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11月1日の運河風景…2

(『11月1日の運河風景…1』のつづき)

137006.jpg曳船がほぼ正横に来たところで一枚。チョコレート色に塗り上げられた船体が珍しく、船長は天蓋から身を乗り出して、後ろに続くクレーン船を注視していました。船名は「兄弟丸」。

クレーン船、二基搭載の結構な大型…と思ったら、2隻を背中合わせに繋いであるようですね。ジブをすでに上げているところから見ると、橋のある京浜運河には入らず、干潟の澪筋をぐるりと4分の3周し、京浜南運河から港内へ出るのかもしれません。

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137008.jpg海老取運河に入ると、羽田水上派出所の桟橋にエンジンをかけた警備艇「あじさい」と、乗り組みの警察官の姿が。塗り替えたばかりなのでしょう、艇の赤い船底色と白い船体のコントラストが美しく、目に沁みるよう。

休日なら、艇こそもやっていても、人影なく静まり返っているのが普通ですが、これも平日ならでは、生き生きと活動する水上派出所の姿を目にすることができました。


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デッドスローで海老取川に入り、空港間近とは思えない静けさを堪能しながら、稲荷橋を振り返って一枚。

秋の低い陽射しに照らされた、オレンジ色の桁がきれい。このタイプの橋脚を持つ橋も、都内の可航水路ではだんだん見られなくなってきました。
撮影地点のMapion地図

137010.jpg例のごとく海老取川澪筋をうねって抜け、多摩川本流へ出てしばらく下るわけですが、川崎側に横たわる浅瀬を示す澪標の列、ご覧のとおりその大半がちびてしまっており、遠目にはほとんど視認できないものもあって、まあ、その怖いことったら。

もちろん微速で、エンジンは半ばチルトアップし、魚探の感とGPSのログを、交互ににらみながらのそろそろ歩き。何度も通って、なじんでいればこそ何とかだませるものの、初めての艇が通ったら、座洲をしかねないでしょう。海老取川澪筋のように、恒久的な航路標識の整備(過去ログ『海老取川澪筋に灯標新設』参照)が望まれるところではあります。


(25年11月1日撮影)

(『11月1日の運河風景…3』につづく)

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タグ : 平和島運河海老取運河海老取川多摩川曳船台船水上派出所羽田水上派出所

11月1日の運河風景…1

137001.jpg11月1日はお休みをいただいて、ふたたびの横浜行きとなりました。前回に懲りて海路は避け、手堅く内水路ロングランコースで、おなじみの運河・川づたいに横浜を目指します。

今回お付き合いいただいたのは、船頭が公私ともにお世話になっているM艇長。往路東京側はM艇長に舵をお願いし、穏やかな秋晴れの下もやいを解き、東雲水門を通って南下開始。道々の運河風景をスナップしつつまいりましょう。

137002.jpg第一航路を横断し、京浜運河に入ろうと品川埠頭北端をかすめたところ、住友大阪セメントの岸壁で本船が荷役中でした。

写真ではよくわからないかもしれませんが、円筒形のバランスウェイトがついたアンローダーが、ホールドの中に深々と差し込まれ、もりもりと荷揚げをしています。平日ならではの見ものですね。



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その西側、湾岸署別館前の警備艇溜。手前二隻の小型警備艇、「あじさい」「だいば」が排気煙を上げて、出港準備中。これから水路巡邏に向かうのでしょうか、ご苦労さまです!

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大井埠頭の区間に入ったところで、周囲に誰もいなくなったのを見計らい、ぐっとスロットルを倒してもらいました。

舵は1級免許保持者のM艇長におまかせしているとあって、安心しきって写真撮り放題。低い目線でウェーキをねらい、普段に倍するスピード感を味わうなど、甘えさせていただきました。

137005.jpg昭和島南方、平和島運河の干潟区間に出て、ブイを90°曲がったところで曳船が出現。羽田可動橋の上からジブを突き出すほどの、大きなクレーンを載せた台船を曳いています。

おおお、これは結構デカいですね、などと話し合いながら、艇を杭列ギリギリまで寄せ、重々しい爆音とともに迫りくる二隻を避航。澪筋の可航幅が、ちょっと足りなく思えるような大きさです。
撮影地点のMapion地図

(25年11月1日撮影)

(『11月1日の運河風景…2』につづく)

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タグ : 東雲運河京浜運河平和島運河曳船台船警備艇東雲水門

土浦再訪…2

(『土浦再訪…1』のつづき)

136040.jpgせっかくの上天気、史跡めぐりも楽しいですが、やはりご当地の水辺に繰り出さなくては収まらなくなり、前回もお世話になったラクスマリーナの遊覧船・ホワイトアイリスに乗ることにしました。30分~1時間おきに出航しているので、ふらりと立ち寄って気軽に乗れるのが嬉しいですね。

切符を買って乗り込んでみると、この便は沖へ出てから、観光帆引き船の実演を見せてくれるとのこと! 霞ヶ浦の代名詞ともいえる有名な帆引き船、見るのはもちろん初めてなので、楽しみに出航を待ちました。

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タグ : 霞ヶ浦ホワイトアイリス

土浦再訪…1

136001.jpg10月13日は、霞ヶ浦畔の土浦を再訪してきました。昨年5月4日(『ホワイトアイリスに乗って…1』ほか参照)に訪ねた後、興味が湧いていくつか見てみたくなった場所ができたこともあり、秋のドライブと洒落込んでみたのです。

幸い、穏やかで気持ちのよい秋晴れに恵まれて、水運に関連するもの以外にも、さまざまな興味深い物件に出会うとことができ、楽しめました。
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タグ : 川口川閘門土浦市立博物館

曇り空の京浜運河で

(『9月28日のタイクーン』のつづき)

135086.jpg港内を横断して、大黒大橋をくぐると、雲ますます濃く、黒みを増して凄味のある形相。自然に行き足も速くなろうというものです。ホームスピードというやつでしょうか。

右手、大黒埠頭には、いつも郵船の自動車運搬船がもやっていますが、通ったときはここだけ陽がさして、曇天をバックに輝いていました。

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頭上の重苦しさにせきたてられて、京浜運河を東航していると、F記者がふと、「アレ、何ですか?」と、興味をそそられた様子で指さしました。

近づいてみると、なるほど面白そうな物件です。左右に伸びたトラス状の構造は、右手の塔状構造物からワイヤーで吊られており、水面上にぐるりと回転する仕組みのようですね。ばら荷の揚搭設備でしょうか。蔦が絡まっているところ見ると、もう使われていないのでしょう。

帰宅後、Google航空写真で見たところ、これらしきものを発見。後ろに見えるタンクは、すぐ近くにあるように思えましたが、上空から眺めるとかなりの距離があります。あまりにも大きいので、近くにあると錯覚したようです。

135088.jpg揚搭設備を離れて、ふたたびホームスピードでの前進。後ろを振り返ってみると、直上の重苦しさとは裏腹に、横浜上空はまだ晴れているようですね。

雲の濃淡からすると、どうやら我が艇は、剣呑な方向へと突っ込んで行っているような…。どうか、降られませんように。



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京浜運河から塩浜運河へ入り、千鳥運河へさしかかろうとするあたりで、F記者のテンションが急上昇。逆光に黒く沈む両岸の工場群に一眼レフを向け、しきりに「いいですねえ!」を連発しています。

なるほど、いわれてみると、悪の要塞を思わせるような、禍々しく迫力のある表情で、好天下とはまた違った面白さ。先ほどの揚搭設備といい、さすが目のつけどころが違いますね。

135090.jpgこの後、千鳥運河に入ってから、ついに小雨がぱらつき出してしまいました。もっとも、海老取川に入るころにはそれも止み、さらに進んで芝浦運河地帯では、夕焼けで赤く照らされるまでに回復。

「いずも」も堪能できたし、久しぶりに横浜の水路も味わえて、楽しい一日でした。そういえば、大岡川にもご無沙汰しています。また近いうちに、再訪してみようかしら。
撮影地点のMapion地図

(25年9月28日撮影)

(この項おわり)

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タグ : 京浜運河塩浜運河高浜西運河