川っぺりは事件の匂い(なのか?)
●マリーナで、配布物のラックをふと見たら、「水の都 TOKYO LOCATION MAP ウォーターサイドのロケ地をめぐろう」と題した、二つ折のきれいな刷りものが目に留まり、手に取ってみました。都の産業労働局観光部が発行した、観光ガイドといったところです。
●「ロングバケーション」、「荒川アンダー ザ ブリッジ」ほか、ドラマや映画に縁遠い船頭でも、聞き覚えのあるタイトルがいくつか。ははあ、こうして眺めてみると、水辺が舞台となったお話も結構あるものだなあ、と感心しきり。
●そういえば、以前ご一緒した「新・鉄子の旅」のほあしかのこ先生に、「水辺の描写がキレイですよ!」とすすめられて、以来すっかりはまってしまった漫画「3月のライオン」も、佃島をモデルにした河畔の街が舞台の一つになっており、中央大橋や霊岸島の水位観測所、果ては住吉水門(過去ログ『住吉水門をくぐる』参照)までが背景に登場したりして、物語に彩りを添えていました。

●まあ、「TOKYO LOCATION MAP」に紹介された映画やドラマを、ひとつも見たことがないのが痛いところなんですが‥‥。
無理に話をつなげてみると、自分的に「水辺が出てくるドラマ」としてすぐに思い出されるのは、いわゆる「サスペンス劇場」のたぐい。お休みの日の午後なんかに再放送されている、「××殺人事件」などと題した探偵もののあれです。
●連れがこの手のドラマの熱心なファンで、私が見ているわけではないのですが、「岩淵水門が出ているよ!」「永代橋が見えてる!」とご注進されると、のぞきに行ってしまうことも一度や二度でなし。この数年、そんなことを繰り返して得た感想は、「この手のドラマ、主な舞台でないにせよ、水辺シーンの登場する確率がえらく高いんだなあ」ということでした。

●たびたび水路行に同行いただいている、特撮ファンのF記者によれば、3~40年前の特撮ドラマも水辺確率が高く、特に戦闘シーンが埋立地や河川敷、ときには水門の上でバトルを演じる例もあったとのこと。
●ううむ、ドラマの世界だけ拾ってみると、水辺にはつねに死体が上がって、刑事や探偵が息せき切って走り、特撮ヒーローが怪人と血で血を洗う死闘を繰り広げているという、事件の絶えない恐ろしい場所になってしまいます。
極端に考えれば、テレビドラマ漬けの人は、「川っぺりイコール剣呑な場所」と刷り込まれてしまう恐れがある(あるいは、あった)ということでしょうか?
●ドラマを作られている方からすれば、単に人気が少なく、特段の許可も不要でロケがしやすいから、といった理由で、特に意識して水辺に走っているわけではないのかもしれません。
ともあれ、「××殺人事件」が冠されれば、パブロフの犬さながらに川景色を期待してしまい、ドラマ自体にはさほど関心をよせていないおっさんが、ドラマ好きのおばさんのせいで約一名でき上がった、というお話でした。はい。

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●「ロングバケーション」、「荒川アンダー ザ ブリッジ」ほか、ドラマや映画に縁遠い船頭でも、聞き覚えのあるタイトルがいくつか。ははあ、こうして眺めてみると、水辺が舞台となったお話も結構あるものだなあ、と感心しきり。
●そういえば、以前ご一緒した「新・鉄子の旅」のほあしかのこ先生に、「水辺の描写がキレイですよ!」とすすめられて、以来すっかりはまってしまった漫画「3月のライオン」も、佃島をモデルにした河畔の街が舞台の一つになっており、中央大橋や霊岸島の水位観測所、果ては住吉水門(過去ログ『住吉水門をくぐる』参照)までが背景に登場したりして、物語に彩りを添えていました。

●まあ、「TOKYO LOCATION MAP」に紹介された映画やドラマを、ひとつも見たことがないのが痛いところなんですが‥‥。
無理に話をつなげてみると、自分的に「水辺が出てくるドラマ」としてすぐに思い出されるのは、いわゆる「サスペンス劇場」のたぐい。お休みの日の午後なんかに再放送されている、「××殺人事件」などと題した探偵もののあれです。
●連れがこの手のドラマの熱心なファンで、私が見ているわけではないのですが、「岩淵水門が出ているよ!」「永代橋が見えてる!」とご注進されると、のぞきに行ってしまうことも一度や二度でなし。この数年、そんなことを繰り返して得た感想は、「この手のドラマ、主な舞台でないにせよ、水辺シーンの登場する確率がえらく高いんだなあ」ということでした。

●たびたび水路行に同行いただいている、特撮ファンのF記者によれば、3~40年前の特撮ドラマも水辺確率が高く、特に戦闘シーンが埋立地や河川敷、ときには水門の上でバトルを演じる例もあったとのこと。
●ううむ、ドラマの世界だけ拾ってみると、水辺にはつねに死体が上がって、刑事や探偵が息せき切って走り、特撮ヒーローが怪人と血で血を洗う死闘を繰り広げているという、事件の絶えない恐ろしい場所になってしまいます。
極端に考えれば、テレビドラマ漬けの人は、「川っぺりイコール剣呑な場所」と刷り込まれてしまう恐れがある(あるいは、あった)ということでしょうか?
●ドラマを作られている方からすれば、単に人気が少なく、特段の許可も不要でロケがしやすいから、といった理由で、特に意識して水辺に走っているわけではないのかもしれません。
ともあれ、「××殺人事件」が冠されれば、パブロフの犬さながらに川景色を期待してしまい、ドラマ自体にはさほど関心をよせていないおっさんが、ドラマ好きのおばさんのせいで約一名でき上がった、というお話でした。はい。

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3月23日の水路風景…3
(『3月23日の水路風景…2』のつづき)

●くだんの工事現場の様子を見てゆこうと、勝鬨橋をくぐって河口部へ。中央径間の高欄にも、先ほどテラスにあったもものと同じ、通航止めの横断幕が。いよいよ勝鬨橋も、第一橋の座を譲る日が間近に迫ってきた‥‥見上げながら、そんな感を深くするシーンでした。
河口を望んでみると、長らく両岸近くにあった錆色の足場が取り去られて、少しさっぱりとした感じがします。完成した橋脚を眺めてみましょう。

●上が西側、右が東側の橋脚。表面には石張り風の装飾が施され、水切りの曲面には、何本かフェンダーも備えられていますね。天端には足場がかけられ、支承の工事に取り掛かっているようです。
「環状2号線隅田川橋梁(仮称)整備事業」(東京都第五建設事務所)でもわかるように、中路式のアーチという構造上、橋脚の背は低く、大潮の満潮時にはほとんど水面下に隠れてしまいそうですね。
完成予想図を見たかぎり、築地市場に横付けする鮮魚運搬船は、とてもくぐることができないように思えます。5月の中央径間架設後は、いよいよお役御免となるのでしょうか?

●ごめんなさい、東側の橋脚に吸い寄せられ過ぎて、左側を走ってしまいました‥‥。反航船がいないのが、せめてもの幸い。
浜離宮前から、築地市場と勝鬨橋が一望できる、戦前以来の「大川口」の川景色。この風景も、もうすぐ過去のものとなるのですね。よ~く眺めておこう。
(26年3月23日撮影)
(『3月23日の水路風景…4』につづく)

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河口を望んでみると、長らく両岸近くにあった錆色の足場が取り去られて、少しさっぱりとした感じがします。完成した橋脚を眺めてみましょう。


「環状2号線隅田川橋梁(仮称)整備事業」(東京都第五建設事務所)でもわかるように、中路式のアーチという構造上、橋脚の背は低く、大潮の満潮時にはほとんど水面下に隠れてしまいそうですね。
完成予想図を見たかぎり、築地市場に横付けする鮮魚運搬船は、とてもくぐることができないように思えます。5月の中央径間架設後は、いよいよお役御免となるのでしょうか?

●ごめんなさい、東側の橋脚に吸い寄せられ過ぎて、左側を走ってしまいました‥‥。反航船がいないのが、せめてもの幸い。
浜離宮前から、築地市場と勝鬨橋が一望できる、戦前以来の「大川口」の川景色。この風景も、もうすぐ過去のものとなるのですね。よ~く眺めておこう。
(26年3月23日撮影)
(『3月23日の水路風景…4』につづく)

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3月23日の水路風景…2
(『3月23日の水路風景…1』のつづき)
●大横川から隅田川に出てみると、対岸のテラスに黄色地の横断幕が掲げられているのに気づいて、近づいてみました。
橋梁工事に伴う隅田川通航止めのお知らせ(勝どき橋の約260m下流から浜離宮前まで)
1回目 平成26年4月21日(月)午前6:00~午後4:00 予備日4/22(火)
2回目 平成26年4月23日(水)午前6:00~午後4:00 予備日4/24(木)4/25(金)
3回目 平成26年5月7日(水)午前5:00~午後4:00 予備日5/8(木)5/9(金)
おお! ついに環状2号線の新橋梁、架設工事が始まるようですね。間近で眺められる場所も多いことだし、実施日を楽しみにしている方も少なくないのではないでしょうか。このお知らせにつられて、下流へと舵を切ってみることに。

●このところご無沙汰していた、霊岸島水位観測所にも近寄ってご挨拶。
一番上の梁の部分、トリさんの社交場(?)になっている印象が強いのですが、この日は一羽もおらず、ひっそりとしていました。

●佃大橋上流西岸、湊3丁目のテラスで引き波にゆられているポンツン桟橋は、横浜マリン石油・東京支店の桟橋。こちらは本船に給油する、油船の桟橋だったかな?(間違えていたらごめんなさい)
水路の給油所というと、たびたび紹介している、汐見運河の第一石油販売が思い出されます。細い水路の奥に、こじんまりとたたずむ第一石油販売とくらべると、こちらは賑やかな都大路の水辺に、しかも大きな桟橋でと対照的ですが、どっしりと構えたこちらも風格があり、嫌いではありません。
●で、こちらがその、横浜マリン石油さんの油船‥‥だと思うのですが。
油を満載しているのか、ずっしりと喫水を沈めており、残念ながら船名は確認できませんでした。こちらのリストに載っているうちのどれかかなあ。引き波も重量感たっぷりといったところ、しばらくゆらり、ゆらり。

●明石町・聖路加ガーデン前船着場では、水辺ラインの下航便「あじさい」が客扱い中。
デッキに出ているお客さんに、いっせいに視線をそそがれ、不審船としては身のちぢまる思いであります、はい。
【撮影地点のMapion地図】
(26年3月23日撮影)
(『3月23日の水路風景…3』につづく)

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橋梁工事に伴う隅田川通航止めのお知らせ(勝どき橋の約260m下流から浜離宮前まで)
1回目 平成26年4月21日(月)午前6:00~午後4:00 予備日4/22(火)
2回目 平成26年4月23日(水)午前6:00~午後4:00 予備日4/24(木)4/25(金)
3回目 平成26年5月7日(水)午前5:00~午後4:00 予備日5/8(木)5/9(金)
おお! ついに環状2号線の新橋梁、架設工事が始まるようですね。間近で眺められる場所も多いことだし、実施日を楽しみにしている方も少なくないのではないでしょうか。このお知らせにつられて、下流へと舵を切ってみることに。

●このところご無沙汰していた、霊岸島水位観測所にも近寄ってご挨拶。
一番上の梁の部分、トリさんの社交場(?)になっている印象が強いのですが、この日は一羽もおらず、ひっそりとしていました。

●佃大橋上流西岸、湊3丁目のテラスで引き波にゆられているポンツン桟橋は、横浜マリン石油・東京支店の桟橋。こちらは本船に給油する、油船の桟橋だったかな?(間違えていたらごめんなさい)
水路の給油所というと、たびたび紹介している、汐見運河の第一石油販売が思い出されます。細い水路の奥に、こじんまりとたたずむ第一石油販売とくらべると、こちらは賑やかな都大路の水辺に、しかも大きな桟橋でと対照的ですが、どっしりと構えたこちらも風格があり、嫌いではありません。

油を満載しているのか、ずっしりと喫水を沈めており、残念ながら船名は確認できませんでした。こちらのリストに載っているうちのどれかかなあ。引き波も重量感たっぷりといったところ、しばらくゆらり、ゆらり。

●明石町・聖路加ガーデン前船着場では、水辺ラインの下航便「あじさい」が客扱い中。
デッキに出ているお客さんに、いっせいに視線をそそがれ、不審船としては身のちぢまる思いであります、はい。
【撮影地点のMapion地図】
(26年3月23日撮影)
(『3月23日の水路風景…3』につづく)

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3月23日の水路風景…1
(『汐浜運河の浚渫船団』のつづき)
●汐浜運河から、平久川を経て大横川へ、桜の様子見と舵を切りました。春の陽を浴びて、穏やかな水面に姿を映す水門、のんびりとした表情ながら、十字流のヌシたる風格も感じさせます。
桜の時季には早いとあって、誰もいない静かな平久川を遡上し、大横川との変則十字流にさしかかると‥‥。

●あっ、平野橋のあたり、何か工事をしている!
左の護岸上からはクレーンがジブをもたげ、作業艇らしい船影も見られ、右の護岸では、鋼管の基礎か何かを打ち込んでいるようです。閉塞していなければいいけれど‥‥。
【撮影地点のMapion地図】

●ズームでたぐり寄せてみると、う~んこれは、平野橋の架け替えのフンイキ濃厚。帰宅後検索してみると、「平野橋架替工事」(江東区)がヒット。むむむ、やはり!
記事によると、現在の工事は「平野橋架替工事(その1)」と称し、現橋の撤去と橋台工事を、25年7月12日から27年1月20日の工期で行うとのこと。また一つ、味のある橋が消えてしまうのだなあ‥‥。「平野橋はアーチだった?」で触れた、アーチだか方杖ラーメンの支承跡も、取り去られてしまうのでしょうね。
●これで当分、下流側からの狭水路通航と、茂森橋ほかのすり抜けもおあずけになってしまいそう‥‥と、少々気落ちしつつ舵を左へ。
東富橋のトラスがおりなす造形に少し癒された気持ちになり、桜の塩梅は如何、と眺めた風景は、すでにこちらでご覧に入れたとおりです。

●黒船橋船着場には、例年どおり「和船友の会」の和船船隊が、オーニングをかむった状態でスタンバイ。桜まつりの季節も近いことを感じさせて、お花見はできなくとも、どこかウキウキとした空気を味わうことができました。
(26年3月23日撮影)
(『3月23日の水路風景…2』につづく)

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桜の時季には早いとあって、誰もいない静かな平久川を遡上し、大横川との変則十字流にさしかかると‥‥。

●あっ、平野橋のあたり、何か工事をしている!
左の護岸上からはクレーンがジブをもたげ、作業艇らしい船影も見られ、右の護岸では、鋼管の基礎か何かを打ち込んでいるようです。閉塞していなければいいけれど‥‥。
【撮影地点のMapion地図】

●ズームでたぐり寄せてみると、う~んこれは、平野橋の架け替えのフンイキ濃厚。帰宅後検索してみると、「平野橋架替工事」(江東区)がヒット。むむむ、やはり!
記事によると、現在の工事は「平野橋架替工事(その1)」と称し、現橋の撤去と橋台工事を、25年7月12日から27年1月20日の工期で行うとのこと。また一つ、味のある橋が消えてしまうのだなあ‥‥。「平野橋はアーチだった?」で触れた、アーチだか方杖ラーメンの支承跡も、取り去られてしまうのでしょうね。

東富橋のトラスがおりなす造形に少し癒された気持ちになり、桜の塩梅は如何、と眺めた風景は、すでにこちらでご覧に入れたとおりです。

●黒船橋船着場には、例年どおり「和船友の会」の和船船隊が、オーニングをかむった状態でスタンバイ。桜まつりの季節も近いことを感じさせて、お花見はできなくとも、どこかウキウキとした空気を味わうことができました。
(26年3月23日撮影)
(『3月23日の水路風景…2』につづく)

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汐浜運河の浚渫船団

汐浜運河を西航していたら、こじんまりとした小型の浚渫船団が錨泊しているのを発見、物珍しさから近づいてみました。
手前に、スパッドを高々と上げ、曳船を横抱きでもやった浚渫船、奥には長々とパイプが続き、さらった泥土を土運船に積み替える台船もいるようです。

●ポンプ式浚渫船のカッターを近くで眺めるのは、これが初めてかも。特撮に出てくる兵器のような、禍々しくも頼もしいその姿、力強くどこまでも掘り進んでくれそうに錯覚してしまいます。

●今回気になったのは、むしろこちらの曳船、いや、揚錨船というべきでしょうか。両舷に、後付け感ありありの大きなバルジを抱え込んでいる!
揚錨船の機能を追加するに当たり、浮力が足りなくなったので取り付けたとか、来歴をあれこれ想像してしまいますよね!


少し西、洲崎南水門の近くまで進むと、もう一隻の「バルジ付き揚錨船」が! う~ん、こちらの方が大型で、後付け感もさらに露骨(?)だなあ‥‥まるで、FRP和船を横抱きしているように見えます。ちなみに船名は「あさぎり」でした。
【撮影地点のMapion地図】
(26年3月23日撮影)
(『3月23日の水路風景…1』につづく)

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