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曇り空の京浜運河で

(『9月28日のタイクーン』のつづき)

135086.jpg港内を横断して、大黒大橋をくぐると、雲ますます濃く、黒みを増して凄味のある形相。自然に行き足も速くなろうというものです。ホームスピードというやつでしょうか。

右手、大黒埠頭には、いつも郵船の自動車運搬船がもやっていますが、通ったときはここだけ陽がさして、曇天をバックに輝いていました。

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頭上の重苦しさにせきたてられて、京浜運河を東航していると、F記者がふと、「アレ、何ですか?」と、興味をそそられた様子で指さしました。

近づいてみると、なるほど面白そうな物件です。左右に伸びたトラス状の構造は、右手の塔状構造物からワイヤーで吊られており、水面上にぐるりと回転する仕組みのようですね。ばら荷の揚搭設備でしょうか。蔦が絡まっているところ見ると、もう使われていないのでしょう。

帰宅後、Google航空写真で見たところ、これらしきものを発見。後ろに見えるタンクは、すぐ近くにあるように思えましたが、上空から眺めるとかなりの距離があります。あまりにも大きいので、近くにあると錯覚したようです。

135088.jpg揚搭設備を離れて、ふたたびホームスピードでの前進。後ろを振り返ってみると、直上の重苦しさとは裏腹に、横浜上空はまだ晴れているようですね。

雲の濃淡からすると、どうやら我が艇は、剣呑な方向へと突っ込んで行っているような…。どうか、降られませんように。



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京浜運河から塩浜運河へ入り、千鳥運河へさしかかろうとするあたりで、F記者のテンションが急上昇。逆光に黒く沈む両岸の工場群に一眼レフを向け、しきりに「いいですねえ!」を連発しています。

なるほど、いわれてみると、悪の要塞を思わせるような、禍々しく迫力のある表情で、好天下とはまた違った面白さ。先ほどの揚搭設備といい、さすが目のつけどころが違いますね。

135090.jpgこの後、千鳥運河に入ってから、ついに小雨がぱらつき出してしまいました。もっとも、海老取川に入るころにはそれも止み、さらに進んで芝浦運河地帯では、夕焼けで赤く照らされるまでに回復。

「いずも」も堪能できたし、久しぶりに横浜の水路も味わえて、楽しい一日でした。そういえば、大岡川にもご無沙汰しています。また近いうちに、再訪してみようかしら。
撮影地点のMapion地図

(25年9月28日撮影)

(この項おわり)

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タグ : 京浜運河塩浜運河高浜西運河