ、それぞれ独特の味がありますが、まだ陽が低いせいで、河道は両岸の桜並木とともに黒々と埋没し、写真の写りはいま一つです。

影に沈む谷間から見上げると、陽光を浴びるビル群がよりいっそう輝いて見えますね。陽が射さなくとも、頭上にある陽射しの強さを目で感じられる、というのも、また佳き哉。

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154063.jpg森永橋を過ぎたあたりで、魚探のモニターに目を落とすと、水深はちょうど4mを指していました。下の赤い感でもわかるように、ところによっては凹凸が目立つところはあるものの、ヒヤリとさせるような浅場はないのが、目黒川のよいところ。

おや、左手にニューオータニイン東京があるあたり、グレーの桁が架け渡されているのを発見。両岸には錆色の足場のようなものが見え、その上に乗っているので、桁下高はかなりあります。建設途中の橋なのでしょうか。

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154065.jpg桁が迫ってから右手を見ると、竣工も近そうなコンクリート製のデッキが。両岸のビルとビルとを直接結ぶ、人道橋というか、ペデストリアンデッキのような施設を作るのでしょうか。

遠目に見た桁は、地味な色も手伝ってか、鉄道橋のような印象がありました。これが橋そのものになるのではなく、本来の桁を架けるための、足場のようなものなのかもしれません。
撮影地点のMapion地図

(26年6月14日撮影)

(『6月14日の目黒川…6』につづく)

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タグ : 目黒川