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千代田区役所船着場の通船

先週の17日、内堀通りから千代田区役所の脇の道に入り、宝田橋を渡りつつ川面に目をやると、おお! 区役所の船着場に通船がもやっている!

この日は予備のカメラをポケットに忍ばせていたので、さっそく一枚スナップ。平日の道々に、川で船に出会えると嬉しくなります。甲板を青に、内外舷を白く塗り分けた、この古典的というか、正統派スタイルの通船。芝浦通船(『6月3日の芝浦運河地帯…3』ほか参照)の所属に間違いありません。


この日は河水のコンディションがあまりよくなかったのか、屈曲の外側ということも手伝い、艇や桟橋の周りは浮流物でぎっしりです。ゆっくり眺める時間はなかったものの、ほんの数十秒高欄にもたれて、伝統的(?)「ツーセン」スタイルをほれぼれと堪能。

ふと、非達着舷のタイヤフェンダーが、揃ってきちんと甲板上に引き上げられているのに気づかされました。う~ん、この心遣い細やかなあたりが、さすが芝浦通船! 船体の手入れのよさとともに、乗り組みの方の心意気というか、艇を大切にする社風が、伝わってくるような気がしたものでした。
撮影地点のMapion地図

(25年7月17日撮影)

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タグ : 日本橋川通船高架下水路

5月14日の水路風景…3

(『5月14日の水路風景…2』のつづき)

125016.jpg勝どきマリーナを出港、隅田川を遡上し始めて間もなく、左舷に山吹色の本船が同航しているのに気づきました。あっ、魚介運搬船「第一八幡丸」だ!

築地市場の桟橋にもやっている姿は、今まで幾度となく見かけましたが、航行している姿を見たのは初めてです! ほとんど行き足を落としていたので、船首波もかすかではありましたが、舷側からの排水のしぶきを後ろになびかせ、接岸に備える瞬間を横目でパシャパシャ。いや~、「早起きは三文の得」とは、よくいったものだ(ちょっと違う気がするぞ)とニンマリ。

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125018.jpg日本橋川に入って、何より気になっていたのが、支保工で支えられた常磐橋のこと。5月5日に陸路訪ねたときは、休日だったので人気はありませんでしたが、やはり今回は、橋の上に何人かヘルメット姿の人たちが見られます。

さらに左径間、奥にはボートも停まっているようですね。何か作業中なのでしょうか。


125019.jpg左径間には、「工事中につき通り抜けできません」という、新しい看板がかかっていました。奥に見られた艇は、やはり作業中だったようですね。

橋の上に立っていた方々に、手ぶりで右径間に誘導され、こちらも手ぶりで応諾。スロットルをしぼって、支保工初くぐり(?)とまいりましょう。



125020.jpg
A.P.表記にもあるように、我が艇にとっては余裕しゃくしゃくの高さであることはわかっているものの、上から見下ろすのとは大いに違って、かなりの圧迫感。どうか、うまく修復してもらえますようにと、心の中で祈りながらの微速航行。

しかし、水位尺、看板、旗、水平のポールと、赤を配色した器具が視界に集中しているせいか、まるで運動会かお祭りのよう。常磐橋も、こんなにカラフルな装いになったのは、もちろん生まれて初めてでしょう。
撮影地点のMapion地図

(25年5月14日撮影)

(『5月14日の水路風景…4』につづく)

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タグ : 隅田川日本橋川高架下水路常磐橋

5月14日の水路風景…2

(『5月14日の水路風景…1』のつづき)

125011.jpgかしまの後ろに並列してもやうのは、護衛艦いそゆき(ハルナンバー127)と、練習艦しらゆき。

はつゆき型には、過去にもたびたび晴海で出会っている(『7月23日のフネブネ…3』ほか参照)ので、親しみを覚えます。光の加減か、はたまた2隻重なっているからか、上部構造やラティス・マストがより重厚に見えて、ベテラン艦らしい魅力を発散しているように感じられました。

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125013.jpg練習艦隊をゆっくり眺めてから、朝潮運河を北上し、新月島運河の集合場所へ。朝凪の時間帯とあって、港内に出ても水面はまろやかで、行き来する船影も少なく、引き続き爽やかな空気を楽しみつつの移動です。

新月島運河の新島橋も、ご覧のとおり架け替え工事が行われており、向こうには鋼矢板が打ち込まれているのが見えますね。


125014.jpg今回の集合場所であり出発地点でもある、勝どきマリーナに接岸。「本橋発動機(株)」の抜き文字を掲げた、渋いクレーンにシビレる船頭。この日は定休日だったのですが、本橋専務自ら出迎えてくださり、恐縮至極でありました。

本橋専務が淹れてくださった、美味しいアイスコーヒーをいただきながらお話をうかがうと、創業実に85年、社名のとおり、かつては舶用焼玉エンジン(!)の製造販売もしておられたのだとか。

125015.jpg大型船のエンジン整備のご苦労話など、船頭的にストライクゾーンど真ん中の興味深いお話ばかりで、楽しく拝聴していたら、間なしにH艇長の艇が接岸。スタッフも到着されて、打ち合わせしつつ出航準備へ。

間近に浜前水門、その向こうに隅田川と築地市場を控え、都心といってよいこの地で盛業されている、「船いきれ」に満ちたこの一角! 都内の水路から、船溜が急速に姿を消していることもあり、この雰囲気がたまらなく貴重に思えたものでした。
撮影地点のMapion地図

(25年5月14日撮影)

(『5月14日の水路風景…3』につづく)

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タグ : 春海運河新月島運河護衛艦浜前水門

5月14日の水路風景…1

125006.jpg5月14日のロケハンの道々で見た、川景色やフネブネを。7時過ぎに出港、普段はネボスケで、9時以前に出ることはめったにないため、早朝の爽やかな空気の中を走るというだけで、新鮮で嬉しいものがありました。

朝の赤味がかかった陽光に輝く、東雲橋をくぐって東雲運河を南下。橋脚は耐震補強が成り、桁も塗り替えられたのかさっぱりした感じ。港湾部の古い鋼桁橋は、方々で架け替えが相次いでいるのですが、これなら当分は大丈夫そうですね。

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誰もいないのをいいことに、東雲運河を全速力ですっ飛ばしていると、前方に対向船を発見、スロットルをしぼって反航。船名は「あおぞら」、通船でしょうか。白い船体や甲板室に、エンジの甲板色がよく映えた、きれいな艇でした。

125008.jpg集合場所に直行してもよかったのですが、まだ時間に余裕があることもあり、ちょっと寄り道することに。このとき晴海埠頭には、海上自衛隊の練習艦隊が接岸していたのです。

練習艦かしま以下の3隻が、うっすら靄のかかる中、朝日を浴びてたたずむ姿が爽やかで格好よく、以前何度か見かけたときとは、また違った魅力を感じたものでした。

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左舷に2隻ある装載艇のうち、将官艇(でしたっけ?)のスマートさに惹かれてアップで。磨きあげられた紺色の船体、流れるようなラインに惚れ惚れ。世界を股にかけて周航する艦だけあって、装載艇一つにも格の違いが感じられます。

125010.jpg後甲板では、すでに多くの乗組みの皆さんがおられて、艦旗掲揚前のせいか、どこかリラックスした様子。「総員起こし」が0600、艦旗掲揚が0800でしたか(間違っているかも)、すでに訓練は始まっているようで、艦上のそこここから笛の音や、号令をかける声が聞こえていました。

後甲板のオーニング、右手に見える太い枠が、レールの上を左から右へ移動するにつれて、蛇腹のように順次繰り出される仕組みになっているのですね。


(25年5月14日撮影)

(『5月14日の水路風景…2』につづく)

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タグ : 春海運河東雲運河護衛艦通船

6月23日のフネブネ

(『行徳可動堰の改修…2』のつづき)

127021.jpg6月23日、旧江戸川の道々で出会った、フネブネのスナップを。まずは新中川との合流点近く、三共油化の桟橋に変わらぬ姿を休める、第十一長榮丸。

毎度のことながら、通るのはほとんど休日のため、喫水の上がった繋留中の姿しか見たことがありません。油槽船らしくずっしり沈んだ満載状態で、旧江戸川を悠然と遡上するところも、いつか出会ってみたいものです。


127022.jpg今井橋上流にある川のマリーナ、ジー・マリンの岸壁に、これは珍しい、小型水上バスタイプの客船が。

甲板室後部に「勝どき」の文字が見えるところからすると、都内に母港のある船ですよね。築地川あたりにもやっていたのかしら…。こちらのマリーナは、多彩な貸切艇を保有しておられるので、もしかすると、新たなチャーターボートとして、改装待ちなのかもしれません。


127023.jpg
今回、もっとも意識を吸い寄せられた、「珍船」というべき船がこれ! 藤代繁造船所にもやっていた曳船、船名は「第二うつみ」。

操舵室の基部が昇降式で、押し船として使うときは、視界を確保できるよう、伸びあがる構造になっているのは理解できたのですが…。泣かせるのが、いかにも「伸びたり縮んだりできるよ!」といわんばかりに、パンタグラフ様のフレーム(?)が見えていること! 

この操舵室、出入りするときは、いちいち下まで降ろさないといけなそうですね。伸縮式のステップを付けておけばいいのにと、いらぬ心配をしてしまいます。低い橋なんかにソーッと近づいておいてから、おもむろに操舵室だけウィ~ンと飛びださせ、歩行者を驚かせてみたい…などと、あらぬ方向に妄想が及びましただ!

127024.jpg「第二うつみ」の前には、ハルナンバー「視16」、湾岸署の警備艇「はくちょう」のおなじみの姿も。

最近は警備艇も、保安庁船艇なみに船体色を白くする傾向があるようですが、こちらはまだグレーのまま。白いのも悪くないですが、灰色系の方が引き締まった感じで、個人的には好きです。



127025.jpg最後は、上架した我が艇の腹をのぞき込んで一枚。およそ一年ぶりに見る喫水線下は、思ったより貝や藻類の付着が少なく、意外ときれいでした。

汽水に近い水質のおかげか、それとも船底塗料の効果によるものか…。いや、もやいの端なんかをうっかり水につけてしまうと、一月もたたないうちに、真っ黒なイガイ(カラスガイ?)がボール状に付着するので、水質ではないですね。


(25年6月23日撮影)

(この項おわり)

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タグ : 曳船警備艇水上バス独航艀旧江戸川